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第8話:内因性崩壊の頂点
私がアジトを去った後。麗子は寝室の暗がりで、毛布を頭から被り、剥き出しの肌を抱えて震え続けていた。
眠ろうと目を閉じれば、氷野先生の柔らかい声が耳元で鳴り響く。寝具の生地が肌を滑れば、ネクサスの冷たい触手が腰を固定する感触が蘇る。寝返りを打ち、自分の胸がシーツに触れれば、ゾディアックの指が突起を弾く感覚が正確に再生される。
「(私の心も、身体も……もう、私のものじゃない……っ!)」
外部からの刺激は一切ない。完全な孤独な夜だというのに、彼女の身体はかつてないほど敏感に「過去の蹂躙」を再生し、蜜を溢れさせ、一人で絶頂の淵へと追いやられていく。
羞恥と快感のループ。自律神経が完全に敵のメソッドに調教され、自発的に絶頂を奏でてしまう『内因性の崩壊』。それはもはや、精神論や戦術で防げるものではなかった。
麗子は、自分の肉体が「セイントレディ」という殻を保ったまま、中身だけがドロドロの快感の標本へと作り替えられてしまったことを悟り、声にならない悲鳴を枕に押し付けた。この、内側から瓦解した脆弱な土台こそが、次なる第8章において、ネクサスの冷徹なデータ収集と最悪の同期を果たすための、悲劇的な「準備」となってしまったのである。
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