69/75
第5話:変身前の違和感
夕暮れ時、街にエクリプスの反応が現れた。
麗子はアジトへと戻り、セカンドバッグから圧縮されたロイヤルブルーのレオタードを取り出した。しかしその瞬間、今までにない異常な身体反応が彼女を襲った。
まだ生地に脚を通しても、指を触れてもいない。それなのに、レオタードの光沢を目にしただけで、胸の突起がジンジンと熱を持ち、硬く尖り始めたのだ。
「……っ! まだ、何もしてないのに……っ」
脳が勝手に『これから始まる蹂躙』を予期し、身体を先に絶頂の準備へと向かわせてしまう。自分を守るための「規律」を纏おうとする行為自体が、今や「快感の入口」として完全に定義されてしまっていた。
自分は街を守るために変身するのか。それとも、このレオタードに締め上げられ、敵の指先を『翻訳』される悦びを求めて変身するのか。
戦うことへの純粋な『主体性』が決定的に汚され、麗子はレオタードを握りしめたまま、その場にへたり込んだ。正義の象徴が、今や自分の内なる淫らな衝動を暴き立てる鏡へと変わっていた。




