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第7話:撤退の決断
長時間にわたる多点拘束と、全身を網羅する執拗な摩擦。麗子の体力と魔力は、すでに限界に達していた。
四肢の枷は食い込みを増し、ウエストを固定する触手は、彼女の呼吸すらもネクサスの管理下に置こうとしている。
(このままじゃ……また、あいつに……ゾディアックにされたみたいに、クリスタルを……っ!)
頭の奥で、第3章の第3話で味わった「消灯」の記憶がフラッシュバックする。石の角が恥丘に沈み込み、自分という存在が真っ白に塗りつぶされたあの恐怖。
ネクサスの触手構造では、クリスタルを力任せに押し込むことは不可能だったが、極限状態の麗子にそれを冷静に判断する余裕など残されていなかった。
「……、ぁあああああぁぁぁっ!!」
恐怖が臨界点に達した瞬間、麗子は自意識を放棄し、残された全魔力をブルークリスタルへと叩き込んだ。
凄まじいロイヤルブルーの閃光が爆発し、廃工場の闇を青く焼き払う。それは反撃というより、ただ自分を守るために放たれた、悲鳴に近い「強制放電」だった。




