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第1話:心の揺らぎと過敏な肉体
ヒュノプスによる心理誘導と、あわやクリスタルに触れられそうになった事件の余波は、麗子の日常に深い影を落としていた。 「……っ」
朝、スーツに着替える際、ブラウスの生地が胸を擦るだけで、ピリッとした過敏な反応が走った。心の基礎が揺らいだことで、肉体が常に「防衛」と「警戒」の狭間に置かれ、結果として異常なほど敏感になってしまっているのだ。
(私は……強くなんかない。でも、戦わなきゃ……)
ヒュノプスの「その勝ち方を誇れるのか」という呪いの言葉が、頭から離れない。健一と編み出した「腰の旋回」という戦術すら、女性性を切り売りしているという羞恥に変換されてしまった。
心の揺らぎは、肉体の制御を狂わせる。普段なら気にも留めない下着の縫い目やストッキングの締め付けが、今日に限ってひどく生々しく感じられ、麗子は一日中、自分の身体に裏切られそうな不安と戦い続けていた。




