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第1話:勝利の裏側の違和感
前章での戦い――私と考案した「腰の旋回」による新技で勝利を収めた後、麗子の表情には確かに誇りが戻ったように見えた。アジトでコーヒーを淹れる彼女の背中は、教師としての凛とした真っ直ぐさを保っている。しかし、当時の私は気づくべきだった。彼女が時折、自分のウェストやヒップのラインを無意識に撫で、小さくため息をついていることに。当時の私は、それが勝利の代償として彼女の心の奥底に沈殿した「女性としての肢体を武器にすることへの本能的な羞恥」だとは、正確には理解できていなかったのだ。彼女は「あの技のおかげで勝てた。本当に感謝しているわ、健一」と微笑んでみせたが、その笑顔にはどこか微細なノイズが混じっており、それが拭い去れない不安として私の胸に残っていた。自らの誇りを守るために「戦士としての誇り」という盾で羞恥を否認し続けていた彼女の心は、この時すでに限界へと近づいていたのかもしれない。




