第4章第2話:幾何学的旋回
アジトのトレーニングスペース。 麗子はすでに戦闘用のニップレスを装着し、ロイヤルブルーのレオタードに全身をパッキングしていた。
これから始まるのは、快感に屈しないための、あまりにもストイックで、それでいて倒錯した「身体操作訓練」だ。
「麗子。ゾディアックのブーストの条件は、クリスタルの角が恥丘の特定ポイントに『一点集中』して押し込まれることだ」 私は麗子の腰に手を添え、厳しい口調で告げた。
「ええ。……物理的にその合致点をずらせば、あの『消灯』は回避できるはず……。健一、始めて」
麗子は天井から吊るされたハンドルを掴み、あえてゾディアックに拘束された時と同じ、四肢を大きく広げた体勢を取った。自重によってレオタードの生地が垂直方向へ限界まで引き絞られ、肋骨のラインと、ニップレスで平坦に抑え込まれた胸の疼きが強調される。
「くっ……ふぅ、……っ」
私は麗子の下腹部、クリスタルの周辺を掌で圧迫し、ゾディアックの「押し込み」を再現する。 「今だ、麗子。腰を回せ」
麗子は、腹筋と背筋の微細なコントロールだけで、骨盤をミリ単位で旋回させ始めた。 レオタードの裾ゴムがパンスト越しに肉を噛み、滑らかな光沢が波打つ。
物理的に「角」の圧力を逃がすための幾何学的な動き。
生地が擦れ、ニップレスの下で突起がジンジンと熱を帯びる。だが麗子は、英語教師らしい冷静さで、自身の重心と装備の位置関係を客観的に把握しようと努めていた。
「もっと、鋭く。……敵の手つきに翻弄される前に、自分からその軌道を変えるんだ」
麗子の額に汗が滲む。 ロイヤルブルーの衣装が、彼女の動きを克明に記録し、光の反射を変えていく。
それは一見、美しく優雅な舞踏のようでありながら、その実、自らの「絶頂のスイッチ」を必死に拒絶し続ける、孤独で過酷な修行だった。




