episode36 緑の世界
---from 白井 side---
「おいおい、あの蟲使い。何もせずにやられちまったぞ。」
俺は呆れと驚きが混じった声をあげる。
蟲使いとは蜘蛛人間ハッサクのことだ。
昨日、十人衆の力を見せるということで一人で帝都奪還に動き、帝都にすらたどり着けず倒された。
呆れもあり、驚きもある。
蜘蛛人間ハッサクの実力を疑っていた俺は出撃前に実力を試してみたのだ。
そうしたら、切断と捕縛の能力を持つ糸を自在に操り、それに気を取られていると大量の蟲型モンスターを呼び出してくる。遠距離は不利と見て一気に近づくと隠し腕が6本現れ合計8本の腕で剣を振るってくる八刀流で迎撃してくる。
さすがに次代の四天王の座を狙うだけはあるとみていたのだが、それがあっさり倒された。
表には出さないが正直驚いているのが本音だ。
「フン。このまま十人衆任せでは無意味だろう。そろそろ俺が行こう。」
本気でそう思った。
このまま十人衆に任せても犠牲が増えるだけだ。
甘いのかもしれないが不要な犠牲を増やすのは本意ではない。
「俺なら帝王様からいただいたドラウプニルの力がある。実際にレンジャーワンの3人相手でも負けはしない。」
俺の発言に横から小突いて制止しようとしていたミスクロウが軽くため息をついた後、
「・・・白井殿の言ってるのは本当。私が足を引っ張っていた。私が足を引っ張らなければもっとうまくやれる。」
と言った。
言い遅れたが、ここはもはや定例会となった十人衆の中で次代の四天王としてだれがふさわしいかを決めるため誰が帝都を奪還するか? 出撃を決める打ち合わせの場だ。
本来、1回で済む打ち合わせが定例会化していることに十人衆の無能さが現れている。
目的を1回で達してたら、このように何回も打合せする必要はない。
この場には当然、十人衆。そして帝王様や宰相ユミルがいる。
その側に控えるように現唯一の四天王であるデビルフィッシュにその配下として俺やミスクロウがいる。アオイの兄のブルーフェイスの一団もなぜかいる。
話を戻す。
このミスクロウの発言にいろんな意味で驚いた。
さっきから小突いてきているように、この十人衆の実力を試すことが主旨のこの場で俺が出しゃばる事をミスクロウは嫌がっている。
そのミスクロウが俺が出撃することを後押しするような発言をしていること。そして、そのあと押しの発言が自分を貶めてまでしているということ。どういう心境の変化なのだろうか?
「ちょっと待っていただこうか。ここは次期四天王を決める場。まだ十人衆は残っている。部外者は引っ込んでいてもらいたい。」
そう言ったのは前回も俺の発言に噛みついてきた植物の精霊使いスミスだ。
フン、気持ちはわからんでもない。
が、今までの戦いぶりを見ても十人衆でレンジャーワンの相手をするのは役不足だろう。
余計な犠牲を増やすだけだ。
「なあ、そうであろう。十人衆の諸君。」
植物の精霊使いスミスが残った十人衆の面々を見渡す。
が、反応は鈍い。
それはそうか。
元々、十人衆は四天王の座を争う競争相手。仲間意識は皆無だからな。
「白井殿の発言も理にかなっていると私は思います。」
と言ったのは元タイタン副官で現十人衆のプロネミンスだ。
俺は興味をもって奴の発言に耳を傾ける。
「私はご存じの通りかつて四天王の座についておりましたタイタン様の副官をしておりました。その分、自分がタイタン様に及ばぬことは承知しております。分をわきまえ、レンジャーワンとの戦いのサポート程度はお力になれますでしょうが、正直、私には四天王の座は重すぎます。であればレンジャーワン3名と互角の戦いを繰り広げられました白井様こそふさわしいかと。」
フン、プロネミンスの奴、ずいぶん俺をもちあげる。
ただ、忘れちゃいねぇ。
奴がミスクロウを手にかけようとしたことをな。
「僕もそう思うな。レンジャーワンと何度かやりあったけど、正直、自分の分を思い知らされたよ。」
と、プロネミンスの発言にのっかったのが魔術師ルカだ。
まあ、前回も十人衆を降りる発言をしていたからな、魔術師ルカの場合、本音だろう。
「なんと嘆かわしい。せっかく宰相様に見いだされ四天王の座を得るチャンスをいただいたというのに、宰相様。このスミスに出撃をご命じください。他の十人衆とは違うところをお見せしましょう。」
「うむ。そうですな。その心意気助かります。スミス殿お願いできますかな。」
宰相ユミルはほっとしたような顔をしている。
この十人衆企画は宰相ユミルが立ち上げた企画だからな。
ここでその企画が立ち消えになるのは困るのだろう。
「もちろんでございます。つきましては一つだけお願いがございます。」
「なんでしょう。私の裁量でおこなえることであれば協力を惜しむ気はありません。」
「であればエルフの剣士ルールの同行をご指示いただけると助かります。」
ほう、どんな望みを言うかとおもえばエルフの剣士ルールの同行とは。
彼女がそれほど重要とは思えないが?
魔術師ルカと一緒に出撃しては敗退している印象しかないのだが。
「えー、ちょっと待ってよ。急に指名しないでよ。」
指名されたエルフの剣士ルールが抗議の声を上げる。
「何をおっしゃるのです。ゴーレム2体相手にしても瞬殺するその手腕を眠らせておくのですか? それに貴公は森の守護者、世界樹の担い手と言われるエルフです。植物の精霊を使役する私ならエルフである貴公の力を何倍にも引き上げることができます。」
「えー。でも、めっちゃ怖いしー。」
「私には貴公が必要です。」
「えー。もう、しょーがないなー。じゃあ、宰相さん。さっきスミスの言う事を聞いてくれたよね。私も願い事二つお願いしたいのよー。いい?」
なんだ、こいつ何を希望するつもりだ?
---from カク side---
前回の戦いは恐れ入った。
アオイ様は洞窟内にゴーレム4体を配置。
敵がくるやゴーレムに光魔法による砲撃を開始させた。
洞窟内いっぱいに広がる攻撃魔法。
これでは敵は近づけない。
さらにこの状態で敵がどこで砲撃をやりすごすか?
その場所をあらかじめ設定。
つまり敵はアオイ様に誘導されているってことだ。
敵がいる場所があらかじめわかっているのだから対処は簡単。
転移のスクロールで移動し、背後を突く。
それだけだ。
この方法だと俺達、兵士に危険はない。
ケガもない。
敵がきたらゴーレム4体を起動させるだけ・・・。そしてレンジャーワンの到着を待つだけ。
「アンタ 死にたいの?」
今ならアオイ様のあのセリフの意味がわかる。
こんな安全な方法があるのであれば、俺達の行動はアオイ様の目から見たらわざわざ危険な行動をとっているように見えただろうな。
「はあ。」
思わずため息をつく。
「どうしたんですか?」
バド少年兵が尋ねる。
「いやあ。凡夫と天才の違いってのを感じてね。俺はつくづく凡人だなぁとおもってな。」
「え? 今更ですか。」
「なんだと、生意気なことをいうようになったじゃないか。」
「えへへ、カクさんだとこういう冗談いえますからね。天才ですか? 天才・・天才・・もしかしてアオイ様のことですか?」
「おうよ。特別な奇想天外な策を使う訳でもないんだがな。それでも俺達、凡人には出来ない発想をもってる。あんなのを見せられると、なるほど、なるべくして四天王になってるんだし、勝つべくして勝てるんだなぁ。と思わざる得ないわけよ。」
「比べても仕方ないですよ。あ・・・そう言っているうちに敵がきたようですよ。」
なるほどメンドーサ様が使役する雷獣の探索範囲に入ったのだろう。
メンドーサ様から敵来襲の連絡がきている。
「ゴーレムを起動するか。」
「はい!」
俺達は現場へ向かった。
---from ルカ side---
「うっひゃー。」
僕達はゴーレムたちの砲撃にさらされて洞窟内の広間 まで逃げております。
「えーっ。何でぇ前はここ素通りだったじゃん。」
僕と並走して逃げているエルフの剣士ルールが文句を言ってます。
僕は今、エルフの剣士ルールと植物の精霊使いスミスとともに帝都を奪還するためダンジョンを移動してました。
ええ、してました。
言い間違いじゃありません。
今、必死に逃げてますからね。
え、なぜ僕がここにいるかですって?
それは隣で一緒に逃げているエルフに言ってください。
こともあろうに彼女は2つ願い事という表現で出撃の条件を出しましたが、その一つに僕の同行を申し出たのです。
断ろうと思ったのですが宰相ユミル様の笑顔の圧力を受けてまたまた来てしまいました。
エルフの剣士ルールにその理由を聞いたところ。
「道連れよ。」
と笑顔でにっこり怖いこといいました。
いやなエルフと縁が出来ちゃっいました。
という訳で3人で帝都に攻めようと思ったところ道中にいた複数のゴーレムに砲撃を受けて逃げているところです。
え? 植物の精霊使いスミスはどうしたかって?
あいつ特殊な能力持ってますよ。
植物の精霊使いというくらいです。
樹木を召喚する程度じゃ驚きません。
驚いたのは樹木を複数召喚し疑似的な森を作ったと思ったら、その森の中にすぅっと入ると消えてしまいした。
逃げるの早いです。
植物の精霊使いという肩書から機動力はそんなにないだろうなと勝手に思ってたらそんなことありませんでした。
要はスキルの工夫ですね。
それはともかく植物の精霊使いスミスが逃げるためにつくった疑似的な森ですが、僕やエルフの剣士ルールが入ってもスミスのようにその場から消えることできませんでした。
理不尽なことにスミス専用のようです。
そうこうしているうちにゴーレムの砲撃が森を破壊し始めたため、一目散に逃げだしたという状況です。
「ちょっ。敵の魔法が迫ってる。なんとかしなさいよ。魔法の専門家でしょ。」
隣のエルフがなんか理不尽なこと言ってますが、確かに敵の魔法が迫ってます。
「しゃーない。術式多重展開! Glitra!」
反射の魔法を唱えます。
ただの反射の魔法じゃありません。
敵の魔法は複数です。
反射の魔法一つじゃ足りません。
そのための僕の切り札の一つ術式多重展開です。
この術式を使えば同時に複数の魔法を展開できます。
使う術者のレベルにもよりますが僕は3つまで同一の魔法を同時展開できます。
つまり反射の魔法の盾を同時に3つ展開しました。
「おおーっ。やるじゃん・・・って、一つ防ぎきれてないじゃんかよっ。」
「えっ! おわっと。」
僕たちの頭の上を光の攻撃魔法の斜線が通り過ぎていきました。
危なかったです。
今のは単に運が良かっただけでしょう。
冷や汗たらたらです。
早くダンジョン途中にあった広間までいったん逃げましょう。あそこなら身を隠す場所があったはずです。
---from スミス side---
「ふむ、さすがは戦術姫ですね。嫌なゴーレムの使い方をしてきます。」
私は紅茶を飲みながら一息つきます。
「ふう、念には念を入れてよかったです。」
私のスキル「精霊術(木)」は幅広い使い道があります。
先程、洞窟内でゴーレムの砲撃を受けた時に避難する為に使った術もそう。
この術は森で迷い神隠しに遭う事柄を術理に合わせて魔術化したもので、森と森の間を自由に行き来出来るというもの
この術で事前にエスケープポイントとして設定していた洞窟内の広間に創った小さな森に避難しました。
まともにゴーレムの砲撃付き合う事は無いですから。
その避難場所で心身休めるためにティーブレイクとしましょう。
置いてきたエルフの剣士と魔法使いですが彼等も十人集です。何とかするでしょう。
この森と森を移動する術も簡単に見えて大変な神経と魔力を使うのです。
事前に「精霊術(木)」でエスケープポイントに木を植えなければいけません。
それも複数。
このエスケープポイント選びも重要です。
野良のモンスターに破壊されたら用を足しません。設定場所に神経使うのです。
また、長い距離にある森への移動はできません。いろいろ制約が多いのです。
それに、いざ逃げる時にも気を複数植えて森を作らなければいけません。
今回は咄嗟の避難に使いましたが、本来、この様な使い方には不向き術なのです。
この様な使い方が出来るのは私ぐらいのものでしょう。
おや、おや。
敵が現れたようです。
この場所で待っていて正解ですね。
ここは私が事前に植えた木々が広がる場所に変わっております。
言わば緑の世界と化したのですから。
さあ、私の力見ていただきましょう。
---from 山吹 side---
「あれ、おかしいです。こんなに緑一面の世界じゃなかった筈です。」
僕は周囲を見渡しながら警戒レベルをあげます。
僕たちレンジャーワンは索敵を行っているメンドーサさんから敵来襲の一報を受け、敵の背後を突くために、敵がゴーレムの砲撃を避けるためにいるであろう広間。-僕たちが迎撃ポイント―と呼んでいる場所に転移のスクロールでやってきました。
もちろん、変身済みです。
この場所。
前に来た時は何も無い岩肌の見えるいかにもダンジョンという場所でした。
ところが今は森になってます。
「なるほど、敵にも知恵が回る者がいるようね、ここを迎撃ポイントとみて逆に迎撃準備をしたってことね。」
アオイちゃんが感心したように周囲を見渡した。
「なるほど、では敵は僕達が来ることを既に想定しているとみてよさそうですね。」
僕が言うと隣にいた赤石くんも頷きます。
あらかじめ変身してきてよかったです。
変身時間の制限が気になりますが、いきなり攻撃を受けて即死はいやです。
「お褒めに預かり光栄です。青の国のアオイ姫。」
すぅっと木々の間から男が現れました。
おそらく、この男が洞窟内を森に変えた怪現象をおこした方なのでしょう。
この男、一言でいえば「THE 貴族」です。
カールを巻いた金色の髪。長いコートに腰が隠れる長いベスト。タイツのようにぴっちりしたズボンに白手袋。胸ポケットにはハンカチまであります。
戦士というよりは「THE 貴族」です!
ハイ。
「アンタは?」
アオイちゃんは警戒しながら問います。
「申し遅れました、私はスミス。樹木の精霊使いスミスの通り名で呼ばれているものです。」
「この森はアンタが?」
「左様です。どうです素晴らしいでしょう。荒涼とした地底のオアシスともいえるのではないでしょうか?」
「目的による。平和的な目的ならね。でも違うでしょ。」
「まあ、そうでね。残念ながら貴公と私は敵ですからね。」
「そう。ならこれはオアシスではなく一つの結解。緑の世界という名の結界。」
「緑の世界ですか。エクセレンッ! 詩的なセンスもお持ちのようだ。気に入りましたよアオイ姫。実はその呼称は私のスキル名でもあります。 それをノーヒントで当てたというのは驚きでしかありません。その戦術姫と謳われた智謀さすがです。それゆえに残念です。これから貴公の亡骸を見ることになるとはね。」
「大きく出たね。-『胡蝶の舞』!」
「それが決定事項ですので―『緑の世界』!」
アオイちゃんのスキルと植物の精霊使いを名乗るスミスさんのスキルがほぼ同時に展開されました。
アオイちゃんのスキルは魔法を使えなくする蝶の大軍を展開し、その場を魔法や魔力の使えないフィールドにするというものです。
対するスミスさんのスキルは一体どういうものなのでしょうか?
樹木が動きます。
まるでここにいる樹木が全部モンスターになったかのようです。
これがスミスさんのスキル「緑の世界」なのでしょう。
それよりも気になることがあります。
「魔法・魔力をキャンセル・遮断しているのになぜ動けるっ。」
アオイちゃんは驚きの声をあげます。
そうなのです。
仮に魔法や魔力の類であれば魔法・魔力を遮断する『胡蝶の舞』の影響化であれば、その影響をキャンセルできます。
術者の魔力で動いていたアンデット
術者の魔力で実態を得た精霊
これらは『胡蝶の舞』で魔力供給を断てば元に戻ります。
つまりアンデットは元の死体へ、精霊は実態を失います。
それなのにこの動く樹木は動きをやめません。
なぜなのでしょう?
「あっ。」
と驚く間もなく僕達3人は周囲を囲む多数の樹木から放たれた無数の蔦にからめとられてしまいました。
「ふふふ他愛もないですね。ああ、そうそう。なぜ『胡蝶の舞』の影響化で私の愛しい木々が動いていたか驚いていましたね。疑問が解決だれなければ死ぬにしにきれないでしょう。種明かしをしましょうか。この愛しい木々達は当然ですが生命を持っています。いかな壊れスキル『胡蝶の舞』といえど生命をキャンセルすることはできないのです。さあ、お逝きなさい。」
締め付ける強さが強くなります。
また、この蔦は茨か何かなのでしょうか?
締め付けながら蔦についている無数の突起で突き刺そうとしてきます。
僕がまだ状況を俯瞰できるほど心に余裕があるのは三柱の神様からいただきましたドラウプニルのお陰です。
ドラウプニルは簡単に言ってしまえば指定されたクラスに変身できるというものです。
この変身後がめちゃくちゃ強く。
このスミスさんの締め付け攻撃も緩和され、突起は突き刺さりもしません。
「なかなか厄介ですね、その防具。本来ならばこの攻撃は寄生する種子を植え付け人を野薔薇の化け物とするものなのですが、種子が植え付けられないとは・・・なんなんですかねっ!」
いらだちを隠そうとせず、蔦で急遽作成した鞭でアオイちゃんを鞭打ちます。
ちょ、・・・ちょっと待ってください。
いくらドラウプニルの防具があるといっても女の子が鞭打たれているのを黙ってみているわけにはいきません。
僕はレーヴァティンを発動させます。
この剣は炎を生み出します。
僕を縛っていた蔦はレーヴァティンの炎であっという間に灰になりました。
「なんですとぉーっ!」
スミスさんが驚きの声をあげます。
「女の子を鞭打つのは許しません。」
僕は得意の「錬金」⇒「レーヴァティン」のコンボを狙います。
つまり、錬金で大量のバイクを生み出し、レーヴァティンで生み出した炎のライダーを乗せて、炎のライダー軍団をつくるコンボです。
そのライダー軍団。
いつもなら敵に向かって一団となって突撃させるのですが、今回は四方に突撃させます。
僕達を囲む木々が今回の「敵」ですから。
・・・
ちょっとやり過ぎました。
周囲が火の海になっちゃいました。
「ちょっと! どうすんのこれっ!」
周囲に燃え広がる火によって呪縛を逃れたアオイちゃんが僕に詰め寄ります。
僕もちょっと想定外でした。
樹木って水分があるから本当は燃えにくいはずなんです。
それが一気に火の海になったのは偏にレーヴァティンの権能でしょう。
所有者の僕が言うのもなんですが恐ろしい剣です。
それはともかく。僕達まで燃えちゃうのはさけなければいけません。
「来てください。スキーズ。あなたの出番です。」
僕は空飛ぶ船スキーズを召喚。
それに乗り込み。
僕達は火の海を回避します。
ダンジョン内ではサイズ的になかなか運用しずらいスキーズですが、この広間の大きさなら各自の眷属1体分の召喚は問題ありません。
「おのれ、おのれぇ。私の木々をっ!」
スミスさんが少しでも高いところに避難しようと木を登っている光景が見えます。
「勝負あったね。」
アオイちゃんが追い打ちをかけます。
火と炎の複合魔法で「溶岩」を出現させます。
この広間の地面が溶岩と化します。
先に攻めてきた吸血鬼を倒した複合魔法です。
「あああっ! 私の木々達がっ!」
スミスさんの絶叫が広間に響く。
アオイちゃんの魔法で出現した広間の床の全てを覆う溶岩。
それに飲み込まれていく「緑の世界」。
それでも何本かしぶとく残っている木が何本かあるのは、それが自然にできた木ではなくスキルといった超常の権能から生み出されたものだからでしょうか?
スミスさんは溶岩に飲まれないように必死にその生き残っている木に登ります。
「くそぉ 『緑の世界』」
もう一度スキルを繰り出します。
でも、地面は溶岩です。
どこに『緑の世界』を展開しようというのでしょう。
と考えていたら、天井から樹木が生えてきました。
そうです。
思考から抜けてました。
ここは広いスペースがありますが、あくまで洞窟内です。
天井があります。
天井から重力が逆さまになったように樹木が生え森を形成していきます。
「ぬうん!」
赤石クンが素早く何かを発射しました。
確か赤石クン唯一の遠距離スキル「レールガン」ですね。
バカン!
まともにレールガンをくらったスミスさんは頭を吹き飛ばされました。
え?
それでもまだ生きてます。
それどころか体が変化していきます。
巨大化していきます
まるで自分自身が巨大な樹木のように変わります。
いけない。危険を察知した僕がスキーズに命じます。
「スキーズ。大砲の出番です。」
『イエス。マスター。』
大砲が火を噴き、巨大な樹木と化したスミスさんに当たります。
吹き飛ぶスミスさん改めて巨大樹。
ただし、その一部。
あまりに巨大化したためスキーズの砲撃でも一部しか吹き飛ばせないのです。
「うーん。これだと倒せたかどうかわかりませんね。」
「うむ。」
「もう一回ヤッとく?」
「そうですね。」
僕はアオイちゃん提案に頷きます。
「スキーズ、もう一度お願いできますか?」
『イエス、マスター。可能ですが一つだけご留意下さい。』
「? 何でしょうか。」
『変身してから時間経っております。もう一度、砲撃するとその変身時間が短縮されます。よろしいでしょうか?』
なるほど、いつだったか。
赤石クンの変身が長期にわたり自動解除された時がありました。
そうなる危険性をスキーズは提示してくれたのでしょう。
確かに戦闘中に変身解除されたら危険です。
スキルも使えなくなりますし、何より、いままで生身だと致命の攻撃を幾度も防いでくれていました。
変身が解除されると、致命の一撃を生身のまま受けるということです。
リスクがあります。
今の状況はどうでしょう。
洞窟の下は溶岩 ただし、これはアオイちゃんが生み出したものなのでアオイちゃんの意思でどうにでもなります。
洞窟の上は樹木が生い茂っています。おそらくモンスターです。
ただし、これはスミスさんが生み出したものですなのでスミスさんが倒されると無力化されるでしょう。
目の間には巨木と化したスミスさんがいます。
ただし、頭を破損したためか意思を失っているように思えます。
つまり目の前のスミスさんさえ倒せば、この戦いは終了です。
「スキーズ。大砲御願いします!」
『イエス。マスター』
スキーズが僕の指示でもう一度砲撃開始します。
「glitra!」
巨木と化したスミスさんの方で魔法の言葉が聞こえます。
「まずいっ!」
アオイちゃんが慌てます。
そんなにまずい魔法なのでしょうか?
と考えている暇はありませんでした。
スキーズの砲撃が反射されました。
スキーズは反射された砲撃を受け船体が大きく横倒しになります。
『緊急連絡。船体損傷。再浮上不能。本艦は乗員を非難させた後、復旧のため離脱します。アオイ様着陸のため、地上の溶岩を解除していただくことを要請します。』
「わかった!」
スキーズの求めに応じ、アオイちゃんが魔法で生み出した溶岩を解除。
スキーズは地上に着陸後、俺達が下りたのを確認し消えました。
改めて巨木と化したスミスさんを見ます。
反射の魔法をしかけるだけまだ力が残されていたのでしょうか?
二人の人物がそのスミスさんの巨大な枝の上にたってました。
エルフの剣士と魔法使いです。
あの二人は見たことがあります。
今までこちら側に攻め入ろうとして、その都度、敗走していた二人です。
確か、魔法使いはゴーレムの砲撃を反射の魔法で跳ね返して倒していました。
今回も同じ方法でスキーズの砲撃を反射したのでしょう。
「ちょ、ちょちょっとおーっ。あぶなかったじゃんかー。誰よ。この木に登ろうって言ったの。」
「だって、あの時、地面は溶岩の海だったじゃないですか。木に登るしかないじゃないですか。」
そのエルフと魔法使いの二人が何やら言い争っています。
「あれ、この木って植物の精霊使いスミスじゃない?」
「え? そうなんですか。」
「うん、タブンネ。エルフのアタシにはわかる。これスミスよ。」
「なんでこんな巨木になっているんです?」
「んー。あー。ちょっと周囲の精霊に聞いてみたんだけど、どうもスミス。ミスしたみたい。」
「ミスですか?」
「そう。多分、敵の攻撃で頭を破壊されちゃったんだー。それで思考と理性が止まっちゃって。植物の精霊を制御できなくなって、植物の精霊たちに飲まれちゃったって感じ。」
「えーっ。何それ怖い。」
「えーっ。だって大きな力を使うってことはそれなりにリスクあるじゃん。精霊って本当は怖いんだよ。」
「そうですけどー。 じゃあ、スミスさんは死んじゃったんですか?」
「んー。肉体は巨木となって生きてるけど意思は消滅してるから、実質、倒されたと同じ事じゃない。」
「話し合いしているところわるいんだけど。」
アオイちゃんが二人の会話に割り込みます。」
「アンタ達、帝王から派遣された戦士ね。そのスミスとやらはそんな状況だけどアンタらはどうするの? 退くなら追わない。戦うなら容赦しない。」
アオイちゃんの問いに二人がまた揉めます。
「ほら、あのように言ってますし退きましょうよ。」
と言っているのが魔法使いの子ですね。
「うーん。どうしよっかなーっ。」
と思案顔なのがエルフの剣士です。
「どうしたんです? いつもならすぐに逃げるじゃないですか。」
「ちょっとーっ。それ人聞き悪くない。勝ち目無いのは即逃げるけど(笑)」
「ちょっ、そうですよね。なら逃げましょうよ。」
「えーっ。ねぇねぇ。話聞いてる?? 勝ち目無いのは逃げるって言ったのぉ。」
「え、どういうことですか?」
「んーっ。条件揃っちゃったんだよねー。おかげで勝ち目ができちゃった。」
そう言ってエルフの剣士が剣をスラリと抜きます。
「剣を抜いたってことはアタシ達と戦うってことでいい?」
アオイちゃんが確認します。
「んーっ。正直、だるいけどー。条件揃っちゃたならー。お仕事ちゃんとしないとね。」
「条件?」
「そう、エルフだから森ん中だと有利なの。せっかく、こんなエルフに有利な空間になったのに捨てるのちょっともったいないかな? 逆さの森だけどね。それがかえって魔術的にいいっていうかー。核になる巨木もあるしー。」
そういってエルフの剣士は巨木となった樹木を撫でます。
すると元スミスだった巨木が幻想的な光を放ちます。
それにともない天井から生えている森も共鳴したのか幻想的な光を放ちます。
「まずい。」
アオイちゃんが呟きます。
「どういうことですか? 樹木が光ってまるで幻想的な雰囲気出てますが、直接の攻撃を受けているわけではないですが? 何かあのエルフの剣士がしかけた、この状態を知ってるのですか?」
「直接、どういう効果があるかは知らない。 ただ魔法使いの戦いは陣取りゲームみたいなところがあってね。高レベルの戦いになると自分に有利な領域をいかに増やすかという性格になってくるの。例えば「胡蝶の舞」。あれは魔法が使えない領域。 あと先程私がつかった火魔法と土魔法を組み合わせた「溶岩」地帯もそうね。先程の敵のスミスがつかった『緑の世界』もそう。 あのエルフの剣士。スミスの『緑の世界』を媒体にここ一帯を自分の領域にしたということ。」
「ぬう。つまりは不利な場所にいるということか。」
「赤石、正解。」
僕は改めてエルフの剣士を見ます。
「さあ、シルフ達、来なよ楽しいパーティの始まりだ。」
エルフの剣士がそういうと前回も現れた風の精霊シルフがぽつりぽつりと何もない空間から現れます。いや、実体化しているという表現が正しいでしょうか?
更には逆さに生えている樹木から人ほどのサイズの大きな種があらわれ、それを割って別な背中にトンボの羽が生えた女性型のモンスターも現れました。これもシルフなんでしょうか?
シルフ達は前回同様に剣や鎧兜に身を包んでいる個体もいます。
あっという間にシルフの軍団が現れました。
前回はアオイちゃんの『胡蝶の舞』で魔力供給を絶たれて一気に消滅しましたが・・・。
「更にいくわよ。」
とエルフの剣士が取り出したのはドラウプニル
まさか!
「An armor changes Lóðurr」の機械音が鳴り響く。
エルフに剣士の体が白いマントに覆われる。
大型の白い肩当。
頭部にはティアラを模した冑
軽装だった服は優雅な白銀のドレスアーマーに変化
体一つ覆う巨大な白銀のシールド
「Completion! The Lord ・WHITE」
機械音と共にエルフの剣士は白銀のドレスアーマーに身を包んだ女王様のような戦士に変身した。
「ぬう。」
危険性を感じた赤石クンが突っ込みます。
「エルフの剣士ルール。いくよ!」
敵のエルフの剣士は名乗りをあげ応じるように飛び出します。
同時に周囲のシルフ達もこちらに動き出しました。
「胡蝶の舞!」
アオイちゃんが魔法魔力を打ち消す『胡蝶の舞』を展開します。
が、前回とは違い、胡蝶の舞で魔力供給を絶たれて消滅するシルフもいれば、そのまま突き進んでくるシルフもいます。
よくよく観察すると樹木から生まれたシルフは消滅していないようです。
僕はスキル「錬金」と炎の剣レーヴァティンの組み合わせで炎のバイク軍団を出現させ残っているシルフめがけて突撃させました。
「ねぇねぇ。そこの黄色い人。」
エルフの剣士ルールが問いかけます
「僕のことですか。」
「そう、そう。それってcommanderなんでしょ。」
「はい。それが?」
「んー。こっちはねーLordなんだ。Commanderの上位クラスらしいよ。下位クラスで勝てるかな?-『王の法、王の盾』!」
エルフの剣士がスキルを発動させると彼女の持つ盾を中心に巨大な魔法陣が出現しました。
その魔法陣はそのまま盾になるらしく、その魔法陣の盾に衝突したバイク軍団はそのままシルフに触れる事なく衝突の衝撃で倒れていきます。
バイク軍団が敗れました。
初めてです。
「あははっ。こりゃ便利なスキルだ。兵士を守る王の盾ってか。こんなスキルも使えるようになるのかぁ。いいじゃん。ドラウプニル。」
自分のスキルに感心しているエルフの剣士に赤石クンが高速で突っ込みます。
「ぬうん。」
赤石クンのパンチ。
それを防ぐためにエルフの剣士は盾を構えますが、盾ごと吹き飛ばされます。
「いってぇーっ。防ぐのはやっぱり苦手―っ。」
エルフの剣士が起き上がりながら軽口をたたきます。
彼女もドラウプニルで変身してます。ドラウプニルでの変身の真価は防御力。
通常であれば致命の一撃も今のように「いってぇー」で済みます。
「変身してもーっ。自分の戦い方を見失っちゃだめだよね。」
そう言ってエルフの剣士は立ち上がり、剣を構え、赤石クンにむかっていきます。
対する赤石クンは群がる強化されたシルフを相手にしているため動けない状況です。
あれ? まってください。
エルフの剣士が赤石クンにかかりきりということは先程の『王の法、王の盾』というスキルでバイク軍団を防ぐ暇はないということですね。
僕は再びバイク軍団を呼び出しシルフ達に突撃させます。
エルフの剣士はそのまま赤石クンに肉薄。
コンパクトに剣を振るいます。
左足を軸に円運動で躱す赤石クン
その時、驚くことが発生しました。
赤石クンは円盾を装備しています。
その円盾の端が躱すときにエルフの剣士の剣にあたりました。
通常であれば防げます。
ところがその円盾の端が切断されました。。
初めてですドラウプニルの装備が破損されるのは。
「ぬうん。」
赤石クンはすかさず重爆ミドルキック
エルフの剣士は先程とは違い、軽やかにバックステップで躱し、再度、コンパクトに剣を振るいます。
なるほど、このエルフの剣士。
先程のように盾で防ぐではなく、回避して剣を振るうというというのが本来の戦い方なのでしょう。
対する赤石くん
逆に踏み込みます。
エルフの剣士の剣技の前ではドラウプニルの装甲も役に立たないのは知っているはずです。
それでも、踏み込む胆力は恐れ入ります。怖いって文字どこかに置き忘れてきたのでしょうか?
今度は、剣を持つ腕自体を跳ね上げ、姿勢を低くし水面蹴り。
なるほど接近したのは剣ではなく腕の間合いにするためですね。
頭では理屈は理解できますが、それを実践するとなると、赤石クン、相変わらずぶっとんでます。
エルフの剣士は水面蹴りに体制を崩すものの軽業師のようにくるりと体を縦回転させ躱します。
「ねぇーちょっとぉ ルカぁ。いるんでしょ。ぼーっとしてないで助けてよぉ。」
エルフの剣士が背後にいる魔術師にいいます。
「あ、はい。Gandir!」
魔術師がマジックミサイルを放ちます。
「アンタの相手はこっち。Gandir!Gandir!Gandir!」
アオイちゃんが同じくマジックミサイルを放ちます。
ただ、連射速度、威力ともにアオイちゃんの方が上です。
相手の魔術師は逃げまくってます。
戦場が固まってきました。
赤石クンがエルフの剣士と
アオイちゃんが魔術師と
そして僕がバイク軍団でシルフ達と戦うという感じです。
赤石クンとエルフの剣士
ドラウプニルを持つもの同士の戦いは、エルフの剣士が変身後の装甲を斬れる分、有利でしょうか。赤石クンは接近して打開したいようですが軽やかに交わされてむずかしいようです。
アオイちゃんと魔術師の戦いは、圧倒的にアオイちゃん有利ですね。
普段、アオイちゃんがマジックミサイルを連発してるのを見ているので、それがあたり前かなと思ていたら違ったようです。相当高等なことをしていたようです。
となると僕はできるだけ急いで敵のシルフ達を倒して赤石クンの援軍にむかうのが正解ですね。スキーズが離脱したため戦うための手札がバイク軍団しかないのが厳しいですが、赤石クンがエルフの剣士を抑えてくれているため、なんとか戦えてます。このバイク軍団と敵の動きを止める「パラライズ」のスキルを組み合わせて、一つ一つ削っていくしかないです。
あと残り10を切ったあたりでしょうか?
突然、僕の体が光りました。
「え? ええっ。」
なんと変身解除されてしまいました。
そう言えばスキーズが「制限時間が」と言ってました。
変身できる制限時間が過ぎたのでしょう。
まずい。非常にまずいです。
---from 赤石 side---
「ぬう。」
このエルフの剣士
相当の実力者である。
前から気にはなっていた。
ゴーレムを気が付けば倒している実績
しかしながら実際に相対すると大した実力も出さずに逃走する。
そのチグハグさにである。
彼女の強さはドラウプニルが装備されているからではない。
ゴーレムや我が装甲を斬る剣技
攻撃を躱す体術
その体術・技量を生かす全体視
おそるべき技量である。
剣による間合いと体術にまともに付き合うと勝てぬため、接近し関節技で仕留めようと試みるがうまくゆかぬ。
「ぬう。」
突然我の後方が光る。
見ると山吹の変身が解除された。
ぬう。
そういえばスキーズが変身時間が短くなると言っていたな。
時間がきたか。
これはまずいかも知れぬ。
我やアオイと違い、山吹は戦闘自体は素人である。
そのため直接戦闘よりはスキーズやバイク軍団を指揮し、我らに勝利をもたらしてきた。
変身解除となるとそのスキルは使えぬ。
スキーズも戦闘不能となっている。
戦闘手段がない。
なによりも変身で得た防御力がなければ一撃で致命傷を負うであろう。
非常に危険な状態である。
バァン。
近くで花火が鳴る。
アオイの魔法である。
あれは撤退の合図である。
さすが判断が早い。
我は今まで出さなかった奥の手を出す。
スキル『幻獣の角』である。
頭から角が現れ瞬時に槍のように伸びる。
このような攻撃は想定していなかったのであろう。
それでも瞬時に盾で防いだのはさすがである。
が、そこは小兵。
盾ごとエルフの剣士は吹き飛ぶ。
「きゃん。」
我も反動を利用し、大幅に距離をとる。
逃げるは簡単である。
山吹がスキル『錬金』で生み出したバイクがいたるところにある。
そのバイクをつかってこの緑の世界と化した広間からダンジョンまで逃げるのだ。
そこまで逃げればゴーレムの砲撃で食い止めることができる。
見るとアオイはすでにバイクにのって逃走に入った。
山吹もバイクに乗っている。
「いったーいっ。あれシルフ達も減ってんじゃん。一度後ろに集まってーっ。」
エルフの剣士がシルフ達を自分の後方に集める。
「さらに倍っ! af-kárr adj. atbeini n。」
エルフの剣士が何やら唱えるとシルフの数が増えた。
そしてそのまま、『王の法、王の盾』!とスキルを発動させる。
彼女の持つ盾を中心に巨大な盾となる魔法陣が出現する。
「このまま行っちゃえーっ!」
ぬう!
なんと理不尽なことか!
スキルで出現させた軍を覆うような巨大な魔法陣の盾て我らを押しつぶそうということらしい。シルフ達を下がらせたのもそのためか。
「ゆけ! スレイプ!」
アオイが機械仕掛けの騎馬を呼び出す。
騎馬は眩い光を纏い敵の魔法人の盾に突貫。
力と力がぶつかり合い激しい衝突音がひびく。
その隙に我らは逃れることができた。
【次回予告】
十人衆 エルフの剣士 ルールがついに本領発揮
レンジャーワンは撤退。
そのまま畳みかける帝国。レンジャーワンはこの危機をのりこえることができるのか?
次週、episode37 サイレント・トレジャー
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