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episode31 それぞれ

--from 宰相ユミル side---


「ふうむ。タイタンを破り麾下にいれるとは見くびってましたな。」


私は報告を聞き嘆息する。


その報告では我々を退けたタイタンとレンジャーワンが方針でも割れたか一騎打ちをし、レンジャーワンのレッドがタイタンを破り麾下に加えたという。


つまりレンジャーワンは帝都を手に入れたことになる。


まさか、ここまで勢力を伸ばしてくるとは予想外でした。


「見くびってったって何をだい?」


帝王様が薄く笑みを浮かべて問います。


この方も意地が悪い。

わかりきっている事を聞かれる。


「アオイの率いるレンジャーワンです。」

私は答える。


帝王はその解答に笑みを深くした。

「アオイ? 違うよ宰相、我々が侮っていたのは楽園『地上』だよ。」


「地上ですか。」

私は内心首を傾げる。

私が様々な情報をもとに調べ上げた楽園『地上

』は楽園の名にふさわしく、衣食住の文化レベル高い反面、戦の意識は低く、どころか皆無であるというのが私の出した結論である。

その戦の意識が皆無な「楽園地上」

ここを侮ってはいけないというの何故なのでしょうか?



「彼らは高い文化を持っている。つまり、それを支える富国は成っているんだよ。その富国を成立させた背景。つまり知恵や技術力、これを僕達は侮っていた。すぐに戦にも転化、応用できるのにね。」


「なるほど、土台はすでにできていたということですな。そこには考えが至りませんでした。」


「フフ、まあいいよ。これでシンプルになった。」


「と、言いますと。」


「タイタンが舞台から退場してくれたからね。僕達と地上の戦士。この2つの争いになったわけだ。」


「なるほど、確かにそうですな。今まではタイタンを意識しなければなりせんでしたが、これからは地上の戦士達に集中できます。」


「そうだね。これからは僕達の願いがかなうか、地上の戦士達の願いが叶うかの勝負だよ。」

「はっつ、「彼のお三方」をレンジャーワンから取り戻さねばなりませぬ。」

「そうだ。さすが宰相。「諸兄」をレンジャーワンから取り戻す。これが僕達の戦いだよ。今も昔もね。帝都や地底国家統一はその目的を達そうとしたら結果としてついてきた副産物でしかない。」

「はっ。」


---from 赤石 side---


「うむ。」

アオイと山吹の推論を聞いた後、我が思ったのが

「シンプルになった。」

の一文字である。


我の目的はリサ姉の救出である。


その救出の途上で帝国に征服された国々を開放したり、地底国家と交易するようになってが、それはすべて我にとっては副産物である。


我の目的は当初から変わらぬ。


山吹、アオイの推論を聞くに、

①リサ姉は守護者によって「魅入られたもの」となっている

②「魅入られたものは」何か自分の一部を奪われる

③その奪われたものを抽出し石碑にする技術がある。

④その技術が帝王の国にあり、石碑もそこにある。

ということである。


さらにリサ姉は「奪われたもの」があるため動けずにいるということらしい。


で、あればやることはシンプルである。


①帝王の元へ行き、リサ姉の石碑を取り戻す

②リサ姉の元へ石碑をもって行く


これだけである。


その石碑から本来の状態を取り戻すという研究は申し訳ないが我の手には余る。

山吹やリサ姉と言った研究者の分野であろう。


我は一介の武人である。そこまで高望みすまい。


我は我のやるべき事をするだけである。



---from ライト side---


・・・タイタン様は去られた。


理性では理屈はわかる。


ここにいると実質的にアオイ様の勢力下にはいることになる。

部下になったと周囲に思われるだろう。

それを潔くと思わなかったのだろう。


また、タイタン様が残ることでアオイ様の勢力内に新たな火種をつくることになることも懸念される。タイタン様を担ぎ出そうとする輩。タイタン様を良しとしない輩。それを未然に防ごうという意図もあるのであろう。


また、帝都は地底国家群にアクセスが良い。

ここを帝王に再び奪われることを懸念し、俺を残したのであろう。


そして、タイタン様は赤石様のリサ姉休出を妨害したことをいたく後悔なされていた。

そのための赤石様の一助になろうと単独で動こうとしたのであろう。


タイタン様はどうみても一人で動いた方がやりやすそうである。

今思えば我らがいることで枷になっていたように思える。


・・・理性では理屈はわかる。


タイタン様とご一緒できなかったのは忸怩たる思いがあるが、この剣に誓い、タイタン様のご命令通り赤石様の力になろう。


・・・・ただ、一つ。

俺が思うのは・・・プロミネンスのことである。


あの帝国との戦いの最中、プロミネンスは消息不明になっている。

俺は一介の剣士。

タイタン様不在の今こそプロミネンスの知恵が必要だというのに。


俺にはあのプロミネンスが乱戦で、何者ともわからぬまま、誰にも知らされず倒されたとはどうしても思えぬ。


プロミネンスよ。

今、どうしているのか?



---from アオイ side---


きっかけはあの映画だった。

当時の私は映画という娯楽文化がわからず、予言の魔道具か何かだと思った。


そうだろう。

当時の地上人が知りえない帝国四天王や帝王が出演していた。

そして、地上を攻めて敗北し滅亡した。

その映画館には微力ながら魔力反応もあった。


今、思い返しても異質だ。

あのあと、他の映画を見て見たが、あの映画のように地上人が知りえないキャラクターが出てくることはなかった。魔力反応もない。


なら、あの映画は特別な予言の書か何かなのだろう。


私は今、あの映画のようにならないように四天王を離脱し、地上側についた。


映画ではない展開だ。


今のところ、その選択は正しかったようだ。


お陰で祖国、青の国も取り戻すこともできた。


であれば私の基本行動は変わらない。

あの映画と反する行動をとるだけである。


ここで一つの疑問がわく。


あの予言の書めいた映画は何だったのだろう?



---from ライオンマン side---


俺の野望は誉れ高き戦士になることである。

戦士というのは強くなければならぬ。


そのため同じく強さを求める偉大なるデビルフィッシュ様と行動を共にした。

成り行き上、赤石殿といった地上の勇者と行動をともにすることになったが、今も俺の野望は変わらぬ。

誉れ高き戦士として邁進するだけである。


そこはデビルフィッシュ様を理解しておいでくだされたようで、敵味方に分かれて戦った時も「強さ」を競うことを願っておられた。

さすがは偉大なるデビルフィッシュ様である。

同じ求道を歩むお方よ。


それはさておき


俺の心身に今、困ったことが起きている。


体の方はプロミネンス戦からの不調である。

プロミネンスの魔法を受けてからというものダンジョン内にいるほど、自分が自分でなくなる感覚が徐々に襲ってくる。

これは地上に戻ると復調してくる。

そのため、あまり長くダンジョン内にとどまれなくなっている。


もう一つは地上の映画館とやらによったときに見た映像。

あれが俺の心をざわつかせる。いや、言葉を飾るのはよそう。

不安にさせるのだ。


あの映画館で観た映像は今でも心に残っている


戦う事も許されず、計略にはまり、魔術によって緩やかに弱体化されたあげくに謀殺され、裏切り者としてデビルフィッシュ様に俺が殺される映画であった。


決して誉れある戦士の死ではない。

受け入れがたいものがある。


あの映画自体も不思議であった。

俺がデビルフィッシュ様が出演しているのだ。

その時点でありえぬ映画である。


俺は映画とやらに出演したことはないのだから。


ただ、その映画の内容。

徐々に現実味を帯びてきていると感じる。

いや、現実化している


プロミネンスの魔術によって緩やかに弱体化されているのだ。

このままで映画のストーリーの通り戦う事も出来ずに計略にはまり裏切り者として謀殺されるのであろうか?


それは避けたい。

俺が望むのは戦士としての誉れである。


で、あればその未来を回避するためにはどのようにしたらよいのであろうか?


・・・考えるまでもないか・・・


あの映画と反する行動をとればいよいのだ。


---from 山吹 side---


僕は研究者です。

大学生でもあります。


いわゆるゼミ生です。

魔石の洞窟や魔石そのものを研究している赤石りさ教授のゼミに参加していました。


そこに最近、もう一つ肩書が増えてきました。レンジャーワンです。


そのきっかけはやはり研究です。


ひときわ巨大な魔石が発見されました。


その魔石は珍しく巨大なため、僕の所属するゼミで引き取り研究することになりました。

僕が担当になりました。


赤石りさ教授は超現場主義の方で、研究対象である魔石の洞窟内に研究所を構えるような酔狂な人でした。


魔石の洞窟は僕達がモンスターと呼んでいる未知の魔物が襲ってくる危険な場所です。

その危険な場所で、貴重な巨大魔石の研究は困難です。


ですから地上の大学研究所で研究することになり。

その流れで地上に残っていた僕が担当することになりました。


もちろん、僕だけじゃありません。りさ教授の盟友。黒滝教授もお目付け役でいます。


僕にとってその研究が、冒険の始まりでした。


その巨大魔石の中には3柱の神様が封印されていました。

その神様達が言うには僕の実験で封印が解かれたらしいです。


感謝されました。


そしてお礼として神様の力の一部を使えるようになりました。

その道具がドラウプニルです。


その力をつかっての実験中にいくつかの事件が発生しました。


洞窟内のりさ教授の研究所の崩落事故

そのりさ教授を救助するための臨時レスキュー隊、通称「レンジャーワン」の発足

臨時レスキュー隊に応募してきた地底の女の子アオイちゃん

そしてアオイちゃんが教えてくれた地底の国の存在。


そして、地上進出を狙うため地上を目指す地底帝国と

りさ教授を救出するために地下に向かうレンジャーワンとの衝突。


これが僕の冒険の始まりです。


その冒険の結果。

帝都を含めた地底の5か国を勢力下に収め、交易が開始されました。


一介の研究員がとんでもないことになっちゃってます。


僕自身も伝説の最強モンスター・ドラゴンを倒せるようになってます。


とんでもないことになっちゃってます。


この僕の冒険。


赤石クンにはりさ教授を救出するという目的があります。

アオイちゃんにはもう達成しましたが青の国を達成するという目的がありました。


僕にも目的があります。

ドラウプニルをくれた3柱の神様からお願いされた目的です。

「それでお願いなんだけどね。僕たちの仲間に白い神がいるんだ。彼も我々と同じように助けてほしい。」

僕は3柱の神様からそのようにお願いされました。



手掛かりは見つけました。


帝国に所属することになった白井さんです。


彼は僕達と同じ変身してます。

つまりドラウプニルを白い神からもらっている可能性が高いです。

変身後の鎧も白ですしね。


僕達はこれから赤石さんのおリサ姉さんの手がかりを探しに帝王のところへ行くことになるでしょう。そうなると今は帝王の下についている白井さんとも出会うチャンスはくると思うのです。


その時にそれとなく聞いてみましょう。


・・・。


そういえば僕にもう一つ課題がありました。

LV50になりタイプの選び直しができるようになってます。


・・・

選び直しができるのですが・・・今、このままでもドラゴンを倒せるようになってますからね。今のタイプがベストマッチかも知れません。

もう少し様子を見たいと思います。




---from ミウクロウ side---


・・・なぜでしょう?

なぜ彼がここにいるのでしょうか?


私と白井の目の前にはタイタンの部下プロミネンスがいます。

彼の申し出を聞くと私の部下になりたいとのことでした。

私は四天王デビルフィッシュ様の副官です。

彼は元四天王タイタン様の部下です。

副官である私の部下になるということは地位が下がるということです。


・・・私には理解できません。


その事が顔に出ていたのでしょう。

プロミネンスは薄く笑いました。

「研究したいのですよ。ホノカ様の研究施設をミスクロウ様が管理されているとお聞きしました。それで研究施設をお借りしたいのです。」


・・・私に用があるのではなく研究施設に用があるということですね。

なんか心がもやもやしますが・・・まあいいでしょう。

それよりも疑問を解消するのが先でしょう。

「・・・何の研究を?」

「ある魔術の研究です。」

「・・・ある魔術ですか? 何の魔術か教えてもらえますか?」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・教えてはもらえぬのであれば話しはここまでです。プロミネンス殿、申し訳ありませんがタイタンの将として捕縛させていただきます。」

私が一歩踏み出すと同時にプロミネンス殿がある呪文を唱える。

黒い炎とも魔力の波動とも怨念ともいいがたい黒いものが出現した。

「・・・これはっ!」

私の中の本能が警鐘を鳴らす。


この魔力の波動とも怨念ともいいがたい何かには決して触れてはならないと。


「ミスクロウ殿、ファスト殿をご存じでしょうか?」

「・・・タイタン様の副官であったかたですね。噂では、帝国からのお目付け役を嫌ったタイタン様に倒された方と。」

「世間ではそう言われてますなぁ。」

「・・・違うのですか?」

「ファスト殿を倒したのは私なのです。この魔法を使って。」

「なっ!」

「この魔法。帝国から派遣された副官や宰相。帝王までも倒せる魔法だと自負しております。

もちろん。ミスクロウ殿。あなたも例外ではありませぬ。」


・・・本能でわかる。

プロミネンスの魔法から放たれた「この魔力の波動とも怨念ともいいがたい何か」

これに触れたら最後。自分が自分でなくなってしまう。


「フン。面白い話だな。」

声のした方を振り返る。

そこには白井がいた。


「あなたは地上から強さを求めデビルフィッシュ様の元にきた方ですね。」

「フン。俺のことを知っているなら話は早い。」

白井はメガネの位置をくぃっと調整した後、手にもつドラウプニルを操作する。


「An armor changes Lóðurr」の機械音が鳴り響く。


白井の体が白いのフルアーマーにに覆わます。

両手には幅広で身長の倍もあるバスタードソードを持ち

同時に出現した白澤という神獣にまたがります。

「Completion! The Knight ・WHITE」

機械音と共に白井は白い騎兵に変身する。


「フン! 斬魔剣!」

白井がバスタードソードを一振りすると、あの悪寒のする「魔力の波動とも怨念ともいいがたい何か」は霧散しました。


「・・・なんと! 魔法を斬りさきますか!」

プロミネンス殿がたじろぎ一歩下がる。


「フン! 俺はミスクロウに少なからず恩義がある。ミスクロウに仇なすなら・・・容赦せんっ!」


「・・・っ!」

プロミネンスが不利を悟ったか背を見せ逃げます。

「フン! 後々、面倒だ。今の内に潰しておくか!」

白井が追います。


・・・何か違和感があります。


・・・!


そう、そうです。


プロミネンスは転移のスクロールを所持しています。

逃げるなら転移のスクロールを使うはずなのです。


使わずに普通に逃げた。


何かあるはずです。


私はあわてて白井の後を追います。



---from メンドーサ side---


私は雷獣を操ることができます。


この雷獣。

見かけがずんぐりむっくりでカワイイだけではありません。

雷獣の名に負けない電気を活かしたスキルを持っています。

雷で攻撃はもちろん

雷を電波として「通信」できるのです。

レベルが低いうちは「音声」だけでしたが、「映像」も「通信」し「共有」できるようになりました。

これで私は地底の五か国(青の国・川の国・石の国・地の国・帝都)と「地上」及び「地上」の直通トンネルを危険が無いか監視。場合によっては通信できるようにして連携をとれるようにしています。


山吹さんが言うには非常に重要な仕事だそうです。


確かにレンジャーワンは強いです。

ドラゴンを破り、半神化したデビルフィッシュ様も破りました。


でも3人しかいないのです。

そして3人力を合わせないと本来の力は出せません。


移動は魔法国家 青の国の協力で転移のスクロールがあるためよいのですが、問題が発生したとすぐに発見できないと意味がありません。


ですから私の今のポジションは非常に重要・・・と山吹さんは仰ってくださいました。


そういえばヘドリア様も同じことをおっしゃってました。

だからこそ戦闘能力に秀でているダル様より私がヘドリア様の部下の中での筆頭だと。

そうおっしゃってました。


・・・


ヘドリア様と同じことを言われるというのはなんかくすぐったいです。


その雷獣の警戒網にモンスターがひっかかりました。

場所は帝都の出入り口。


これは帝国が攻めてきたわけではないようです。

野良のモンスターです。


が、ちょっと強敵です。

出入口を守る守備兵ではちょっと手に余るでしょう


私は雷獣を使ってレンジャーワンに速やかに連絡します。


ヘドリア様、見ていてください。

これが私の戦いです。



---from 赤石 side---


「アオイ。あれは何というモンスターだ。」

「“水龍”と呼んでいる。正式名称は知らない。」

我は眉を顰める。

メンドーサの急報を受けて帝都のダンジョン入り口前に転移で急行した我らの目の前に現れたのは、ダンジョン出入口からでてくる大量の水流であった。

これはモンスターというよりも自然災害ではないのか?

と疑問に思ったが、何らかの対処が必要であるという事実には変わらぬ。

このままでは大量の水に帝都が飲み込まれてしまう。


しかし、モンスターなら知らず水に対してどのように対処したものか?

考えあぐねていると、アオイがメンドーサに対し

「あいつは電気が弱点。雷獣の電撃をおねがいできる?」

と指示を出す。

「は、は、はい! やってみます!」

と恐る恐る、水流に近づき、雷獣を召喚電撃を放つ。


すると水流に一気に電気が広がり、沸騰していく。

「‘*+>?<_?」~‘P+>!」

水流は聞き取れぬ悲鳴をあげると一か所に集まり、巨大な竜の形をとった。


なるほど、確かにモンスターであった。

「うひゃあ。まるで妖怪、ミズチですね。」

山吹がそのモンスターを見上げながら言った。

「さあ、高火力で一気に倒すよ。」

アオイの号令に頷き、我らは我らの持つ最高火力であるヴァン・アース状態へ移行する準備を開始した。



---from 白井 side---


フン、誘い込んだわけか。

俺は目の前の巨大モンスターを見る。


蝙蝠の羽根を生やした巨人が巨大な剣を持ち、こちらを睥睨していた。


俺は逃げるプロミネンスを追った。

少し広い場所に出るとこの巨人がいた。

誘い込まれたわけだ。


「あなたの武勇は聞き及んでおります。しかしながらアークデーモンには敵いますまい。」

プロミネンスの声が響く。

俺は周囲を見るがやつの姿はなかった。

声は聞こえるから近くにはいるのだろうが・・・

奴は魔法にたけている。魔法か何かで姿を消しているのだろう。


「あなたは魔法を斬り割く斬魔剣という技をお持ちだ。しかし魔法以外の力でこられましたら手も足もでますまい。」


フン。なるほど、それでこのアークデーモンとかいう巨人か。

だが、俺が得た知識があっていればアークデーモンはかなり高位の悪魔のはずだ。


「よく、アークデーモンを従えたな。そこは感心する。」

「従えてませんよ。」

「何?」

「従えてません。私の力量は私が一番知っています。従えていません。ただ・・」

「ただ、転移させるだけであれば私でも出来ます。」


呆れた。従えてないってことかよ。プロミネンス自身の制御下にない。つまり・・・

「自分自身も危ないってことだよな。」

「当然です。そして私があなたを倒し、ミスクロウを制し、研究所を使うには、この程度の賭けには勝たないといけません。私は賭けもせずに果実を欲しがるほど愚かではないつもりです。」

「フン、さっきも言ったはずだ、ミスクロウには手はださせん。」

「覚悟、結構。 でも現実的にどのようにされますか? その剣は魔法には強いですが、それではアークデーモンには勝てませぬ。まず体格差がありすぎます。」


「フン。舐めるなよ。とれる手段はいくつかあるが、今回はこれを試させてもらう。いくぞ白澤!」

『明白了。巨大化并合体。』

白澤が応じるとともに巨大化する。

そして、俺を取り込み変形する。

その姿は目の前のアークデーモンと同様の異形の姿。

砲身のような巨大な寸胴の胴体に

砲身のような巨大な口

その砲身のような寸胴の胴体を2本の太い足で支え

照準にあたる部分に俺が乗っている

そんな姿である。

「放てっ! 饕餮砲!」

俺が命じると同時に砲身のような巨大な口から力の奔流が放たれる。

アークデーモンはその一撃で消滅した。



---from 赤石 side---


『ヴァン・アース権能収束・発射準備

セイズ解放。 ガント充填、三神解除。標的レッドドラゴン。

ガンド充填300% 対反動制御オールクリア。ヴァン・アース権能発射準備クリア』


スキーズのアナウンスが流れる。


「吐ーッ!」

我は気合と同時に速射の掌底を蛟にむけてくりだす。

『Gungnir』

機械音と同時に我が掌底から繰り出される力の奔流。

蛟はその一撃で消滅した。


うむ。

慢心ではないがドラゴンをも一撃で倒す、ヴァンアースがあれば・・・使いどころさえ間違わなければ、何とかなりそうである。

あとは一歩一歩、帝王のところへ進みリサ姉の石碑を譲り受ければ、リサ姉の救出にまた、一歩近づく。


我は手ごたえを感じていた。


【次回予告】

タイタン・ヘドリア・アオイと四天王を失った帝国は新たな戦力を投入した。

その実力とは?


次週、episode32 十人衆

毎週 日曜日 9時30分 更新

ブックマークよろしくお願いします。


※2026年5月24日修正

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