第2話 シールドバッシュも意外に強い
いやーねー、ちょっと、手違いというか
まぁ、ちょっとしたユーチューバーの動画で話を聞いて
「そっかー、異世界ファンタジーって読者層、カクヨムに行ったのか…」
って、それならカクヨムじゃないとダメなんかね?っていう安直な理由で
あっちに投稿してたんだけどサ
色々システム的にも、なんか俺の手法と噛み合わないし
読者層の男と、この話って、絶対に噛み合って無いんで
「なら、ずっとなろうで書いてたんなら、なろうでいいやないか
別に書籍化したいわけでもねーし…」
って事で、8話まで書いてたの、こっちに引っ越して、こっちで
終わらせるので、既に書いてる、8話、推敲しなおししながら
移転するんで、1話、2話は、最初から移動で
俺はフィアとダンジョンに潜っていた。
なんかこう、アレだ。
ダンジョンという不思議な地下迷宮があって
そこに怪物が定期的に現れて
それを討伐しないと、やがて増えすぎて
ダンジョンから怪物が溢れて、人の街を襲いに来るので
ダンジョンを攻略しないといけない云々。
知らん。
一番最初の情報だけでいい。
怪物が定期的に産まれるだか現れるかで
それを退治して、解体して資材にすると売れる。
怪物の資材売りは普通に働くより、身銭が良い。
これだけの情報で、俺達には十分だった。
何か壮大な事を言われても困る。
そんなの二人だけで、どうしろっていうんだ。
そんな大事なら街全体でどうにかしないとダメだろ…。
だから、お金が稼げるという、その一点で
俺達はダンジョンを潜るのだ。
とはいえ、そこそこの期間潜ってた俺はともかく
フィアは元々、農民の娘。
冒険者等という、いかがわしい職業には性格的に向いてない。
俺も向いてるかどうかと言われると
多分、向いてない寄りだが、
フィアの方がより向いてない。
そんな子をダンジョンに連れて行くのは2つ理由がある。
1つめは、フィアの身の安全を確保するには
俺の側にいるのが最も安全…という事だ。
フィアは対外的には俺の性奴隷だ。
まぁ嫁として、毎日、夫婦の営みに励んでいるのだから
奴隷は兎も角、そっちの方は文言通りだが
奴隷の部分の方が厄介で。
奴隷には首に『忠誠の証』という
黒革のベルトに青い宝石が付いている魔導具が付けられる。
これは主人に害を為したら魔法の針が出て奴隷を殺す、
奴隷を正に奴隷にするアイテムで
そんな恐ろしい代物を首に巻かれるのだから、
どうしても奴隷は主人に逆らえない。
魔法とか言う、物騒なモノある異世界の更に物騒な道具で、
しかしこんな道具があるおかげで、
奴隷制度は俺が居た世界よりも安定して成立されており
この世界で広く普及しているのだった。
その『呪われるアイテム』のおかげで、
良いのか悪いのか、奴隷を人買いが強奪するという、
強盗集団の意欲が、非常に削がれた。
その魔導具には対応する開放の鍵が存在し、
それは普通は魔導具に登録された主人が持っている。
開放の鍵は、同時に、奴隷反逆時の魔法針で処刑執行を行う
共鳴起動アイテムでもあった。
故に、奴隷が人買いの強盗にさらわれたとき
主人は必要であるなら、鍵を使って遠くの奴隷を殺し
強盗集団の誘拐と人身売買の目的を潰す事ができるのである。
そんなリスクを抱えてまで、
強盗集団がわざわざ奴隷を誘拐しても仕方無い。
何時死ぬか分からない商品など、買い手がつかないものだ。
だから、普通に仕事の出来そうな一般人を誘拐して
奴隷として売りさばくのが、人買い集団の常套手段だという。
そんな流れがあるおかげで、
主人が家に奴隷を放置しても、奴隷は反逆逃亡も出来ず、
強盗の人買いにさらわれることもない…
『忠誠の証』のイイ所なのだが…
が…。
世の中には、右ナナメ上の人というのが居て
『死体でも構わん』
という、酔狂のキワに到達している人がいる。
特に冒険者などは、
一攫千金を狙う社会不適合者。
倫理を期待するのは、
ちょっと希望的観測というべきか。
というか、俺があっちの世界でそんなのをアニメでよく見て
そういう事を想像してしまって、怖いだけで
酷い杞憂と言えば、杞憂なのだが…。
一般的には、冒険者だろうと
人様の奴隷に何かしようとするのは
中々、無い事だと言われている。
警察代わりの憲兵的騎士団は
街の規律を護る為に存在してるし、
法律だってザルだが、存在はしている。
この街を治めている貴族が施行している法律なんで
法律の強制力など、あってなきがごとしだが…
しかし、困った事にフィアは可愛い。
ちょっと、普通の子から
頭一つ抜けてるほどは可愛い。
だとしたら、ならず者の冒険者なら
『ちょっとだけ冒険してみようかな?』
などと思うのではないか? と怖くなるのだ。
少なくとも、可愛いフィアを羨ましがられて
冒険者の先輩と悶着が起きる状況は、少し前まであった。
なので、完全な杞憂とも違う。
まして、今のフィアの首にあるのは
『忠誠の証』のニセモノ。
変なのに襲われないように
用心でニセモノを装着して奴隷偽装しており
本物の魔導具は、奴隷登録のその日に
俺が解除したので、効力を失って置物だ。
そう実はフィアは奴隷ではなく、今は自由民なのだ。
それがバレたら、冒険者に何されるか
分かったモノではない。
だから、用心に用心を重ねて奴隷偽装し
二人行動を常にしているのだ。
これが1つめの理由。
そして2つめ。
こっちの理由の方が大きいか。
俺は異世界転生者だ。
元々は、この世界の住人ではない。
あっち側の世界から、変な「神の様なモノ」と
自称する男に、こっちに転生させられた…のである。
その折に、申し訳ないのでという事で、
転生特典というのを付けてくれた。
半ば強制的に。
「万象強化」
ありとあらゆるモノを、
一定時間、強化する事が出来る能力。
そんな特殊能力をその男に与えられて、
俺はこの世界にほっぽり出されたのだ。
俺をぶっ飛ばした、神様の様な男曰く
『その能力は使いようによっては
世界の王になれる事もあるし
まったく使えなければ、
ただの便利屋おじさんに終わるかもしれない。
2面性があるんだ。
だから能力を生かすも殺すも
君の求めるモノ次第だよ』
とか言っていた。
そして、その後、モロモロあって
今に至っているのだが…
つまりその能力を
俺はフィア以外に見せたくないのだ。
俺は頭が良い方では無いが、
それでもこの能力は、
簡単に見せびらかして良い能力では無いと
これまでの事で実感していた。
今までに対外的に起こったことは、
俺が異常な成長性を見せる才覚溢れるモノ
と思われた事だ。
そりゃ、一般人の2倍も3倍も身体能力が
上がってしまえば、端からはそう見えるだろう。
あっちの世界でボンヤリとアニメなんか見てたら
そういう能力を簡単に見せていると
”何か良からぬ事に利用される”
や
"大きな事件に巻き込まれる"
という展開をよく見た。
なので、出来れば知り合い以外には
隠したい能力であって…
つまり嫁としか、共有できない情報と能力なのだ。
更に、恐らくコレが俺が影響が推し量れない一番の所だが…
「万象強化」の能力は俺だけではなく
フィアも「強化」の対象になり
俺とフィアの二人は、俺の能力が発動している時間は
本来の身体能力の1.5倍から3倍の能力を
発揮することが出来るのだ。
「万象」とは、つまりそう言う事らしいのだ。
この能力作用のおかげで
元々は農民の娘で、戦闘経験皆無な彼女ですら
弓を与えれば、強弓手、
槍を持たせれば、一撃必殺の槍手に変身する。
それらの事が、フィアを試しにパーティーに加えた時に
色々な実験で分かったので、
それ以来、彼女とバディを組んで、
二人共同作業で狩りをしている。
これが本来は性奴隷であって
戦闘奴隷ではないフィアを
ダンジョンにまで連れ回す2つめの理由で、
最も大きな理由だった。
個人的には、嫁を危険な所に連れて行きたくは無いが
宿屋に残しておくのも危険、ダンジョンも危険とあっては
彼女を護れる俺が側にいる方が、一番安全だろうか?と
難しい天秤をかけた結果であり、
今でもこれでいいのかと、悩む所である。
ともあれ、2人でパーティーを組んで
ダンジョンの狩りをするというのは
俺の「万象強化」の能力と相まって、
一人で頑張っていた頃より、何倍も効率が上がった。
お互いの編成はフィアが弓や槍で
遠距離、中距離の攻撃を行うオフェンサー。
そして俺は…フィアを傷付けさせないように
鉄壁の守りを担うディフェンサー。
俺の得物は、左右に持った大盾。
俺のポジションはシールダーだった。
つまりネトゲなどで出てくるタンクポジ。
なんとも、絵面はマヌケな事になったが
色々と試してみた結果、
俺がフィアの絶対安全を確保する
タンク役をするこの構成が
最も安定して狩りが出来る形だと分かった。
なら、絵面だけの問題に躊躇する必要はない。
大事な嫁の体を護ってこそ、嫁の夫というべきだろう。
ただ、盾役と言っても、受けるばかりが脳ではない。
万象強化で、瞬間的に3倍になった時の
シールドバッシュ(盾突撃圧殺)は相手を気絶、
あるいは絶命させるのに十分な威力があり
ほら…
「うおおおぉぉぉっー!!!」
「ハギューー」
ダンジョンの浅い層で出てくる
目の前のダンジョンゴブリン等の雑魚なら
俺のシールドバッシュの突撃圧力でも倒せるわけだ。
「ご、ご主人様、相変わらず、凄い威力ですね…」
俺のシールドバッシュで吹き飛ばされたゴブリンの様子を見て
フィアは唖然としていた。
フィアが槍を突く間も無く今日の獲物を俺は圧殺したのだ。
大盾でもの凄い勢いで突き飛ばし、後ろの壁に強打させて殺す。
シールドバッシュでの攻撃は、こんな光景になって華はないが
武器を振り回して当てるとか言う面倒な事をするより
盾で攻撃を受けた後に、異常な瞬発力で吹き飛ばすだけなのだから
昔よりむしろ楽になった面もある。
「出来る事なら、
フィアをこんな所に潜らせたく無いからな…
まぁ一匹くらいなら、俺がやらんと…」
と、頭をかいた。
一人で泣きながらダンジョンに籠もってた頃は
盾を構えて槍でチクチクするという
辛い状況を過ごしていたが、
二人になって防御専になると
多数の相手でも、圧倒的に楽になったわけで…
「稼ぎが、倍近くになったからなー
家を買う目標も、現実味が出て来たんだが…」
俺はそう言って、
誰に聞かせるでもなく呟いた。
そう、この2人体制になってから
家を買おうという目標は、夢では無く
実現可能な状況になった。
このまま、淡々と稼ぎを続けて行けば
数ヶ月もすれば、それだけの貯蓄が貯まる。
二人だけの家を持つのは不可能ではない…。
ないのだが…。
それでも…家は高い…。
二人で住む…
あるいは新しく産まれる家族も住める家。
そんなお家を買おうと思ったら
やっぱり、稼ぎをしっかりして
貯蓄を続けるしかないわけで…。
買った後も、生活に困らないように
余剰の貯蓄も要るわけで…。
余剰…
余剰貯蓄…。
そう…せっかく稼いだ全財産が…
それなりに貯まっていたお金が…
一夜にして吹き飛んだ、
フィアを買わなければならなくなったあの時
日本円にして400万円くらいだろうか…
それを全部つぎ込んで、
フィアを奴隷商から買い取ったあの時…
貯蓄は、ここに転生した時と同じ
振り出しのゼロに戻った事を思い出す…。
戻ったのだ…。
フィアを迎え入れたときに…。
後悔はしていない。
こんな素晴らしい嫁を手に入れたのだ。
後悔をするわけがない。
だが、ようやく、この世界の生活にも少しは慣れて、
お金の安心もできはじめた
その矢先に、俺は全財産に近い金を失った。
嫁と引き換えに、全財産をあの時、失ったのだ。
それを思い出して、俺は震え上がった。
後に二人でダンジョン潜りのリカバーをして、
元の400万相当の貯蓄に戻すのに、
かかった日々の事よ…
いや、月日にすれば2~3ヶ月と
あっちの世界で暮らしていた時なら
何だその貯蓄速度は!?
と、目が飛び出るような超速度だったのだが…
これが、フィアと二人でダンジョンに潜って
稼ぎが2倍になった効果なのではあるが…。
しかし、今はそれでも貯蓄速度が遅いと震えてしまう。
そう、これでも、俺の体感からは遅い。
あまりに遅い。
フィアが俺にとっては可愛すぎたのだ…。
この世界に吹き飛ばされて、
唯一見つけた心の安らぎ。
この世界に来て、初めて知った
『寂しい』という感情。
それを埋めて、俺を支えてくれているのが
この子なのだ。
だから俺は、
こんなダンジョンの中で焦燥感に苛まれる。
家を買えるほどの貯蓄が貯まるのが先か…
フィアを愛しすぎて妊娠させてしまうのが先か…
この二つのモノに追われて
俺は震えるしか無かった。
やっぱねぇ、挿絵は本文の中に埋め込めてナンボよ
リンクで跳ぶとか有り得ん
書籍化だってねぇ
売りたければ
ピクシブで自分で売ればええやんけ…
そんなに、既存システムに依存しないとダメなんか?
こんなWeb時代に




