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第一話 働きたくないでゴザル

10年前に

「物書きなら、決まったコンセプトで書く

フィギュアスケートでいう”規定演技”も出来ずに

好きな話を書くだけのフリー演技をするなんてお笑いぐさだ。

異世界、チート、ハーレム、つまり『異世界チーレム』も

書けずにどうして、他のモノが書けるのか?」という

謎の小説論に出会って衝撃を受け、

「俺がそのテーマで書いたらどうなる?」

という事で書いたのが『僕は今は君が好きだ』だったんですが

もう、途中から面倒になって、テーブルトークするわ好き勝手して

酷い出来だなぁ、と10年後に読んで思うので、

まぁ10年ぶりに、同じ『異世界チーレム』で

今度は真面目に書こうという事で、新作を。

今回は、途中でテーブルトーク始めるとかしませんので

10年前を許して下さいw

挿絵(By みてみん)



ああ、起きた…。

ああ、気持ちイイ…。

嫁のおっぱいもお尻も柔らかくて気持ちイイ。

毎日、朝がこうなら、そりゃまぁ、

これでもイイかと納得できる。


俺は嫁を抱き枕のように抱きしめて

その柔らかさを堪能した。


「ご、ご主人様!!

 あ、朝から…もうっ…

 その…いいですけど…その…

 朝ご飯が…」


挿絵(By みてみん)


フィアも起きていたのか、

それとも抱きしめた時に起きたのか

可愛い声で抗議してくる。


とはいっても、あまり本気で抵抗する気もなく

まぁ、ご主人様が寝起きのを望むなら

それでもいいか…という期待が混じった声だった。


昨日の夜も仲良くしてたのだから

朝でも続きがしたいのは、正直な所だ。

それは彼女も同じなのだろう。


しかし現実問題、腹もそれなりに減っている。

朝ご飯が食べたいのも、そう。

嫁とイチャイチャしたいのも、そう。


ともかく1つだけ言える事は…


「働きたくねぇ…」


俺は呟いた。


フィアに説得されて朝ご飯を食う事にした。

借宿の部屋で乾いたパンとミルク。


フィアが抗議したのは、夜ならともかく

朝っぱらの周りの人がいる状況で

聞かれると困るような声を上げるのは、ちょっと…

というのと、純粋に空きっ腹で

そんな事やってると、動けなくなるという切実な理由だ。


まぁそれは俺もそう。


あれだけ、夜に声を漏らしてしまっていて

今更、体裁を気にするのもどうかと思うが、

流石に朝もとなると、隣人に怒られるだろう。


というか、宿のマスターのボルに怒られるか。


ただでさえ、冒険者仲間にやっかまれているんだ。

これ以上の軋轢を生んでは、宿屋兼酒場兼冒険者ギルドの様なモノ…の

冒険者世話役のボブにさえ、愛想を尽かされてしまうかもしれない。


なら自重も必要か…。


俺はため息をつきながら、あまり美味しくないパンを食う。


ああ…これが米だったら…。


パンを口にして俺の中の望郷の念が締め付けられた。


きっと最高の生活をしている。

そう思う。


何だそれは?と思うような、今に至る流れとはいえ

美少女でおっぱいもお尻も豊満な嫁を得て

毎日イチャイチャしながら、冒険者などという

素っ頓狂な生活を続けれているのだ。


これを最高と言わずして、何を最高と言えばいいのか?。


こんな…『人間関係』では、あっちに比べると

遙かに素晴らしいこっちを評すれば

そう、それは最高だ。


そうなんだ。

嫁のフィアと毎日イチャイチャできるのは最高なんだ。


だが、他の要素、


特に飯に関しては、もう話にならない。


「この時代」の飯で、

あっちの世界と比べてしまうと絶望してしまう。


「ご、ご主人様…

 お水…です…」


と、かいがいしく水桶から水をくんでくれるフィア。


その首には黒い帯の魔導具が付けられていた。

いやまぁ、今はそれはニセモノなのだけど…。

木のコップに水を入れて貰って、それを飲む俺。


ああ…なんという、純水…。


ミネラルとかいう奴が無いのだろうな…

という気持ちになる、残念な味わいだ…。

何せ、蒸留した水なのだから…仕方無い。


俺は、毎日、知り合いの鍛冶屋に作って貰った

特注の蒸留器で蒸留した水を飲む『変な奴』で、

この近隣では有名になっている。


でも、それも仕方無い。

あんな泥水を飲めと言われても無理だ。


川の水をそのままくんで、飲んでいるとか正気か!?

コップに、何か、モヤモヤなのが浮いているんだぞ!?


無理無理無理。

あっちの世界で長く生きた俺には、これは無理。


水だけじゃないが、まず水が無理。


今でこそ、フィアも蒸留した水を飲んでくれるが

最初はフィアも、あんな汚水を飲んでいたのだから

なんという恐ろしい光景か…。

そりゃ、この時代に疫病が蔓延するのも納得だ。


というか、そんな生活してたから

流行病でバタバタ逝ったんじゃないのか?

…とも疑う。


しかし、仕方が無い。

『みんな知らない』のだから

これが常識なのだ。

だから俺は、軽くため息をつく。


「ご、ご主人様、きょ、今日はダンジョンには

 行かないのでしょうか?」


俺の朝っぱらの「働きたくねぇ」の言葉を真に受けて

おずおずと尋ねてくるフィア。


まぁ、行かなくて良いのなら、行きたくは無い。

しかし、それでは現状を改善も出来ない。


収入源がそこにしかないのだから

結局は行くしかないのだ…。


いやその…、必ずしもダンジョンである必要は無いんだ。

荒野を徘徊する化物を討伐するという

地下に潜らなくても良い仕事もある。


更に、その似た仕事に、荷馬車の輸送を護衛という

派生依頼もあるのだが…


”二度ある事は三度ある”という諺がある。

そんな迷信、信じては無いが

二度どころか、たった一度の荷馬車の護衛で

嫁…

いや、対外的には、俺の性奴隷のフィアを

手に入れる事になったのだ。


同じ事が起きるとは到底思えないが

もう一種のトラウマに近い何かなので

荷馬車の護衛なんか、ゴメンこうむる。


また性奴隷が増えるとか、

おかしな事が起きたらどうするんだ!?


いやいやいや、

そんな事、普通は絶対にありえないのだが…


だが…

だからこそ、トラウマ級なのだ。


何より、俺の機密事項の隠蔽は、

ダンジョンの様な人に見られにくい所の方が適している。

見られるのはフィアだけ、というのが一番良い。


そういったわけで、現実離れした

ダンジョンでの怪物退治、ならびに

怪物達の部位を資材として回収

なんていう、素っ頓狂な仕事を

毎日する事になっている。


まぁ、こっちに来てから、

これが俺の今の状況での最適な仕事

と、そこそこの期間を続けてみて、現状判断したのだ。


だから、それはそれでいいのだけど…


「フィアをダンジョンに潜らせたくねぇ…」


俺は、嫁を連れて化け物退治をしている

何とも情けない今の状況に、目眩を覚える。


一番の労働意欲が無くなってしまうのは、これだ。


ダンジョンなんぞという危険な場所に嫁を連れて行って、

化物退治の手伝いをして貰っている。


この危うさがイヤなのだ。


「そ、そ、それでもご主人様…

 やらないと…私達のお家が…買えません…」



フィアは辛い現実を突きつけてきた。


そうだ…何という現実…。


このまま、借宿でずっと過ごすわけにはいかない。

それでは、俺達の幸せにリミッターがかかったままだ。


そう、フィアと、朝から晩までイチャイチャしても

誰にも何も言われない様に…

フィアが俺の子供を安心して妊娠し、そこで生む為に…


俺達には、「自分達の家」が、必要だった。

まぁ、僕は今は君が好きだ、は、R-15かもなぁ…

って当時も今も思いながら書いてたんで、

今回は、最初から、

「性表現ないと、この話、成立しねーからR-15でいこう」

って事で、ちゃんとR-15にします。

10年前は、ラストシーンありきで始めたんで

最初から、あのラストが決まってたんですが

今回は珍しく、ラストが決まってません。

私の作品は、ラストを絶対に決めて始めるのがフツーなんですが

今回は、本当にラストが現在、決まってないんで

私自身も、「家買った後に、どうしよ…」って首傾げてるんで

どんなラストにするか楽しみです

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