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第17話 ただボンヤリと美少女二人と旅するのもイイ

どうしてもメイヴィアと過ごす「間」が欲しかったんだが…

朝と言うよりも早くの時間にメイヴィアは起きて

3時間ぐっすり眠った後に、元気いっぱいに起きて

それ以来、見張りをしていたリョウを確認し

全く逃げる事もなく、律儀に護衛をしてくれる

気の良い不思議な冒険者に僅かに微笑んだ。


食事までの時間、

日課である水の女神への祈りと

ダメ元であっても神託の啓示を求め

杖を持って神の声に耳を澄ませる。


聖女として選ばれた事もあり

他の神官が神託の祈りを捧げて

”ぼんやり”何かを言ってるような

何かを感じれる、という程度よりも

女神から囁かれる小さな”声”の様なモノを

かすかに聞き取れていたメイヴィアであった。


なので、普通の神官よりも

より”神託”に近いモノを受け取って

来たのだけれど…


だがその日ばかりは

メイヴィアの祈りの様子は異なった。


『その出会いを大事にしなさい』


そう、ハッキリ聞こえた。


メイヴィアは目を見開いた。

水の女神の神託の啓示。

それはいつも小さな声で、聞き取るのにも苦労し

その内容も曖昧で、

解釈が難しいモノだったのに対して

今日はハッキリと、そう”指示”として

聞こえてしまったのだ。


それも解釈の余地もない程に…。


「…オーシャリス様?」


メイヴィアはその神託に、呆然となった。


それと同時刻くらいか。

まったく別の場所で、

同じ様に神託を求めていた者がいた。


「…なんと?」


その男は思わず目を見開いた。


「聞こえた?聞こえてしまった?

 そんな…そ…そんな…」


その男は体を震わせて生涯で初めて聞いた

明確な”神託の啓示”に震える。


だが、彼にとっての神託は複雑であった。


「『貴方の選択が未来を決める』…ですと?

 そんな…今更になって、女神よ…

 貴方が私にくれる言葉が

 それなのですか? そんな…

 そんなのって……」


男はあまりの無慈悲な言葉に

ただ打ち震えるしかなかった。


―――――――――――――――――


「王都へ向かう…ですか?」


メイが起きて提案した事に首を傾げる俺。


「特に何処に行けばいいかなど

 分かりませんので…

 なら、もう思い切って、

 この国の王を頼ろうかと…」


そうメイは複雑な顔で言った。


いきなりこの国の王様に頼るとか…


俺はその案に閉口した。


「まぁ確かに私も、

 気乗りはしないんですよね…

 何だか、墓暴きをするかの様で…」


とメイはため息をつく。


ん?


「墓暴きとは?」


俺は不思議な物言いをする聖女様に

その言葉の意味を問うた。


「えっと…200年前からの

 我が国の謎なんですが…

 当時、女教皇としてその座に着いた

 聖女イレイネ・アルクシオーヌ様なのですが…

 後のアルクシオーヌ家を繋ぐ

 子を生まれており…

 しかし…誰と成した子なのか

 不明なのですよね…

 その子も後に教皇オグル・アルクシオーヌ様に

 なるわけですが…」


そう言って彼女は眉間に皺を寄せた。


「はい?父親不明で聖女が子供を作って

 その子も教皇になったって事?」


俺は意味不明な彼女の説明に首を傾げる。


「イレイネ様が、誰と子を為したのか

 不明というのが、

 ちょっとアレな感じでして…」


そう言ってメイヴェルは冷や汗を浮かべていた。


「イレイネ様って、

 御伽話の冒険者ギルバルトの仲間だった

 聖女神官の方ですよね?」


そう俺達の会話に入ってくるフィア。


「あ、そうなの?

 俺、その、みんなが知ってる御伽話

 知らないからなぁ…」


言って俺は頭をかく。

その地方では知ってて当たり前の御伽話って奴は、

異世界人には辛い。


俺だって”桃太郎”の話を彼女らにすれば

彼女らの目を点にする事はできるだろうから

互いにそういう感じなのだ。


いやーしかし、200年前の聖女様は

後のこの国の王の仲間だったとか…


「…え? ちょっと待って…まさか…」


俺はその流れから想像できる

”ある可能性”を思い立って

冷や汗をかいた。


「我が国は、それを考えないように

 してきたのですが…

 んー、どうなのでしょう…」


言ってメイは僅かに頭を抑えた。


「その英雄王だか、この国の建国の王は

 誰と結婚されたんです?」


俺は恐る恐る聞いてみた。


「そんなの当然、御伽話のヒロインの

 セシリア姫に決まってるじゃないですか。

 公爵の反乱で、国として崩壊した前王朝。

 その後の戦国時代に公爵の一派を討ち滅ぼして

 セシリア姫の婿になり

 王として戴冠して、国を建国しなおしたのが

 ギルバルト王なので…」


と、メイヴィアは、

あはははと乾いた笑いを浮かべる。


「貴方の祖先の200年前の聖女様は

 どんぐらい、その英雄王と共にあったので?」


俺は思わずそれを聞いてしまった。


「そりゃ、王様として戴冠するまで

 ずっとですよ、あはははは」


遂には会話にまで乾いた笑いを入れるメイ。


何だよ、謎なんじゃなくて

国家ぐるみで隠してるだけじゃねーか…。


俺はそれを思って渋い顔になる。


「この国と貴方の国が、

 同盟国なのってさぁ…」


俺は思わずそんなツッコミを

入れようとしたが…


「やっぱり王都は辞めた方が

 良いかもしれませんね…」


そう言って肩を落とすメイ。


難しい所だなぁと俺も思った。


なるほど、墓暴き…。


メイもその聖女の直系の子孫だ。


もしその可能性が本当だとしたら


………


…あれ? という事は

メイは英雄王ギルバルトの直系の子孫の

可能性があるんじゃないのか???


いや、直系はこの国の王家だから

傍流にはなるのか…


いやいや、でも、ん??

無関係ではないでしょ…それでも…


「あれ、じゃあメイヴィアって

 その御伽話の登場人物の血を

 直系で繋いでる事になるんじゃ?」


俺は思わず、そうツッコミを入れた。


「うーん、改めて考えると

 そういう風にも考えれるんですか…

 私、第四妃の娘なんで、

 どうにもアルクシオーヌ家の直系という

 意識ができなくて…

 個人的には母方のパシュネット家の者って

 意識でいたんですよね…

 直系って、だいたいが、

 第1妃の嫡子が継ぐ決まりだったので

 長男のトブル兄さんが直系なんだなー

 って思ってたので…

 上の兄妹が処刑なり幽閉なりした今では

 私が直系に見られるんですねぇ…」


そう言ってメイは難しい顔になった。


ああ、なるほど、継承の正統性が

上から上から消えていくと

直系じゃないよなって思ってた人が

突然、直系扱いされるようになるのか…


難しいんだな、血統って…。


「え?じゃぁどうするんだ?

 何処に行けばいいんだ?」


俺はその微妙な話で渋面になった。


「まぁ、明確に行くアテも無いですし

 向こうの王家だって、

 そんな事、今更でしょうから

 王都に向かいましょう…

 むしろ、他の諸侯を頼ってしまうと

 国のパワーバランスが

 おかしくなってしまうかもですし…」


そう言ってメイは方針を決めた様だった。


うーん、200年前の不倫相手の血脈が

助けを求めてやってくるとか、

王家的には、どうなんだろうなぁ…


いや、確定ではないだろうけど…

なぁ…


――――――――――――――――


「あの、リョウさん…

 こんな事を私が言うのも

 おかしいとは思うのですけど…」


とメイが俺に切り出してきた。


「何ですか?」


非常に言いにくそうな雰囲気で

話しかけてくるので、何だろうと

耳を傾ける俺。


「あの…フィアさんの…”忠誠の証”

 もうお嫁さん同然なのなら

 外してあげれば…」


挿絵(By みてみん)


彼女はそう言った。

その言葉を聞いて、青ざめる俺とフィア。


「え?え?どういう事!?

 なんでそんな事を!?」


あまりに突然に振られたので

パニックになる俺。


「いえ、昨日、眠る際に…

 ちょっとフィアさんと話し合って

 二人の馴れ初めを聞いたモノで…

 そういう話なら、いっそ…と…

 いえ、差し出がましい事とは

 十分、分かっているんですが…」


と彼女は難しそうな表情で

俺に上目遣いで尋ねてくる。


「はぁぁぁ!?

 あの事を言ったのかぁぁフィア!?」


俺は、あの事の全部を

まさか聖女に赤裸々にフィアが語ったかと思い

絶叫するしか無かった。


「いえ、ご主人様!

 ご主人様に買って貰った流れだけです

 詳細は、そのっ!!」


フィアも慌ててそうフォローを入れた。


「詳細???」


そこで、全部を聞いたつもりになっていた

メイの表情が怪訝なモノになる。


「あ~~いえ!

 全部ですよ~~

 昨日語った事で、あれで全部です~~」


と、フィアが全然誤魔化せてない感じで

メイに話した。


その怪しさで、メイの怪訝な表情は

もっと怪訝になった。


なるほど、恐らく、上手く良い感じの話で

彼女に奴隷になった経緯を説明したのだろう。


全部が全部伝わっていたら

この程度の物言いで済むか

怪しいモノだものな。


「何処まで話したの!?」


ヒソヒソ話でフィアに聞く。


「山賊に襲われて、ご主人様に奴隷として

 買って貰ったぐらいですっ!!」


ヒソヒソ声でフィアが返す。


「なんだ、そこまでか…

 それならまぁ…」


と安堵の声を漏らすと


「それなら…何なんでしょうか?」


俺達の不審な行動に怪訝な顔の

極限までなっているメイ。


「まぁその、うん…

 奴隷を買うのはあまり印象が

 聖女様にはよろしくないんでしょうが

 人助けというかね…

 なんせ、奴隷を買って殺して喜ぶ

 なんか頭おかしい貴族に

 この子が売られる寸前だったからね…」


と、俺は誤魔化しの言葉を口にした。


「それは聞きましたが…

 まぁ確かに…司祭の中にも

 隠れて集めた孤児の子に

 性的虐待を滅茶苦茶にして

 性的な喜びを感じる

 頭のおかしい人が居て、

 神聖騎士団が制裁を加えて

 法皇と揉めるとか、

 私達の国にもありましたんで…

 何処でも、そういう人が

 生まれるのかもしれませんが…」


と、物騒な事を口にする聖女。


ちょっと待って、ナニソレ。

司祭でそんな事する奴がいるのかよ…。

司祭だろ…。


司祭からしてそんな事するんなら

頭おかしい貴族が生まれるのなんて

もしかしてフツーの事なのかな…


「それでも、忠誠の証は

 扱いを間違うと彼女が即死してしまう

 危険なモノなんです…

 愛しているのなら…

 その…」


と、彼女は彼女の言いたい事を

俺の前に提示した。


ああ、そういう事ね…

ああ、それが気になってるわけか…


それは…うん、何も知らんで

立場が司祭とか聖女なら、そう言ってしまうか

それはそうだろうなぁ…


「ああ、まぁその危険は確かにね…

 だが別の危険を回避するのに

 有効なので、こうしてるのがあるのさ」


と俺は言う。


「別の危険とは?」


俺の言葉に目を細める彼女。


「この子は、滅茶苦茶可愛い子だろう?

 こんな子だと、人買いや人さらいに

 目を付けられないわけがない…

 そういうのから身を護るのに

 ”さらっても商品価値がない”って

 思わせるには、これは重要な

 守り護符になるんだ」


そう俺は今の状態の有用性を示してみる。


「ああ、なるほど…

 そういう可能性の為に、

 これを残しているんですか…

 それは方法論ですね…」


彼女は俺の解説に、

それなりに腑に落ちた様だった。


「それでも危険な事に変わりはないですし

 なら、ニセモノの首輪でもして

 欺くのも手では?」


そう彼女は何気なく言ってきた。


待てえぇぇぇぇぇ!!!!


この子、やっぱり頭がいいっ!!


なんとなくな考えで

俺達がしてる事をドンピシャで言い当てるとか

これが知識階級の底力か!!


「そそそそ、それも…手ぇ

 ですねぇぇぇぇ」


俺は動揺しながら、うわずった声で返した。


これ以上、何か言うと、

フィアのそれがニセモノだとバレてしまう。


ここは何も言わず誤魔化すべきだ

うん。


そんな俺の態度に、

メイは更に怪訝な表情を浮かべるのであった。


――――――――――――――


「民間の農家調理でも、

 味を良くするなんて出来るんですねぇ」


俺達は街道を進んで、次の日の夜営をし

食料を買った先の農家で

独自の調味料を同時に売って貰って

干し肉にそれをかけて火であぶって食べていた。


乾パンと干し肉と野菜の漬し。


そして聖女様が清めてくれた

美味しい水…


これだけあれば飢える事はない。

そして農家の人の独自に作った

調味料のおかげで、

味もそれなりに食べれるモノになった。


「しかし、栄養が偏ってないかが

 どうにも不安になるんだよな…

 ビタミンBとかビタミンCとか

 ああいうのが無いと

 マズイんだろ…確か…」


俺はその時、どうしてか…

”知識人”がいるという妙な安心感で

そんな事を口走ってみた。


「ビタミンBとかビタミンC?

 何ですかそれは?」


その単語に直ぐに食いついてくるメイ。


「あっ!えっと! その…

 食べ物の中にある栄養素の事だよ。」


俺はうっかりあっちの世界の知識を

口にしてしまった事に焦る。


「栄養素?食べ物の中の栄養ですか?

 しかし”素”とは? 不思議な言葉です…

 栄養の素…”素”??

 栄養に素性の分類があると??」


メイは俺の言葉を辿って

知識の源流に食いついてくる。


何だ、この子!?


ちょっとした言葉で

どうしてここまで理解できる!?


「それはある程度は分かって居る事です。

 小麦だけを食べて生きて行くことは出来ません。

 肉だけを食べても生きて行くことは出来ません。

 それくらいは分かっています…

 なので、その2つには生きるための

 何らかの必要なモノがあるとは

 考えられています…

 しかし、”ビタミン”なる栄養の何かを

 我々は言葉にした事がありません…

 何故、貴方は、最初から

 栄養に言葉があると知っているのですか?」


彼女はもの凄く鋭い切り口で

俺が口走った事と彼女の知識が

折り合わないことを俺に指摘する。


「え?え?

 えっとね…その…そう…

 東方で知られる知識で、

 そういうのがね…」


と俺はまた苦し紛れの

”謎の東方知識”で乗り切ろうとする。


「では、貴方が気にする、

 ”清めた水を飲まないと”

 という事も、それなのですね?」


彼女はどんどん俺に

食事で俺が妙な事を拘る事の

不思議さを詰問してくる。


「『虫歯を治さないと

  マズイ事になるんだ歯槽膿漏とか』

 など…貴方の居た東方の国は

 全く知らない言葉を作っています…

 どうにも私にはそれが分からない…

 東方の彼らの言葉で書かれている本も

 細い貿易ですが西方に流れてはきます…

 ですが、それらの知見から

 貴方が口にする言葉を

 私は見た事も聞いた事もありません…」


メイはそこで、もの凄い勢いで

詰め寄ってその矛盾を俺に突きつけた。


何だこの子は…


知識人を相手にすると、

ここまで俺のボロが目立つのか…


「いや、まぁ、あまり蓄えられた知識を

 外の国に出さない、閉鎖された国だったんで」


と、俺はあっちでの日本が

鎖国して情報遮断してた時代があったのを

思い出して、そういう性質の国であると

誤魔化してみる。


「それなら、尚更、深刻な話なんですよ」


彼女は真剣なまなざしで俺を見つめる。


「な、何で? そんなに問題かい?」


「大問題です」


「何で?」


俺はもの凄い勢いで食いついてくる

彼女の言い様に、ただ唖然とした。


「だって貴方は言ったじゃ無いですか…

 貴方の国はタジャルモリ帝国に

 滅ぼされたと…」


「あ、うん、そういう事だよ…」


俺は彼女との会話の流れで

作られた設定に沿って首を縦に振る。


「という事は、貴方の国の不思議な知識は

 今、タジャルモリ帝国の所有物に

 なっているという事です!!

 あの帝国が我々の知らない知識を持っている!

 これは、恐ろしい話ですっ!!」


「あっ!!!」


俺はそこで彼女と作った設定で

話を進めると、そんなとんでもない事に

なってしまう事に気付かされた。


「私の様な、明日の行方も分からない身で

 心配しても仕方無いですが

 知識の差で滅んだ国は

 歴史上、数あります…

 知識なんて、幾ら貯めても困る事はありません

 どうか、お願いです…

 貴方の栄養素なる知識を

 私に御教授いただけませんか?」


そう熱い視線で彼女は俺に食いついた。


まいったなぁ…


ほんのちょっとの事で

こんなにボロが出てしまうのか…


ああ、俺はやっぱ頭が悪いんだなぁ…


と俺は俺に絶望してしまって

仕方無く、うろ覚えな栄養素の知識を

彼女の語ったのだった。


――――――――――――――――


「栄養の”素”は貴方のおぼろげな記憶で

 5種か6種あって、それぞれが足りないと

 病気になる…ですか…

 そして、食べ物にはそれが複数入ってて

 混ざっているけれど、主の要素が一番多い…

 栄養素の大別は

 ”炭水化物””タンパク質””何か”

 ”何か””ビタミン”と…

 そして野菜に多く含まれる”ビタミン”が無いと

 致命的な病気に陥ると…」


彼女は俺のボンヤリ語った事をまとめて

そう口にした。


「栄養に関する、革命的な知見ですっ!!」


挿絵(By みてみん)


彼女はそう言って目を見開いていた。


「え?そうなの? そんなに?」


彼女の形相を見て、俺は首を傾げる。

だって俺が良く覚えてないんで

栄養素の2つが

”何か”と”何か”だぜ?

何にも分からんじゃないか…


「当然です!

 それらの話は、私達の経験則では

 ”そのような気がする”ではありました。

 何か、固有の食べ物が不足すると

 人は、どんなに治癒の祈祷を行っても

 どうしても直ぐに同じ病気を再発します。

 なので”そんな気がする”とは思ってました。

 しかし、その理論を組み込むと

 我々の経験則は、全ての矛盾が合致します」


そう言って彼女は己の拳を握りしめた。


えええ、そういうモンなんかな…


「いやだって、今までそんな気がするって

 疑っていたんだろう?

 だったら別に、そんなに驚く事では…」


俺は彼女の謎のテンションについていけず

何が彼女をそう興奮させているのか

首を捻るしかない。


「5種類か6種類も、それが存在してると

 東方の国が、それを調べたという事です!!」


そこで彼女は目をキラキラさせて

言葉を紡いだ。


「え?」


俺は首を捻る。


「我々は、貴方のいう

 ”穀物”に含まれる”炭水化物”

 ”肉類”に含まれる”タンパク質”

 そして

 ”野菜”に含まれる”ビタミン”

 なるモノの3つぐらいが

 あるのだろうとは思ってました!!

 言葉を作った事はありませんが

 今までの経験則で、3つくらいは!!

 でも、そうではなく6つ!

 他の何かが後3つあって

 それが食べ物毎に偏在してるから

 だから栄養が不足する。

 凄まじい理論です!

 でもそれなら、今まで食事療法で

 栄養を与えて病気を治す時に

 食材の偏りで治療効果が違うという

 我々の往年の謎が説明できます!

 我々が認識できてない栄養の分類が

 あと3つあって、それが

 食べ物毎に混ざっている…

 どうやってそんな事を

 調べれたのでしょうか!!」


彼女はそう言って目をもの凄く

キラキラさせていた。


あああ、この子、神官職だから…

学者肌なんだぁ…


彼女に俺があっちの世界の知識を伝えた事で

彼女がもの凄いテンションになった事に

俺はただ、驚くしか無かった。


「感動しました…ご主人様…」


そこでフィアも目をキラキラさせている。


「え?どういう事!?」


メイほどではないが、

フィアでさえ目がキラキラしているのに

ただ驚く俺。


「どうにも不思議だったのです…」


「ん?」


「ご主人様と御飯を食べ始めてから

 私はずっと体の調子が良くなって

 毎日が力強く生きていけるように

 なりました!!

 それって、ご主人様の

 その栄養に関する深い知識で

 起きてた事なんですね!!

 どうしてこんなに水に拘るんだろうって

 思ってましたが

 でも、言われたように綺麗な水を飲むと

 もの凄く調子が良くなるんです!

 それって、そういう事だったんだ!!」


そう彼女は感動している。


ああ、そういえば、フィアって

自炊する時の主な料理担当だったし

でも、調理するときに、

俺のうろ覚えな栄養知識で

アレコレ食材のレパートリーに

注文出してたモンなぁ…


結構、そこで、効果を感じてたんだ…


そうか…


ハァ…


なんか、嬉しいような、哀しいような

複雑な気分だなぁ…


だってこの知識って…

あっちでコンビニ飯ばっか食って

栄養偏って倒れて、医者行って

医者に


『コンビニみたいな栄養偏った弁当じゃ

 5~6種の必須栄養、揃わないよ?』


って注意されて、栄養補填の薬貰って

身についた知識なんだぜ…


痛みを伴った経験なのよ…

本当は…


それがこんな所で

二人の美少女の目をキラキラさせる事に

なるなんてなぁ…



親密さを上げる時間を確保して

ある程度のナチュラルさを作りたかったが

よくよく考えると

フィアとが超特急だったんだし

メイの方だけ丁寧にしても

なんか差別かもしれんな、と思ったんで


もう、いっきにラストスパート始めるか…


いやーこっから

滅茶苦茶難しくなるで~~

綺麗に収束するかなぁ…

して欲しいなぁ…


今、頭の中にあるシーンだけで

難しそうだからなぁ…

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