タイトル未定2026/05/07 00:18
「お兄さん焦らないで座って、ほらぁ裾が焦げてるよまったく、あのね霧島博士はご健在だよ何処にいるかは嘉代ねぇと海斗兄さんしか知らないけど」
一瞬、ガンさんが嫌な顔をした何かあるのだろうか。
「女性は嘉代ねぇと⋯3人はいたと思う僕らはファーストロットだったからすぐに実戦配備されてねあまりその後の事は知らないんだよね実際、次は⋯なんだっけ?」
「能力は?」
「あっそうそう、能力は⋯」
そう言って裕二は上を向き例のやつを始めようとしたので私は慌てて止めた、もしあれをこの場で披露すると店舗内が吐瀉物で地獄と化していまう。
「あぁあぁそうだねゴメンゴメン、ここではマズいね」
裕二は笑って謝罪した、そしておもむろに腕を土門に出すと捻ってくれと頼んだ、土門は裕二の手首を掴むと軽く捻った、裕二の掌は天井を向く普通これをされると反射的に手首を戻す体勢をとるが驚く事に裕二は捻られた手首を更に曲げ土門の手首を掴んだのだ。
「お兄さん優しいね、その程度で良いの?」
土門はムキになり立ち上がると裕二の手首を引き肘に手を置くとアームロックの体勢をとった裕二はそれに合わせ流石に身体を捻るかと思ったが裕二は座ったままで腕は肩の関節から飴細工の様に捻れたのである土門は目を見開く、すると掴まれていた裕二の手首は土門の腕をグルグルと巻きながら登ってゆき最終的に土門の喉笛を掴んだ土門は状況が掴めず必死に絡みつかれた腕を抜こうとするもびくともしない土門の鍛え上げられた腕からは血色が失せてゆく締め上げられているのだ、まるで蛇が獲物を締め殺しているよう、苦悶の表情を浮かべる土門は思わず裕二の肩をタップした、すると裕二の腕はスルスルと掃除機の電気コードが戻るが如く解けていった。
「軟体化、いやそんなもんじゃないな腕の関節が常人のそれとは違う、だからこそできる技だな」
土門は努めて冷静に語っていたが額には汗がじっとりと浮かんでいた裕二は土門の答えと実際を照らし合わせ語る言葉を選別しようと首を捻り考えていた、私は当然ガンさんの能力も気になりガンさんの顔をまじまじと見つめた、それに気付いたガンさんはため息をつくと箸でロースターの上で円を描いてみせた全て取り除けという事なのか、私はレバーをのせかけていた合家を制止すると慌てて鉄板の上を片付けた、こびり付いた肉片が焼け焦げ煙をあげていたがこれで良いのだろうか、ガンさんはもう一度ため息をつくとおもむろに店員を呼んだ。
「兄ちゃんゴメンやで、弁償はこいつがするさかい許してや」
箸で合家を指差すと開いている左手でいきなり鉄板を掴みにかかる、店員はあっと一瞬声をあげたがガンさんは気にせずガンさんの指は鉄板のスリットに掛かる、当然ジュと音が上がったが次の瞬間、鉄板の隙間をこじ開け指が中へ入ってゆくのだあまりの力にロースター自体が軋んだ、指が通り終えるとガンさんは鉄板を持ち上げそれを合家の顔に近付けるすると合家は仰け反り椅子ごと後ろに倒れそうになりガンさんは箸で合家を指して大笑い、店員の口は間抜けに開き茫然としていた、そしてガンさんは取り皿に入った焼き肉を頬張りながら左手に力を込めた、バキバキっと鉄板のスリットが握り潰されぽっかり穴の空いた鉄板は最終的にガンさんの手首で回っていた、店内は騒然としていたこの行為を見ていたのは我々と店員だけでなく店内の殆どの客がそれを見届けていたのだパラパラと拍手が何処からともなく起こっていた。
「兄貴は怪力、まぁそれだけじゃないけどお店自体の弁償は無理でしょ?」
裕二は合家にウインクをした、同意しかなかったあの光景を目にしているのだこの程度の店舗5分と要らないだろうが当然謎は深まるばかり筋力の生理的限界を解放しているのだろうか、それは置いといてである何故火傷しないのだその方が疑問だった、あの時もそうであった奴の火焔の鎧をものともしなかった私は立ち上がりガンさんの腕を触ったごく普通の体温、極低温というわけではなかったガンさんは気持ち悪いなと腕を引いた。
「兄貴の身体は斥力で包まれてるんだ」




