タイトル未定2026/05/02 06:08
地上は気持ち悪い程静寂に包まれ背後からの漣が五月蠅い程だった、しかしその静寂を許さない光景が眼前に広っていた、富士市北側上空には大小の火柱が3本聳え暗雲の中には雷光が左右に駆け巡っていた地上に目を向けると新たな観光場所になりうるであろう巨石が街中に鎮座し我々は先ず富士市の北側、富士運動公園に拠点を張ることにして移動を開始した。
我々は国道139号線を北上し運動公園を目指した、停電により信号が機能しておらず交差点各所で事故が起きていた、火災も起こっているようであったが市内は噴石の被害以外は一見まだ見受けられなかった現地の警察、消防、救急は機能しており既に行動を起こしていた佐久間は現地機関へ同時通信を行い統制を図る、各機関は市民の避難を優先し数時間以内に自衛艦が受入を開始するので海岸線への誘導を伝え避難は富士市北部から順次行い海岸線でのパニックを防ぎ西風なので西方向への避難も促した尚、溶岩流の発生も考えられるのでそれは追って伝えると連絡を入れ通信を切った。
「かなり火山灰が降ってきたわね」
「あぁそうだな、車両の移動は危険だなそれも伝えておこう」
運動公園へ到着すると公園には市民が既に避難していた未だ100名にも満たないがそれは時間の問題であった、大勢を一斉にここから海岸線まで移動させるのは我々だけでは困難である、しかし風向きによって火山性ガスや溶岩流がここを襲う可能性は高い、佐久間は私と由依を残し五十嵐を連れ富士山へより近付き迫る脅威を調査すると告げた、由依と2人で若世代には海岸線へ徒歩での移動を頼み伝え老人や子供、傷病人の移動手段を検討した幸い近郊には自衛隊基地がありこちらへ向かうとの事でそれを佐久間へ伝えると私達は公園以北の要救助者の保護に向かった、先ずは病院だ移動困難な患者がそこにいる筈であった再度、隊へ連絡を入れ随時我々のGPS情報を同期するように伝えた。
降下する火山灰でかなり視界が悪くなってきた視界を仮想モードに切り替える、視界は日中の様に鮮やかに変わる火山性ガス濃度は0、西風にかなり助けられているが火山灰は首都圏へ向かっているのは確実だったそれに空気より重い火山性ガスは富士吉田市へ向かっているだろう連絡は入っているだろうがそれが如何程のものか、これだけの装備を有し何もできない自分が情けなかった、検索を終え病院の位置がナビゲーションされる危険度が最も高いのは新富士病院、私はそこへ向かい由依には他の病院へ向かわせ隊にはトラックを1台先行して向かわせた。
新富士病院の駐車場には既に隊のトラックが停まり救助を開始していた、そこまで重篤な患者は入院しておらず私が到着した時には最後の患者を搬出し医者達は安堵していた、私は医者達に早急に運動公園まで避難を促したが車両へ向かっていたのでそれを止めさせると徒歩で向かわせ追って車両が拾い上げると伝えた、私は次の病院へ向かおうとした時、佐久間から連続が入った。
「晶、由依、富士宮方向からそちらへ溶岩流が向かっている速度は遅いが止まる気配はないそれに火山性ガス濃度が濃くなってきた東名から北部は時間の問題だ避難を急がせろ」
急げるものなら急いでいると悪態をつくと私は五十嵐へ聞いた。
「ガスの滞留は大丈夫か?」
「盆地ではないから滞留する事はない、流れるガス、ここでのシミュレートでは無理だ、とりあえず高い所へ逃がしてくれ」
「どのくらい?」
「2m以上、100%安全とは言い難いけど」
私は外部スピーカーから20分以内で避難が困難であれば2m以上の高さへ避難し追って救助に来ると辺りへ放送して廻った。




