表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
場当たり  作者: 真鍋
50/59

庄崎 Ⅳ

 しかしどうにもこの国の政治家と言う連中は面倒な事を喜んで引き受けるのか、引き受けるのは全然構わない困っている人を助けるのは人として当然だ、私が言いたいのは『引き受けたなら自分でやれ、やれないなら受けるな』である、自分の体裁は保ち全て下に丸投げする、しかもクオリティまで求め口を挟んでくる黙って金だけ出していろ政治家ならと常々思うがそれが政治家だ、政治家たるやであった。


 今回も上層から下水管を伝って汚物が私の元へ届いた、内容を精査したが私の出張る案件ではないのは明らか、しかしその汚物の排出された場所が防衛大臣ときたからには暗黙の了解であった、最近はデスクワーク続きで新鮮な空気を吸っていない日光も浴びなければセロトニンとビタミンDの生成が阻害される、健康にも丁度良いであろうと横須賀に向い帰りに中華街でも寄ってまともな食事でもと思っていた。


 案件内容は防衛大臣『御津海 猛(みつうみ たける)』の、後援会会長の、孫娘の、友達の友達に怪異らしき現象が見受けられるとの事、ちょっと待ていい加減にしろである私を万屋(よろずや)か何かと勘違いしてるのか親等外の依頼など常識を逸脱している更に案件内容を聞いて私は過去に祓った怪異を全て纏めて防衛大臣に送り付けたくなる程だった、その内容とは『夜寝てると何処からか会話が聞こえてくるんです』だと、30代40代ならいざ知らず10代、多感な年頃だ人の会話が全て自分の悪口に聞こえるなどSNSに投稿すればすぐ“10000いいね”はバズれる悩みだ、成功体験の少ない10代にありがちな自意識過剰による現象、LINEにでも相談してろ最近ならAIが的確に相談にのってくれるぞと一応にしょげている少女を前にその言葉を飲み込んだ。


「それで、それは就寝時かな?就寝前かな?」


「⋯大体っ⋯明け方⋯と思います、寝てる時です」


 少女は怯えるように答えた、その現象に怯えているのか片目が半分閉じ顔に大きな傷のあるデカ女に怯えているのか、最近では隻眼少女が主人公のアニメがあると聞いた少しは憧れても損はないと思うが、まぁそのソースの出元が私に気がある頭は宜しいのだろうが見た目と趣味に問題がある20代後半の名前すら知らない別部署の男だった女子中学生には響かないのだろう、私はいい意味で自意識過剰ではあるがあの男の趣味に付き合うのはゴメンだった、私は続けた。


「金縛りって聞いた事あるよね、あれ実は夢なんだよただの悪夢、だからぁ⋯」


「違いますっ!だって一回起きてヘッドフォンかけても聞こえるし、音楽流しても聞こえるんです」


 少女は私の言葉を遮り捲し立てるように言った、まだこの少女の言う事を信じている訳ではないが、もし本当ならば多分この子はチャネラーという類の能力者だ、霊能力者とチャネラーはよく混同されるが私は高次元などと会話はできない陰鬱な怪異しか読み解けないのだ、そもそも高次元とは何物だと笑いが込み上げてくる、チャネラー自体パラノイア症候群、自己愛性パーソナリティ障害、自分は特別な存在とでも思いたい寂しい連中の拠り所だ、この子も5年後には笑い話にできるだろう思春期に一時的チャネリング能力を発揮できる者がいると言われている一応、大臣の手前それなりの診断報告はつけるがそろそろ私の中では中華街の予約が気になりだしていた。


「お姉さん信じてないんでしょ、だったら証拠みせるから泊まっていってよ!」


『断る!』


 出かけたが飲み込んだ、しかし着替えも何も持ち合わせていない土門は返せばいいが少女の部屋で三十路女と少女が並んで寝るところを想像しただけで寒気がした、私は逆に少女に準備をさせて横浜のホテルを予約した、母親は『あら良いわね、お母さんも行こうかしら?』嘘か本当かわからない表情で少女の母親は私を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ