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場当たり  作者: 真鍋
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タイトル未定2026/04/19 18:11

 四方を白い壁に包まれ無機質な天井にはLED照明が煌々と灯っている、窓はなく外の様子も伺えない数分前、私はいや私達はこの部屋に連れて来られるとアナウンスで目隠しを取る様に指示された、当然の様に周りではザワついているここは何処であるかと。


 私はあの災害から辛うじて生き抜くと会社との労災問題で揉め辞表を叩きつけ自衛隊の門戸を叩いた、あの災害から私を無事救助してくれた感謝もあったしボルダリング、フリークライミング界では名の通った私には最適と思われたからであった、しかしあの災害以降周りの状況が大きく変わった“池袋大規模陥没”(のち)に命名された私が遭遇した大災害、その後信じられない様な災害が世界を襲い始めたのだ、自衛隊はそれに伴い消防と合同で災害救助に特化した特殊救難救助班『特救』を設立、そして私は特救の隊員になった。


 入隊から2年、災害は誰かの都合で発生しているのかと続いた“富士宮市断層噴火””琵琶湖水位異常下降”“桜島山体崩壊”挙げればキリがなかった、そこで政府は更なる手を打って出た産学官民協力の元新たな組織を創った“CEM”である、当初は特に意味も考えなかったがこの組織は世界規模で設立していた、CEMの意味"︎︎︎︎The common enemy of mankind"︎︎人類共通の敵、まるで自然災害自体が意思を持ち人類を攻撃しているとでも言うのかそんな疑念の残るネーミングであったが特救は国内におけるCEMの最上位組織となった。


 支給された制服の胸には櫻の紋章、世界規模のひとつの組織であり国旗は相応しくないと国花を模っていると言う事であった、私は海外赴任もあり得るのだろうかであればフランスが良いなと考え頭の中ではライオンに追われるサバンナが浮かんでいた、どちらでも良いかと私の口角は自然と上がった、にしてもこの部屋は精神を病みそうになる壁にクッション材が埋め込まれていればまさしく映画で観るあれではないかと想像できる部屋、この組織はそれでも尚、正常な精神を貫き通せる強い意志が必要とでも言うのだろうか、後から知るのだが施設自体建設途中で辛うじてこの部屋だけが使用可能であったらしい想像力豊かな自分に感心した。


 しかし余裕が有ったのはここまで、この部屋を出てからの訓練の日々は確実に私を削っていった、初めて見るSFで聞く様な機能を要した装備品に実弾訓練、格闘術に降下訓練、医師にでもなるのかと言う医療実習、毎日自室へ戻り5分以内に眠ると言うか失神の日々だった日付や時間は遠い忘却の彼方、それにここが何処であるかもわからない、ただ海の色と気温から南方の方である事は確かであるが日本であるかどうかティルトローター内では眠った様な気もするし搭乗時間は定かではなかったのだ、まぁそれでも休日はあった外出は禁止、外出したところで町や村、それどころか人すら居ないと上官は笑っていた、しかし施設内にはビーチ風な場所がありそこでビールを煽り英気を養えた、それに食事は凄かった和洋中のビュッフェ方式で一週間毎日ステーキを食べると言う経験もできた、そして半年かそれ以上が過ぎた頃、突如辞令が発令された30名ほどいた面々は怪我や一身上の都合で18名になっており、それを5名もしくは6名に分けると3つのユニットに編成された、それに各々、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタと仮のユニット名をつけ私はアルファチームに属したデルタについては離脱人員が戻り次第5名のユニットになるそうだ現状で3ユニットそれぞれ国内各地へ配属されアルファは関東地方という事であった、ここで私は思った“もしかして私って優秀なの?”自覚はなかったがギリシャ文字数え順で言えば1番のアルファ、にやけ顔を我慢して頬がヒクついていた。

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