タイトル未定2026/04/19 18:11
私は救護を続けた先程まで執拗に照り付けていた西陽はいつの間にやら沈み照明の消えた車内は暗闇ではないがそれもあと幾許かそんな感じであった、未だレスキューが現れる気配はない報道だろうかヘリコプターの風切り音が聞こえてきた、上部へ避難した人々は長椅子の側面を埋めつつありもう救助しても退避させる場所はない、あれから私と共に救助をしてくれる人もいたが層が進むにつれ目を背けたくなる酷い状況、だがこの薄暗さはそれを隠してくれていた。
とその時、ガクンっと車両が揺れた同時に頭上からキャッと悲鳴が上がり前方で蛙が潰れる様な音がして顔に生温かいものが掛かった、私はそれを腕で拭ったそれが何か薄々気付いてはいた伊達に毎月拝んではいない、多分、頭上へ避難していた人が落ちて来たのだろうそれが下で救助していていた人に激突したまでは想定してなかった、極限状態の中、折り重なる人々の層を一枚一枚剥がしてゆく単純作業の連続に私は感情を失いマシーンと化していた手が髪の毛に触るそれはフワッとした感触でなく束になっている血塗られ束になっているのであろう、その人の頭は弧を描くべき形が途中で途切れ代わりに弾力のある柔らかい物が手に触れた、私は天を仰ぎみた正確には後方車両とこの車両を繋ぐ貫通路辺り、次の瞬間、身体がフワッと浮遊する感覚に包まれ続く衝撃と共に私の意識は途切れた。




