タイトル未定2026/04/30 23:11
ミニバンは走り出した、物凄い加速で去り行く後姿に追うのを止め携帯を取り出すと庄崎へ連絡を入れていた、2人の発見と事態の顛末を告げると冷たく『分かった』と言われた多分、この手の荒事には庄崎が出張る事はないだろう暫くすると案の定土門が連絡を寄越してきた私は端的に状況を伝えると土門は車両ナンバーを聞いてきたがそれを言われハッとする程度の一般人であった、土門は『分かった』と一言、私の緊張感は何処へ行ったのか吹き出しそうになった、あまりに庄崎の“分かった”の声質と抑揚が似ていたからだ気を取り直し自分はどうしたら良いか聞くと『そこにいろ15分で拾う』と言われたので現在地を告げようとすると電話はそこでプッツリ切れた、私はムッとして携帯画面を睨んだが携帯背面に回る人差し指が何かを悟った“既に枝を付けられている”それは12分後に証明された、土門の乗る黒塗りのセダンが迷う事なく現れたのだ私は助手席へ乗り込むと敢えて何も言わずに深々と腰を下ろした、土門も何も言わず車を出すとミニバンが曲がった場所を見ていたかの様に迷いなく曲がった、多分向かうべき場所も把握しているのだろう流石と言ったところである。
車は5分も走らず停車すると目の前にはあのミニバンが駐車していた、土門はハンドルの上に乗り掛かるとフロントガラス越しに見上げ私に方向を示した、雑居ビル3階の窓ガラスには“パシフィックドラゴン”の文字、正直、初見で営業内容を言い当てる猛者はいないであろう、ドラゴンと言う言葉からして中国系なのか考えていると土門は一枚の資料を渡してきた、資料には最近報道でよく耳にするワード“トクリュウ”と記されてあった特殊詐欺や強盗などを行うグループで準暴力団扱いであるが暴力団とは違い暴対法や排除条例で取り締まる事ができず、かつ明確な組織構成がなく逮捕されるのは末端の闇バイト募集で雇われた学生や借金苦の中年と幹部の逮捕が難しく警察も苦労しているあの組織であった。
何故あの2人がトクリュウと関係があるのか確かに借金をしている感じであるが闇バイトと言う言葉自体知らないタイプという方が強い、しかし今現在あの2人はトクリュウの事務所に連れて行かれているこれは紛れもない真実、この局面をどう打破すべきか土門へ聞いた。
「これからどうするんだ?」
「一応、この辺りの巡回は止めている後は2人が出てくるのを待つだけだな」
あまりにも呑気な土門の言葉に私は詰め寄った。
「そんな呑気な事で2人に何かあったらどうするんだ!」
「はぁ?お前が言ったんだろ、お前のいう事が真実なら人間如き敵う相手じゃなかろう、それよりも来月末だが予定取れるか?」
確かに心配すべきはトクリュウの構成員であり突入してくる警官隊であったが一応にも暴力団に近しい組織だ銃などあってもおかしくないガンさんはともかく裕二の身体ではどうしようもない乱戦で額を撃ち抜かれる事はないだろうが、もしもガンさんが弾丸を額に受けでもすれば流石にそれは私の計画が水泡に帰する、やはり事が起こる前にどうにかすべきであると土門へ言った。




