道明寺 晶 Ⅳ
『system all green. redy to mission』
ヘルメットとスーツのシンクロがインカムから告げられた、しかしアニメではないのだオタクは大喜びだろうが特救隊員に外国人はいない雰囲気はわかるが外国製としても日本語化パッチくらい入れても差し支えはなかろう地方の中小企業ではないのだ、HMDSのスクリーンには各数値を示すレイヤーが重なり表示される私は正面の障害物に視点を合わすとエイムが障害物に自動で合う、同時にその距離が表示され障害物、遮蔽物を含めAIが理想移動コースを表示する。
「では始めてくれ」
深見隊長の号令、私は横にいた由依の肩を押した、何もなければ佐久間が先頭に立つだろうが訓練如きスーツを着た由依ならば何の問題もない、由依がこちらを見ているので頷いて顎で向かう先を指し示した、由依は頷くと最初の障害物へ向かった、登坂壁まで50m由依はそこまで4.24秒で行ってみせると丸太で組まれた登坂壁を中腹まで跳んでみせたギャラリーからは歓声が上がるが私は首を振った『徳丸、それでは弱いのだ』次々と隊員が登坂壁へ向かう中、私はトリを勤めさせていただこうと動かないでいた、佐久間は流石と言ったところかその壁を飛び越してみせた『佐久間よ、それでも弱いのだ』私はゆっくり走り出す、結構ゆっくり目6秒程で登坂壁に到着するとその前で止まり二、三歩下がり後脚で地面を蹴ると登坂壁に突っ込んでいった私はそれを障子の如く容易に突き破ってみせた、先を行く隊員は何事かと振り返り立ち止まるとその隙に私は由依の背後まで加速した。
「晶、目立ちすぎだ主旨がズレてるぞ」
隊長が冷静にそう告げた、しかしこれこそ災害現場の瓦礫の中で必要な能力かと思ったが私は本日の主旨を思い起こし佐久間へ直接通信で要旨を伝えたが『隊長から聞いているお前こそ頼むぞ』と言われ私は『分かった』とキレ気味に答えるとHMDSの体温表示が微かに上昇を表示していた。




