タイトル未定2026/04/27 00:42
インナーを着てスキンスーツを纏うと腕にあるガジェットには“system check”の文字、イエローバックからグリーンバックに変わり“OK”の表示が現れると起動音と共にスーツが肌に密着する、肌に薄皮を一枚被った感覚はあるが違和感はない素肌感覚とは言い難いが、しかしガジェットがブルーに変わるとそれは一変した右手で左腕を撫でてみる産毛を撫でる感じは右手にはないものの左腕には似た感覚を覚えた、私は顔の前で力士の様に手をパンと鳴らす、隣では徳丸由依が何をしてるのかとこちらを見ている、その先の五十嵐はガジェットを覗き込みこちらをみる余裕はない、由依の肩を叩き私はロッカーを出た。
ブリーフィングルームで本日の大まかな流れを聞く、話すのは特救の現場指揮をとる深見 海斗三佐である、自衛隊勤続40年の叩き上げであるしかし三佐という事は幹部になる、幹部という事は20歳に入隊したとして60歳、定年の年に特救の指揮をとるとは花道を飾らせるつもりであろうか、にしてもどう見ても30代にしか見えないその見た目は脅威である私の想像する老人のイメージが音を立てて崩れる、しかも発せられる声が若い事に思わず笑いそうになるのだ。
本日の訓練は世に特救の設立を知らしめる為に報道が入るらしい妙に官舎が落ち着かないのはその所為か、と言う事は防衛省、消防庁の御偉方もお越しであろう佐久間がそこら辺を忖度して徳丸を前面に出せば良いが無理だろうそんな男だ、であれば私が道化になるのも考えたがそれでは私の地位が危うくなる御偉方が来ているのだ尚更だ、とりあえず徳丸を捉えるカメラを遮らない様に気を配りつつ後は出たとこ勝負、佐久間には直接通信でそれとなく伝えよう自衛隊とは言え所詮トップダウンの構造は否めない上の名前を出せば従わざる得まい、特に上層部の名前は知らないがヘルメットのディスプレイがその本人を捉えさえすればたちまち個人情報を教えてくれるのだ。




