タイトル未定2026/04/21 10:07
「それで慈照様はどうなんだ?」
「はぁ?先ずは言うべき事があるんじゃないのか?」
流石に頭にきた私はしかし冷静にあくまで大人の対応で庄崎を責めた、なかなか気分が良かった何も言い返せず苦虫を噛み潰した様な表情、先生にも見せたかったが『よしなさい』と言われるがオチであろう、すると庄崎が口籠もり何かを言っている。
「⋯ない、すま⋯」
何を言おうとしてるかは手に取るように分った、人生で他人に謝罪した事は片手で事足りるそんな感じであろう庄崎の中でプライドと良心が鬩合を繰り広げていた、私は敢えて惚けてみた。
「さっきから何を言っている」
「すまなかった、あの時私は⋯」
庄崎はそう言うと男を見た“それはいけない”私の中でそんな感情が弾けた、多分、庄崎はあの時既に意識はなかった全てはこの男のしでかした事、しかし敢えて上司として謝罪をしている、それを含ます様な態度、言動は避けるべきだと思ったが若干それは違った様だった、男は頷き近付いてくると何かのキーを私の前に置いたそれはスマートキー、当然私は聞いた。
「これは?」
「許してくれとは言わん、せめてもの気持ちだ受け取ってくれ、TAX FREEで登録してある」
先生と全国を回っていた車は国産4ドアセダン、中古で買った時点で3万Km走った大衆車、しかし目の前に出されたキーに刻まれたエンブレムは『スリーポインテッド・スター』言わずと知れたメルセデスベンツだった、不覚にも私はキーと庄崎の顔を交互に見つめてしまった、いかんと思った時は遅かった『バカにするな!』と突き返すタイミングは遠に過ぎていた、これは完全に“容赦”からの“承認”でしかなかった、庄崎の表情がそれを物語っていた、ここで突き返せない事はないしかしそれは恥辱的であり今後、庄崎とイーブンな関係は破綻する、私は最大限の反抗、無言でそれを受け取ってみせた若干それをも見透かされてる様でむず痒さを覚えていた。




