タイトル未定2026/04/20 16:13
いつもの様に無言で入室する、3人はいつもの様に無言でモニターを睨んでいた、そこには平常があった私の唯一心を許せる可愛い化け物達、心の端、その奥の奥ではこの子達を今すぐ抱きしめてあげたい気持ちはあるがそれを実行に移せるのは来世、あればの話であるが。
私は視界の端で3人を見ながらデスクについた、デスクの上にはこの世の者が書いたと思えない汚い字で『退院おめでとう』と、横には骸骨のイラストが添えてあった退院した相手に骸骨とはなかなかどうして、こう言う時、私の顔に傷を付けた化け物に感謝せざる得ない、何故なら涙を流してもその涙は傷によるものと判断される、誰がこの子らを化け物呼ばわりしているのだ。
感傷に浸る私に翔太がメモを丸め投げてきた、それはデスクの上でバウンドすると背後の壁に当たりゴミ箱へ落ちた、これは彼のゴミ捨てのスタイルではない彼なりの最速の伝言の通達方法、彼との距離は2m程、まったく普通に伝言を伝える事ができないのかとゴミ箱から拾い上げメモを確認する。
『至急、伝えたい事あり 慈照弟子 清井』
私はメモに返信内容を書込みそれを再度丸めて翔太に投げ返そうとしたがそれを止めゴミ箱に捨てた、私は立ち上がると翔太の肩を叩き自ら郵便局へ向かった、返信の送付を頼みその帰りの道すがらプリンを3つ購入する私なりの最大限の感謝の気持ちだ、ただスプーンは付けない私なりのプライドだった、それに三者三様の処理の仕方を見るのが楽しいのだ、ただ一つ言える事は
『スプーンないですよ』
などと言い出す者がいないこの第三分室が私の大切な場所に違いはなかった。




