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場当たり  作者: 真鍋
13/59

タイトル未定2026/04/20 16:13

 外は雨、駐車場の車は濡れてなかった今降り出したと言う事だ、世間では事に及ぶ際、雨で喜ぶ者はあまりいなであろう“ついてない”“出鼻を挫かれた”“縁起でもない”私に言わせればお笑い草だ、私は声を大にして言いたい『お前ら如きで天気が左右されるものか』この国の平均的な降雨日数は年間100日から110日だ、約3日に1日は雨という事になる、確かあれはチリの砂漠だったか場所によって何年も雨が降っていない所があるのだがお前が行く事で雨が降るなら私は喜んで第三分室に所属させてやる、働かずして上級国家公務員の給与を受け取らせてやってもいい、心配するな私ですら天気はどうしようもない陰陽寮に所属はしているが雨乞いなど出来はしないのだ。


 窓ガラスに付く雫が後方に筋を描き飛んでゆく、この雫の様に何処かへ飛んでいきたい自由になりたい、しかし私の身体は政府に属し高額なメンテナンス費用を湯水の様に使わなければ3日と生きていられない“飼い犬”である、私はその筋をそっとなぞった。


 車は霞ヶ関、中央合同庁舎第二号館に到着した、土門が傘を差し後部扉に駆け寄ると私は扉を開く、雨は更に激しくなりボコボコと傘を叩く、子供の頃の記憶、私にもそれはあるただ時系列は上手く整えられない、小さな黄色い傘を差し両隣には大きな傘が並んでいる、雨にまつわる記憶、両隣にいる人物は誰だ私に両親はいないと言われている、しかしオスとメスがいないと子は産まれないそんな事は子供でも知っている、ではどうやって私は生を受けたのだ、ある意味それを知りたいが為この仕事を続けているのかもしれない、それを知る事となれば3日間好きな事をして死のう、そんな事を考えているのも事実だ。


 庁舎へ入れば私は一職員、政府から手厚い保護を受けているなど微塵も匂わせてはいけない、土門もそれは心得ている私を玄関へ送ると車へ戻り指示あるまで何処かで待機する、さて気掛かりはあの3人はどうしているか私がいない事を良い口実に遊んではいないか目を離すと子供じみた事を始めるのも事実、私のスーパーコンピュータ達は扱いに手を焼くのだ並列させれば量子コンピュータに匹敵する可愛い化け物達なのだが逆にあの子達は私を化け物と思っている事だろう否定はしない、とりあえず土門は何も言わなかった第三分室は存続しているのだろう私は地下二階を目指した。

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