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みどりの世界  作者: あさぎ
本当の私 〜ゲームの始まり〜
3/54

始まり(裏)



(よしよし、上手くいった!これで後は……)




 満月の夜。

 アパートの壁をすり抜けて少年が出てきた。そこは三階だが、彼は宙に浮いていた。


 彼は悪魔。厳密に言うと夢魔だが。

今ちょうど、一人の人間をゲームに誘う事に成功したところだ。




「おい、遅いぞ!」


 ふいに偉そうな鋭い声がした。

声の主は同じく宙に浮いていた。銀髪の背の高い青年だ。眉間に皺を寄せイライラしている。


「ああ、待たせたね。契約完了だよ」

「いつまで待たせる気だ!全く、俺が行けば一言ですぐ済んだと言うのに」

「脅しは駄目だよ。契約どころじゃなくなっちゃう」

「ふん!面倒な生き物だな、人間は!」

「そんな事よりこれからどうするかだよ、これは彼女と僕の勝負であり……」

「私とお前の勝負でもあるからな!」

「うん、そう。彼女の勝利は君の勝利……この世界は終わる」

「ふふっ。あの人間、その内に強い闇を感じる……これはなかなか期待できそうだな」

「でも、もし僕が勝ったら……そのときは……」

「ああ、分かってるさ。そのつもりだ」

「ありがとう。やはり持つべきものは友、だね」

「ふん、では私は結果を待つとしよう」

「うん、ゆっくり待っててね。時間かかるから」

「待つのは苦手なんだがな」




 二人の姿は夜の闇に溶けていった。




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