18. ボーイズラブ
【side:カナ】
ハッピーエンドで終わった物語を閉じて、余韻に浸る。
巻き込まれ召喚で総嫌われからのぉ総愛され最高。カプ固定だけど、脇カプもいい感じだし、モブレは未遂だし、純愛。総じて良作。
表紙買いしたが、なかなか良かった。
だがしかし、駄菓子菓子。
この胸の奥に棲まうもやもやが「それでいいのか」と悪魔の囁きのように告げてくる。
カッコいいヒーローに、可愛いヒロイン枠の男の子。
儚げ、可愛い、愛らしい、どれも女の代用のように描かれる受けちゃん達。
ボーイズラブってそれでいいのか。女性に付いただけのような男の子との恋愛。それはボーイズラブなのか。
女の子と見紛う男の子。同じ同性。それでも、いい、君がいいと選ぶ攻め君。
それでいいのか、ボーイズラブ。
本当に男の人が好きな人は「そう」じゃないだろ?
逞しい体つき、はち切れんばかりの筋肉、盛り上がった胸筋、割れた腹筋、男臭い顎、セクシーな喉仏、ふくらはぎの筋、骨ばった手、低い声。
そういう「男」を感じさせるところが魅力的に見えるんではないだろうか。
ということは、真のボーイズラブは、「兄貴」とか「男の契りじゃい」とか、拳を交わしたり体で会話するような男くささ×男くささという、どっちが受けか攻めか分からないアレということになるのではないだろうか。
いやいや、待て待て。
あれはボーイズじゃない。漢だ、兄貴だ、サブだ。あれをボーイズとまとめちゃダメだろ。ダメなはずだ。
って事は、男の娘はボーイズの王道…なのか?
頭の中がぐちゃぐちゃになってきたので、休憩とばかりにコーヒーを入れて、テレビをつけた。
映画のCMが流れている。高評価だったドラマの続編で、脇役で男同士のカップルが出てくるやつ。
これなー。話は嫌いじゃ無いし、ジェンダーな話を持ってくるのにこのカップルは外せない。それは分かるんだけど、モヤるんだよ。
私的には、逆なのだ。
違うんだよ、かけ算が。分かる?逆なんだよ、逆。
もう本当に、誰だよキャスティングしたの。
それに、受けはこの子より主人公だろ。なにヒロインとくっつかせてるのよ、大人しく男とくっついとけよ。
ドラマでもそっちが気になってストーリーがイマイチ入ってこなかったんだよなぁ。残念。
キャスティング大事。かけ算大事。
ちょっとテレビ局に物申そうか。いや、割とマジで。
スマホでテレビ局のホームページを開いた瞬間、テレビにあり得ない映像が映った。
筋肉隆々で屈強な男たちが体をてらってらに輝かせて組み合っている。
「はうっ!!!」
何コレ。なにこれぇぇええ♡♡♡
みんな黒革のズボンを履いただけで上半身は裸。その上半身にオイルを、ああ!足しオイルまでして、がっつり組み合ってるーーー!
ぬるぬると滑る肌と肌。主導権を取ろうと組み合うふたり。
いやああ!なにこれぇえ!!
ゴツいのに、ふたりとも…いや周囲もマッチョだらけなのに、ここは…そう楽園!
ひゃっはー!!
興奮している間に他のニュースに切り替わった。
そんな殺生な。
「ってことで、教えてグーグー先生っ」
さっきの情報をスマホで検索。
『トルコ オイルレスリング』
情報を仕入れて、動画を確認して、画像を検索して。
オイルレスリング、いいかも。なんて素敵なお祭り。
やばい、行きたい。がっつり最前席で観覧したい。いや、席なんてないけども。
青空の下で○ー○ョ○プレイ。いやぁ、乙女心がときめくね。
もう、ボーイズラブの定義とかどうでもいいわ。
好きな攻め(男)と受け(男)がイチャついてたらそれでいいのよっ!!
とりあえず、本能のままに描いてみようか!!
カナ「オイルレスリングは別名ヤールギュレシ ともいって、650年を超える歴史を持つ伝統格闘技であり、トルコ共和国の国技。全国大会での3日間に消費されるオリーブオイルは2,000リットルを超えるらしいよ。ちなみに、相手のズボンから股関節に手を入れて持ち上げるのは良いけど、大事な部分への攻撃はダメだぞ♪」
マコ「いや、誰がやんのよ…」




