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12.クリスマスプレゼント


【side:カナ】


緑に赤に金色。

街に溢れるクリスマスカラーに焦る気持ちがぐんぐんと膨れだす。


誰よ、締切25日にしたやつ。絶対ぼっちのひねくれ者でしょ。爆ぜろ。

指折り数えても、後2日しかない。ちゃんと余裕持ってやってたのに、あの教授、いきなりレポート出せとか言うし、はあ!?はあ!?何言うとんじゃ!年下の助教授に襲わせてあんあん言わせたろか!

中年(年下)×中年(年上)。それも有り!だが、受の中年がハゲなのはちょっとなー。美中年にする?いや、それじゃ意味がなくね?

いやいや、そうじゃないだろ。

あのクソ教授のせいで2日無駄にして、進行遅れたじゃん。ほんとムカつく。

やっぱ、えっちシーンだけ描いてやろう。


それはさておき。後は色塗りだけだから、締切には間に合いそうだけど、クリパ無理じゃんねー。いや、今日徹夜したらいけんじゃね?

でもなぁ、テンション上がんないだよなぁ。

あ、この色鉛筆100色セットいいなぁ。でも高っ。無理無理。

当初の予定通り、ペンとカラーペンを手に取る。

サンタでも来ないかなぁ。こんなに良い子なのにさ。

サンタって攻にしたら美味しい気がする。サンタお兄が全国のショタの元に愛という名のプレゼントを配って欲しい。なんならショタではなくてお兄×お兄でもいい。そんな風景を覗けるならトナカイになってもいい。むしろなる。


文具コーナーの隣にある新刊コーナーを眺める。

掘り出し物はないかとぶらぶらしていたら、私の横に男子高校生3人が談笑しながら少年漫画の新刊を手に取っていた。

剣道が似合いそうな(攻)とサッカーやバスケが似合いそうな(攻但しリバ有)と文系眼鏡(受)君のトリオ。

これは、ヤバイ。私の腐魂が疼く。


「あ、あった、あった」

「読み終わったら貸してくれよ」


眼鏡君が持つ漫画を上から覗き込む剣道君。

なにその位置取り。完璧かよ。


「おう。じゃ、明日持ってくわ」

「明日何かあんの?」


にこやかな2人を見て首を突っ込むサッカー君。

眼鏡君が剣道君を指差して笑う。


「あぁ。こいつんちに泊まんの」

「え?いいなぁ。俺も行きてぇ」

「いいぞ。親が出かけるから飯はカップ麺とかだけどな」

「いい、いい、そんくらい。何なら簡単なチャーハンとかなら作れるぜ」


リバと思ったサッカー君がここに来て嫁だと!?

……いや、サンドイッチなら彼は真ん中。眼鏡君に入れるサッカー君に入れる剣道君。

なにその理想形態。


「3人ならケーキ持ってていい?ケーキのノルマあるみたいで、姉から1ホール買えって脅されてんの」


お泊まりな上に生クリームだと!?誰に?誰に塗るの?ちょっとお姉さんに教えなさい。

興奮で声が漏れないように片手で押さえるが、鼻息だけは仕方ない。大丈夫、お姉さん怪しくないよー。

呼吸を落ち着かせながら、聴力に全神経を集中させる。


「1ホールかぁ。まぁ、小さいのだったら大丈夫だろう」

「オレ、甘いの得意じゃないんだけど」

「大丈夫。甘さ控えめで、うちの親父でも食べれた」

「大丈夫。ちゃんと最後の一切れまで口に入れてやるから」

「いや。それ大丈夫じゃねぇだろ」


剣道君がサッカー君に「あーん」ですと!?

涙目で「もう…むり」って訴えるサッカー君の口にスプーンに載せたケーキを笑顔で食べさせようとする剣道君。

剣道君、鬼畜か!Sか!Sだな。


「あ、そうだ。部屋狭いから床に雑魚寝でも文句言うなよ」

「言わないって」

「むしろ寝ないかもしれないよ」

「いや、そこは寝かせろよ」

「ふごっ!ぅごほっごほっ」


やばい。思わず悲鳴が出かけたわ。

寝させないって朝まで何するの!?ナニするのーーー!!

やめて、お姉さん鼻血出ちゃう。

なんてこった、慌てん坊のサンタクロースが来たよ。

男子高校生、3人でお泊まり会。なんて美味しいシチュエーション。

そんな事が現実でもあり得るなんて。世の中まだまだ捨てたもんじゃない。

良い子のみんな、サンタはいるんだよっ。


脳内で3人の妄想が止まらない。

剣道君と眼鏡君が付き合っていて、サッカー君は横恋慕。どっちに?パターン的に眼鏡君だけど、あえて剣道君がいいな。

剣道君の家で無意識にイチャつく2人の中に割って入るサッカー君。眼鏡君も気になり出して、どっちに嫉妬しているか分からなくなる。

剣道君のいない隙にサッカー君の恋心を見抜く眼鏡君。眼鏡君、意外と小悪魔系か。良き良き。

心の隙間をついてくる眼鏡君に煽られて押し倒すサッカー君。そこへ戻ってきた剣道君が2人を目撃。

そこからなし崩しでもつれ込む3人。

成る程。

眼鏡君の魔性に全てがかかっているわけだ。

頑張れ!眼鏡君。


去っていく眼鏡君の背中を全力で応援した。

明日の君たちはちゃんと私の脳内で再生するから安心してくれ!


テンション爆上がりした私は、その日のうちに徹夜で原稿を仕上げて、無事に入稿した。後は年明けのイベントの準備だけだ。

そして、徹夜明けのハイテンションでクリパを開催し、マコちゃんに多大な迷惑をかけ、リカちゃんに爆笑を提供したらしい。生憎と、ワインを飲んだあたりから記憶がない。

とりあえず、ごめんなさい。


マコ「男子高校生役を私らがやっても、それは百合じゃないかな?ねぇ、どう思う?逆に襲われたら、少しはこの気持ちが分かるかな?ねぇ、カナさん?」


カナ「本当っに申し訳ありませんでしたっ!!」


リカ「いいぞっ、もっとやれー(笑)」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 脳内が爛れた腐女子の一般人ムーブ(不完全版)の描写が妙に生々しくて楽しかったです♪ [気になる点] 腐女子の脳内って男子だと中学生あたりに匹敵する滾りっぷり? そうだとしたらひょっとして女…
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