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あの頃

「裕一、何見てるんだ?」

「おれらが小学生だった頃のアルバムです」

「へー、俺にも見せろよ」

「どうぞ」

「隆弘クン、モテモテだったみたいだけどお好みの子はいたかな?」

「生憎、俺にはもう本命がいるんでね」

「ああ、あのホモ好きの校長先生。茨道だねえ」

「障害はある程燃えるだろ。お、これヨシノだろ」

「よく分かったね」

「あんま変わってねえぞ。お前小学生で時間止まってるんじゃねえか?」

「それは実年齢よりも若く見えるって事?」

「中身もだよ」

「言うと思ったぞこのやろう」

「じゃあその隣にいるのが裕一か。小学生の頃からの付き合いたぁ、ヨシノの面倒見るのは大変だろ」

「スルーする事には慣れましたよ」

「何でスルーしちゃうんだよ!流さないで構ってよ!」

「ヨシノがいつも脈略なく突拍子もない事言い出すからだろ」

「そこは友達として理解しようと頑張るとこでしょ」

「いちいちヨシノの言う事理解してたら疲れるよ」

「ひどい」

「この写真はくるだな。はは、コイツも変わんねえな」

「違う、それはくずはさんだ」

「灰花。お前も抜け出せたのか」

「ああ。っつーか、お前が逃げるようにヨシノの方に走ってくのを見てお騒がせしてすみませんでしたって自然と解散したよ。今は各々固まって盛り上がってる」

「二人共背高くて体格良くってイケメンだもんねー女子も男子も黙ってられないんだよ」

「生まれ持っちまったもんは仕方ねえが、美しいってのは羨望されちまって難儀だよな」

「隆弘クンは残念なイケメンって感じだけどね」

「何か言ったか」

「言ってないよん」

「ったく、まあ俺は寛大だからな。そういう事にしといてやる。で、灰花。これ、くるじゃねえのか?」

「違うだろ。どう見てもくずはさんだろ」

「だってどう見たって両目黒だぞ」

「隆弘お前、いくらくずはさんとくるさんの顔がそっくりだからって目の色でしか判断出来ないとか言うんじゃないよな」

「あの二人見た目はそっくりでも性格全然違うから本人達を前にしたらさすがに分かるけどよ、子供の頃の写真で判断しろって言われたらなあ…」

「くるちゃんは小学生の頃よくお兄さんと間違えられてたもん、分かんなくっても仕方ないよー」

「そうか?全然違うと思うんだが…」

「俺もお前程あの二人を見てれば判別つくようになるのかもしんねえけどな」

「灰花クンは葛城兄弟狙いなの?」

「兄貴の方狙いだ」

「灰花クンもなかなか険しい茨道を行くね」

「違うって言ってるだろ!」

「あはは。あのね、くずは先輩、ちょっと前までは左目も黒色だったんだよ」

「そうなのか」

「そうなの。俺が中3の時の話だったからくずは先輩は高2かな。突然入院してね。退院後には灰色に変わってた」

「アイツの事だから何か暴力沙汰起こして一発くらったってオチかもな」

「家の階段から落ちて強打したって話だけどね」

「ふーん」

「なぁ、このアルバムに裕一の彼女ってのは写ってないのか?」

「は?!」

「写ってるよ。えっとねー」

「教えなくていい!教えなくていいから!」

「このアルバムに載ってるっつー事は幼馴染が彼女か?青い春だな」

「この子だよー」

「なるほど、清楚系か」

「ヨシノてめえ…」

「別にいいじゃん、減るもんじゃなし」

「そうだぜ恥ずかしがるなって。俺の自慢の彼女も見たんだから、おあおいこだろ」

「今日はその彼女来てねえのか?」

「来てたって教えませんよ!」

「あとで紹介してあげるー」

「ヨシノお前もう黙ってて」

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