第七話 獣人にハマっていた私。
スイのさっきの様子が気になりつつも、物語の続きを書き出す。
スピアーにさらわれた後は確か竜の話だ。
◆◇◆
私たちが住んでいるこの家(屋敷)に1人の少年が紛れ込んだ。
その子の髪は紅く、燃えるような髪色をしていた。赤色とはまた違う色に人間は興味をもち、売ったら高値がつくっと捕まえようとした。少年はそんな人間たちから逃げヘトヘトになり私たちが住んでる家の庭の隅っこで気を失った。そんなとき、たまたまガイオネルと庭を散歩していたユリハは少しの違和感を抱き、倒れている少年を見つけた。目が覚めた少年は最初は怯えた様子で会話すら成り立たなかった。けれどユリハの優しさに施され、次第に心を許していく。そんな助けた少年はドラグニールである竜の国の第二王子だった。少年はお礼とし、許可のあるものしか立ち入れない、ドラグニールを通ることができるひとつの紅い色のペンダントを渡したのだった。
◆◇◆
ここまでは竜との出会い。これだけだとなにが危ないかわからないけど、確か私はあの頃ケモ耳にハマっていたのだ。
人間が頭に獣のような耳が生え、もふっとしたような尻尾に一時期ハマりひたすらそういう系の漫画を読んでいた。尻尾や耳で感情表現を表しているのがたまらなく可愛い。だから私は考えた。
自分は竜の第二王子に連れられてドラグニールに入るけど、ケモ耳や尻尾が生えてるようにすれば…っと。あまりにものぐちゃぐちゃ設定にケモ病を流行らせてるボスがいるのどうたらこったら書いたような気がする。まあ…自分の妄想だから本当に自由に書いていたからなぁ。
あとはなんだっけ…?人喰い花に食べられたり美女誘拐事件にヴァンパイアに攫われたり……。ところどころ欠けてるけど覚えてる分は書けたかなっと思う。ふわぁと欠伸をしつつ、ベットに行くのもめんどくさくて机に腕をのせて頭を預ける。前世の頃もそうしていたから特に違和感はない。このまま寝よう…。私は目を閉じて10秒で寝たのだった。
◆◆◆
「アリサ、様?」
夜、スイはアリサがちゃんと寝ているのかを確認するためにアリサの部屋へと向かった。夜に女性の部屋に男性が入るのはあまり好ましくないがアリサが普通に許可をしてるので戸惑いもなく向かう。アリサ様のことだし寝てるだろうっと思っていたが、扉の隙間から灯りが漏れていた。予想外に少し驚きつつ、ガチャリ…と慎重に扉を開けると机の上で無防備にすやすやと気持ちよさそうに寝ていた。「夜は冷えるのにアリサ様は…」っとため息をつきつつ、近くの毛布をとりかけておく。かけた直後「…ん………」とアリサから声が漏れわかりやすく肩が跳ねる。
「……アリサ様?……起きてるんですか?」
声をかけてみたが反応はなく寝ていることにほっと息をつく。一体何をそこまでっと机に散らばってる紙を見る。主人のプライベートを見るのは良くないがこれも原因を探るためだっと言い聞かせつつひとつひとつの紙に目を通す。人間の頭から変な耳が生えてあったり、口が異常にでかい怪物だったり、さらにはこの世界のものじゃない文字が書かれたりと何か悩みでもあるのかスイは見ていくたび、心配になってくる。もしかして自分がアリサに対して厳しすぎたかとスイは考え込み出した。朝はあまりにも起きなさすぎてフライパンやらいろんな金属で鳴らしたり水で食べ物流し込んだら勉強量増やしたりなどアリサにとってはこんなにも辛かったのか、とちょっと斜め上の考え方に辿り着いてしまった。例えアリサを殺すことになろうとも執事は執事だ。主人のために動くのが執事の役目だ。明日はやり方を変えようと心に決めたスイなのであった。
◆◆◆
朝無意識に目を開け起きると自分に何かかけられていることに気づく。私こんなのかけてたっけ…?
不思議に思いつつ、伸びをしてるとバンッと急に扉が開いた。目をぱちくりさせてると珍しく荒い息をしてるスイが。もしかしてスイが毛布をかけてくれたのかなっと口を開いた時スイの言葉に目を見開く。
「ユリハ様…がッ…どこにもいないん、ですッ」
寝てる間に物語は普通に進んでいた。




