第六話 スピアー(魔物)について知りましょう。
お茶会が終わり、改めてこの物語で起こることを書いてみた。
物語の最初、蜘蛛の魔物、スピアーがユリハを攫い出す。スピアーは日本の蜘蛛よりデカかったはず。そこら中の魔力が食料らしく毎回スピアーが出現した合図は草木が異常に枯れてるときだ。
魔物だから普通の蜘蛛よりも外骨格とかも強くして、あと……。
「アリサ様は何か兵器でもお作りになられるんですか?」
耳元で淡々と感情が読み取れない声で囁かれる。私は動かしていたペンをぴたりと止めてグ、ギギギッ…と右隣を向く。予想通りスイが無表情で私のかいてる紙をのぞいている。
「す、スイ!?」
「はい、そうですが?何か俺がきては不便なことでもあるんですか」
「な、ななないよ!それにこれ兵器じゃない、しッ」
「そうですか。では足10本生えた怪物ですか?」
「いや、8本だよ」
「8歩の足ですか…オクトパスですか?」
「うーん…おしいっ」
「…ではアリサ様ですか」
「うん!そうっ……って違う!スイって私のこと8本の足生えてる怪物だって思ってたの!?」
あまりにもの衝撃にガーンと効果音がつきそうだ。
スイはコホンッとひとつ咳払いをして、
「最近森に現れ始めたスピアーのことでしょうか?」
とようやくの大正解にこくこく頷く。
どうせスピアーが最初に出てくるし一応色々聞いてみよう。
なんてったってうちの執事だしね。ハイパー執事なので。
「ねえスピアーが森に出てきたって普通じゃないの?」
「…スピアーの生息は元々洞窟です。日に当たることは彼らの弱点なので暗くて湿ったところに、だと本で読んだことがあります」
「へぇ…なるほどね。じゃあもう灯り持ってけば最強なんだ!」
私のこの天才的な発想にスイは大袈裟にため息をつく。
「アリサ様、スピアーは巨体です。縦2.6m、横3.2mで灯りで対抗しても足一本くらいしか効果ないと思います」
スイの痛い指摘に私はうーん…と考え込む。
スピアーの弱点がもっとあれば倒しやすいんだけどな……。
物語かいてた私を今更ながらちょっと恨むよ…。食べ物とかこれ持ってたら最強!ってのを用意して欲しい。
考え込む私をスイはただ静かに見つめていて、顔をあげるとパチリと目があった。
「スイ、どうかしたの?」
「…いえ。アリサ様がなぜスピアーについて考え出したのかが理解できないだけです」
と無表情で探るように私を見つめる。
もしかして……スイの『警戒アラート』発動したかも。
「あ、あのね〜…私魔物について全然知らないからインパクト強そうなスピアーについて知りたいなぁって思って…」
へにゃりと笑いながら必死に誤魔化す。我ながら苦しい言い訳だ。
スイはしばらく私をみたあと、そっと目を伏せる。
「…わかりました。今はアリサ様を信じます」
ぺこりと一礼し私と目を合わせることなく部屋を出て行ったのだった。




