第2問「職員室への挑戦状」
翌日。
六時間目終了のチャイムが鳴る。
「先生!」
「今日はどんな問題ですか!」
「昨日より難しいですか?」
3年Q組の生徒たちは、すでにホームルームの時間を楽しみにしていた。
九条智哉は時計を見る。
「今日も、ラスト10分。」
「今日のQを始めましょう。」
そう言って黒板へ大きく書く。
今日のQ
続いて、その下へ問題を書き始めた。
⸻
【第2問】
ある部屋に、
・電球が1つ
・部屋の外にスイッチが3つ
あります。
その部屋は一度しか入ることができません。
外から見ても電球が点いているかどうかは分かりません。
さて、どのスイッチが電球につながっているか、一度だけ部屋に入って見分けるにはどうすればいいでしょう?
⸻
教室中から声が上がる。
「昨日より難しい!」
「全然分からない!」
「絶対無理!」
九条は笑った。
「今回は相談しても構いません。」
「理由まで説明してください。」
教室中で議論が始まる。
「全部押せば?」
「いや、それじゃ分からない。」
「順番じゃない?」
「時間が関係ある?」
十分後。
正解者は現れなかった。
九条は微笑みながら答えを説明する。
「まず、一つ目のスイッチを五分ほど入れておきます。」
「その後、一つ目を切ります。」
「次に二つ目のスイッチを入れます。」
「そして部屋へ入ります。」
黒板へ電球の絵を書きながら続ける。
「点灯しているなら二つ目。」
「消えていても熱ければ一つ目。」
「消えていて冷たければ三つ目。」
教室中から歓声が上がる。
「なるほど!」
「熱さか!」
「そんな発想だったのか!」
九条は静かに言った。
「目で見るだけが観察ではありません。」
「手で触れることも、立派な観察です。」
その言葉を聞いた生徒たちは、大きくうなずいた。
ホームルームが終わろうとした、その時だった。
ガラッ。
教室の後ろの扉が開く。
「九条先生。」
現れたのは数学教師の神崎先生だった。
「その問題、職員室でも話題になっています。」
「先生方も誰一人解けませんでした。」
教室がざわつく。
「えっ!」
「先生たちも?」
神崎先生は苦笑した。
「悔しいですが完敗です。」
九条は少し考えると、チョークを持った。
「では、明日は先生方にも挑戦していただきましょう。」
その日の放課後。
九条は職員室の中央にある黒板へ、大きく書いた。
⸻
先生方への挑戦状
明日、午後四時。
第3問を出題します。
参加自由。
教科は問いません。
正解者には、九条先生特製”超難問”への挑戦権を贈呈します。
⸻
「これは面白そうだ。」
「絶対に解いてやる。」
「日本史の先生には負けられない。」
職員室は、いつの間にか生徒たちと同じように笑顔であふれていた。
その噂は放課後には学校中へ広がる。
「3年Q組の先生がまた問題を出すらしい。」
「今度は先生同士の勝負だって!」
「私たちも参加したい!」
まだ始まって二日目。
しかし、『ラスト10分』は、すでに3年Q組だけの時間ではなくなり始めていた。
そして翌日――。
学校中が注目する、最初の『先生対決』が幕を開ける。
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