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赤龍亭と天井桟敷の人々  作者: now here man
第二章 鬼ごっこ編

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紫の髪紐。

ヨシュアについての情報は見当たらない。

俺はシマの小屋で修行していた。


春の日差し。

小鳥の囀りが木々にこだまする。

むせるような緑の匂い。

紫の髪紐が、脳裏をよぎる。


「もっと集中しなさい。気が乱れている。」

俺は思わず目を開ける。

「あの少年のことだろ。」

鋭いな。


「カティから話は聞いているよ。お前は、今できる事をしなさい。」

俺は、頷く。


目を閉じて、集中する。

全身の気を意識して、おへその下、丹田に集めるイメージをする。

周りの景色、空気、音。

全てを意識から遮断する。


体全体が徐々に暖かくなっていく。


「集まった気を右手に集中しなさい。」


俺は右手に意識を集中する。


「そのまま、目を開けて。」


鮮やかな緑が目に飛び込む。


シマは石を指差す。

「この石を割りなさい。殴るのではなく、押す。」


俺は意識を集中して、石をゆっくり押す。

ピシッと音がし、石にヒビが入る。


「これが、身体強化だ。」

シマの声に俺は顔をあげる。


俺はシマに問いかける。

「練習したら、離れた敵を攻撃したり出来るのか?」

シマは、髭を触りながら考える。


「相応の修行を積めばできる。だが、お前は歳をとりすぎている。」


春風が水面を揺らすのを感じる。

「身体強化、感覚拡張。この二つをしっかりと鍛錬しなさい。」

俺は頷く。


シマは満足そうに頷き、鼻歌を歌いながら、小屋へと向かった。


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