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冒険家の子孫の成り上がり  作者: マッハ! ニュージェネレーション
ステージ2(バーレン皇国編):水の皇国
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54.乱入対戦

 しかしその攻撃を何とか避け続けるリュディガーの姿を見て、なかなか決着がつかない事に業を煮やしたリーダー格の2人はここで強行手段に出る。

「これでは何時まで経っても埒が明きそうに無いな。だったらきちんと決着がつく様にこっちも協力してやるとするか」

 小声でそう呟いた眼鏡の男は、自分の腰に吊り下げられている愛用の武器のタルワールを2本とも引き抜いてから、次のドラゴンの攻撃を避けたリュディガーの元に近づき斬り掛かる。

「な、何を!?」

 近づいて来る眼鏡の男を視界の端に捉え、嫌な予感がしたリュディガーは何とか間一髪でその攻撃を回避したが、彼に対して眼鏡の男から文句が出る。


「おい避けて貰っちゃ困るんだ。あんたがここで死ぬのを手伝ってやろうって話だからな」

「いや何の話だかさっぱり分からん。そもそもこのドラゴンを怒らせない方が良いぞ。もし怒らせたら御前達も命が無くなるんだぞ!!」

 バルドから聞いた話だと、このピンクのコートを着込んでいる眼鏡の男は自分の部下もろとも強大な魔術を使う画家の男にやられてしまったらしいので、同じく強大な魔術を使うこのドラゴンに対しても敵う筈が無いと考えていた。


 しかしその男は有無を言わせずまた斬り掛かって来るので、まさかの避ける対象が2つになってしまったリュディガーの後ろから、今度はファイヤーボールが飛んで来る。

「ぬおっ!?」

 足元に着弾したそのファイヤーボールの熱さを感じたリュディガーは、あらぬ所から襲い掛かって来たそのファイヤーボールでの攻撃をした人物の方に目を向ける。

「避けて貰っては困りますね。ここで貴方は運悪く『事故死』したって設定にする予定なんですから」

 この状況で何をどうやって事故死にするのか意味不明だが、オレンジ頭の魔術師の男がそう言うのなら何とかするのだろう。


 だが、こんな場所で『事故死』なんか当然したくないしやられるつもりも無い。

 最後の最後まで諦めないでチャンスを窺うと決意したリュディガーの元に、今度はドラゴンの尻尾が再び襲い掛かって来る。

「うわあっ!!」

「くっ!!」

 リュディガー諸共吹き飛ばす勢いのそのテイルストライクに、リュディガーは勿論コートの2人も咄嗟に飛び退いてギリギリで回避。

 自分を助けてくれる為にやってくれたのは分かるが、結構無茶苦茶な方法だなぁとドラゴンに対して思ってしまうリュディガー。


 それでも結果的に助かったリュディガーの周りで、今の光景を見たコートの集団が一斉に武器を抜いたり魔術の詠唱を始める。

「仕方ありませんね。この男は私達2人が相手をしますから、貴方達はこのドラゴンの討伐をお願いします!!」

 水色のコートの男が叫び、リュディガーの相手はリーダーの2人だけになった。

 しかし幾ら何でも、ドラゴンとは言えこの人数を相手にして戦うのは流石に分が悪いんじゃないかと思うリュディガー。

(おい、大丈夫なのか!?)

 青いドラゴンが人間の言葉を理解出来ているのなら、自分がどう言う状況に陥っているのかも分かる筈なので、その身体の大きさを活かした攻撃や強大な魔術ですぐに蹴散らしてくれる事を願う。


 その一方で、自分の相手になったこの2人をどうやってさばくかを必死になってリュディガーは考える。

(逃げ続けるだけじゃダメだ!!)

 このままでは体力に限界が来て殺されてしまうので、いっその事この2人から逃げ続けるのではなく、立ち向かって倒してしまえば良いだろうと考え直した。

 そのリュディガーがまず向かうのは、リーダー2人の内で自分と因縁がある水色のコートの男の方だった。

 ピンクのコートの男が振り回しているタルワールに素手では到底立ち向かえないので、素手でも何とか互角に戦えそうな奴の方から相手をすれば少しは可能性が見出せるかも知れない、と考えたからだ。

 自分よりも小柄な体格の魔術師を前にして、腰の鞘をベルトから素早く外したリュディガーはそれを武器にして立ち向かう。

 無いよりマシなレベルのものだが、鞘があればリーチ面で素手よりかなり長くなるので杖を持っている魔術師と互角の条件になる。


 魔術師はさっきと同じ様にファイヤーボールをまた放って来るが、ドラゴンと戦っている他の仲間達に流れ弾で当たってしまうのを警戒してか、大きな魔術を使って来る気配は無い。

 それを考えると、さっきの乱入の時に眼鏡の男や他の仲間達に当たるリスクを考えなかったのだろうか? と疑問に思ってしまうが、今はそんな事はどうでも良い。

 とにかく目の前のこの魔術師を先に倒すべく、ファイヤーボールをスライディングで滑り込みながらくぐって回避し、斜め上に向かって鞘を突き出す。

 自分の方に滑り込んで来たリュディガーの姿を見てある程度その動きを予想していた魔術師も、最大限に大きく後ろに飛び退いたが、リュディガーは手を上手く使って更に足を前に突き出す。

 その足で魔術師の足を払い飛ばす事に成功し、鞘から一旦手を放したリュディガーは地面に倒れた彼の足を両手で掴んで力任せにジャイアントスイング。

「うわああっ!?」

 叫び声を発しながら振り回されたその魔術師は、魔術師を援護しようとしていた眼鏡の男にぶち当たった!!

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