↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/111

090 空に響く歌 空に浮ぶ板



 カタリアは負傷者にヒールをかけている。


「ありがとう。人間さん」


 エバンゼスは涙を流して礼を言う。



 リズは、カタリアが収納から取り出したハイドラ毒の解毒剤を飲み、さらに自己の鮮血魔法で血清を作り出し回復をはじめた。

血色を取り戻していく。


 体力の回復はまだだが命の心配はない。



 辺境騎士の二名バイヤール、ロドリゴには、ガリクソンがライフポーションを飲ませた。



 そして、儀式に参加していた子供、母親は、枢機卿の攻撃魔法でほとんどが死んだ。

王妃は負傷したが生き残った。


 そして第一王子カインは奇跡的に軽傷であった。

王妃と第一王子は抱き合っている。



 カタリアは彼女にもヒールをかけた。


「ありがとう」


 王妃は見知らぬ民間人であるカタリアに礼を言った。



「王妃様!王子様! おい, そこの者たち何をした!王妃様から離れろ!」



 近衛騎士団と警備隊が大挙して駆け付けた。

オツヤとカタリアを怒鳴りつける。ボブが睨む。



「うわっ」「魔獣! 死体」 「S級!?」 「教皇様が!」「大司教様も!」


「死んでるぞ」 「魔族と、魔王!」「魔王だ!」「熊獣人!」「テロ犯 発見!」


「手配中のテロ犯発見!」



「おい、違う!」

ガリクソンが言う。


「辺境騎士団長!?しかし、これはいいったい!」


「これは・・・」


 どう説明をしていいかわからず、ガリクソンは言葉が詰まった。



 そのとき、北の空から灼熱の風が吹いた。


 闇夜が炎で赤く染まった。


「魔族が攻めてきた!」「うわーー」「熱い!」


 人々が逃げ惑う。

警備隊と近衛兵が迎え撃つ隊形を整えようとする。



 怒りで炎を膨張させた炎将軍イフリーとその配下数百名の炎系魔族が、北の空を埋め尽くしていた。


「人間ども!我らが同胞エバンゼスをよくも攫ってくれたな!一人残らず灰にしてくれよう。己らの行為を憎むがいい!! 魔王様!遅くなりました!!我々にお任せください」


「我が炎熱を食らえ!」



 人々が最も集まったところに、イフリーが極大の炎を放つ!


「うわーーーー」「だめだ!」「ぎゃあーーー!」「たすけて!」





「ステータスオープン」





 それはステータスパネルと呼ぶにはあまりにも禍々しすぎた。



 首都上空に巨大な漆黒の板が現出した。

重厚感のある金属質の板からドス黒い気が放たれ、周囲を暗黒界に変容させていく。


 魔王軍四天王、炎将軍イフリーによる全力の炎熱は、その禍々しい板に触れると音もなく消えていった。



 漆黒面に爪で何度も引掻き切刻んだような怨念を思わす深紅の血文字。



「オツヤ   人族 28歳

 LEVEL1  

 HP3/5  

 MP1 

 STR1      」





下のほうに


「特記: 【世界最強のステータスパネル保持】 」



—— 世界の序列が変化した。



 民衆も近衛騎士団も警備隊も、すべての人々は、何が起こったが分からないまま首都上空に浮かぶ漆黒のステータスパネルを見てあっけにとられている。



 声が聞こえてきた。



 不安と混乱と恐怖に包まれている人々を、


 大切な人を失った人々を、


 優しく包むカタリアの歌声が聞こえてきた。



ときのいさかい いがみあい

こころささくれ 消えた愛

あきらめの毎日に さよならを

ただ愛されて だきしめられていた

あのぬくもりを 思い出して


信じることに つかれちゃうのは

あなたが まっすぐ 生きてきたから

数字のオリは ふりはらって

わたしは 心のままに


もどします もどします


心を1にもどします


はじまりの1






「・・・・・はじまりの1だ」     「・・・・・はじまりのこころ」


「・・・スマイルフルの歌?優しい声」   「 LEVEL1 」



「はじまりのこころ」


「これが噂で聞いた。救世の暗黒神様?!」 「安国心様?」



 歌っている間に、あっけにとられてるイフリー炎将軍の前にリズがたどりついた。


「ありがとう。イフリー。でももう大丈夫。私もエバンゼスも無事だから。戦いは終わったの」



 人々が心を落ちかせたとき、



「 皆さま。お聞きください  」


 教皇の妻、王妃がしっかりした声で話し出した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。