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081 魔王降臨



 魔王は、暗紫の光沢を放つ正六面体の前に降り立った。

深紅のドレスと翼に月光を浴び、黒髪が風になびく。


 しかし、この絶世の美女の姿を称える者はいない。

魔王リリスヴィーナの整った顔は怒りに満ち、その溢れる魔力は周囲を恐怖に陥れた。



「これがシェルターか」


「ここは通さん!」

恐怖しながらも、シェルターの門番はリリスの前に立ちふさがる。


「鮮血魔法 斬」



 シェルターを切る。

立ちふさがる門番ごと、巨大な鮮血の剣で斬撃を浴びせるリリス。


 門番は両断される前に、触れた気の余波で消滅した。



 しかし、シェルターは切れなかった。


「くそ!硬い!」


「斬!斬!斬!斬!」



 続けざまの斬撃もシェルターを震わせはするが、表面に傷もつかない。



「なんだ!」「あ、あれ?」「魔族!」「魔王だ!」「鮮血の王!」


 夜の首都は魔王の降臨でパニック状態となった。



「気を集中するのだ・・集中するのだ・・・・」



 魔王はつぶやきながら目を閉じる。

手にした巨大な鮮血の剣が徐々に小さくなっていく。


 それにつれて、剣の紅が彩度を上げる。


 レイビア程度の大きさになった剣は、先ほどの巨大な剣よりはるかに大きな魔力密度をしめし、プラズマのようなものを発している。


「切れる」



――ザシュ!



 意識を剣に集中していた魔王リリスヴィーナの体を、一本の矢が貫いていた。




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