068 都からの知らせ
教皇首都からの情報もかなり細かく入るようになった。
首都の暗黒神信者数は正確には誰もわからない。
信者と、一般市民との境が不明瞭なのだ。
「はじまりの1」は首都で流行している。
チンドン団の奏でた楽しい音楽は、ステート川の祭りに参加していた客や商人に広がり、いまでは首都の市場で、「チンチンドンドン!心のままに いきましょう♪」と客寄せをするのが当たり前になってきている。
そして、スマイルフルも町長の後押しで都の各地イベントに参加しライブを披露、大喝采を浴びているそうだ。
特典会は長蛇の列だそうだ。
暗黒神教は、経典も、お札も、神像も何もない。
熱心な信者も、「1のこころ」をはなすだけである。
「安国心様」という当て字のほうが有名になってしまい「安国心まんじゆう」などもはやっている。
とくに許可も何も与えていないのだが。
悪いこと以外はそれぞれの心のままに好き放題放置の暗黒神教団であった。
だからこそ、暗黒神教の教えは、宗教としてではなく、「心のもちよう」という形で弾圧の対象となることもなく、広がっていく。
それらの暗黒神信者たち(?)そこからの膨大な情報を、ライト兄弟の使徒ライトンが都で傍受精査し、鳥たちを介し暗黒神御殿のライト兄弟のかたわれ使徒ライトスに送ってくる。
その情報は、教国中枢に近い王城病院、さらには王城内に関する機密もあった。
先日カタリアが受け取った内容は、病院での異変、入院中の辺境騎士団員の消失。
枢機卿が用意させたA級実力者たちのリストの内容。
宝物庫の慌ただしい動き、聖剣の持ち出し指示。
カタリアの頭の中で繋がった。
兄が犠牲となった『恵皇の大儀 』が再び開かれると。
用意したリストの目的、生贄の補充とそこから標的とされる可能性の高い人物まで推測したのだ。
オツヤとカタリア、ボブは動き出した。
三人に使徒の中で俊足で戦闘力の高いワンチャンを加えたメンバーで最高速で、ボブの故郷の村に走るのだ。




