058 帰還! ~暗黒神教サバトの夜~
オツヤたち一行がかえってくると、木材置き場は、御殿と化していた。
「どーーーーですか? オツヤ様、カタリア様、ボブリン様。
お待ちしておりましたよ」
一行はポカンと口を開けたまま、返答できなかった。
「んん----------渋い! われながら渋い!」
「い・か・が・で・す・か 私の作ったログハウスは!」
「造船屋と大工がたくさん来てくれて、いろいろな技を使ってみました。
もちろんお金を使わず飾り気なくとおっしゃってましたんで、金物は最小限にして釘が少なかったので、懸造と木組みで建ててみましたよ」
ドヤ顔で居残り組の使徒ガウディンは、誇らしげに言う。
「確かに、大きさは指定しておりませんでしたわね」
カタリアは珍しく「しまったやらかした顔」で返事をした。
「みんなが集まってお話を聞くスペースがこちらです。
音響も計算に入れて、設計しました。いい音が響きますよ。
星がきれいです。
天幕が開閉できるようになってますんで、雨降っても大丈夫ですわ。200人くらいしか入れませんがね。
倉庫スペースに面積を使っちゃいました。でも正解でした。
断っても断ってももってくるんで、もう結構埋まってます。
ここ数日は首都からのお客さんも多いです。警備隊の派遣組が家族を連れてきます。
宴会が終わったら天幕貼って泊まってもらえますし、便利ですよ。
皆さんのは奥に作ってます。
オツヤ様とカタリア様とボブタン様は、いいお部屋を用意しましたよ。
我々13使徒は別部屋で雑魚寝です」
どこをつっこんでいいかわからなくなったので、
「よくやった。頑張ったわね、ガウディン」
とりあえず褒めてごまかしたカタリアであった。
お互いに情報交換を終了すると、暗黒神教のサバトがはじまった。
サバトは説話どころか挨拶すらなく、なし崩しに始まる。
適当にもちよった食べ物や飲み物をみんなで楽しむのだ。なんとなくサバトと呼んでいるだけのようだ。
使徒、信者だけでなく、近所のおっちゃんや漁師、都からの来訪者も加わりワイワイとしている。
町長に持たされた土産と、夜店の食べ物で大いに盛り上がる。
土産には地酒も含まれ、使徒も信者たちも喜んだ。
ボブとカタリアは結構いける口のようで、すすめられるがままに吞んでいる。
もちろんオツヤは下戸である。人がいるだけでいつも酔ってる。
ただ今夜の人酔いはずいぶんここちよいようで、オツヤは安心したような顔でぽけーーとみんなが楽しむのを眺めていた。
無理に酒を勧めたり、やたらとあいさつに回るものもいない。
だれもだれかに媚びへつらうことなく、好きにしてるだけだった。
そんな集団は、人間恐怖症のオツヤでも安らげたのだ。




