↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/111

057 夜空よ今夜はありがとう



「ドーーーーーーーーン!」




 夜空に閃光がきらめくと、ステート川の広い水面に反射した。

少し遅れて、爆音がこだまする。


 白煙と、火薬の匂いがする。



「タマヤーーー!」「ガギヤーーーーーー!」



 ワンチャンが大きな声をあげる。


 キラキラと花火が夜空に大輪を咲かせる。


 オツヤたち一行は、祭りの最後の花火を特等席でみていた。

町長から、お土産にと、いっぱいの食べ物や特産品をいただいた。





 急げば、拠点の木材置き場には1日でつくのだが、一行はだれが言い出したわけでもなく祭りに参加していた。

皆なんとなく、少し遠回りしたかった雰囲気だったのだ。


 祭りの入場口では、警備隊の服を着た使徒のひとりがステータスを見せて楽々通過した。


 彼は、裏ギルドから警備隊に潜入して草の役割を担っていたので、ステータスにはいまだ「所属 教国警備隊」が残っていた。

まだ本物の警備隊員でもある。


「二つ名 13使徒」は、特に気にも留められなかった。



 一行が演奏する「はじまりの1」(祭りばやしバージョン)は評判がよく、何度もアンコールされ、観客も一緒に歌い踊って盛り上がった。


 最後にはカタリアがソロでオリジナルバージョンを披露し、観客たちは優しく美しい旋律に涙を流した。


 感涙する町長から「来年も絶対きて下され! いや、毎月の町民定期コンサートにぜひお願いします!」と熱望され、両手を激しく握られたオツヤは、



「は、はい」



とつい言ってしまった。責任とれよ。


 そして入手困難と首都でも争奪戦が噂される、花火大会のプレミアム升席に招かれた。





「ワンチャンさん、そのタマヤーカギヤーーーってなんですか?」


「あぁ、おれのいた村にもオツヤ様と同じく転生者がいたんでさ。

 爺さんでテツヤって名前で、いつも寝不足だった。


 いろいろ面白い話をしてくれたんだ。

 そのひとが村の花火大会の時は、タマヤーカギヤーっていうのが威勢良くて皆まねしたんでさ。


俺の名前つけてくれたのもテツヤさんだそうです」



 いろいろな世界があって、いろいろな縁があるんだなと、オツヤは思った。



 皆はワンチャンの真似をして、



「タマヤーーー!」「ガギヤーーーーーー!」



と夜空に叫んだ。


 さて帰ろうか。皆が思った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。