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055  のんだくれ勇者




「ちきしょ! いてえよ・・・クソッ!

 なんだったんだあのエロねえちゃんはよ!


おい! もっと持って来いよ! キョウコ!

たりねー。のみたりねーーー!


もう一杯だ! はやく注げよ!」



 キョウコと呼ばれた人物は、勇者の持つ尋常ではない重厚な輝きを放つ器に、透明な瓶に入った神秘的なエメラルドグリーンの光を放つ液体を注ぐ。


 室内はきらびやかな黄金と宝石で満ちている。



「もっと! 2、3本一気に開けろよ! キョウコーさまよ!」



 豪勢な金の刺繍をあしらった服に紅いマントを羽織り、金色の冠をかぶった醜く太った男はためらった。



「はやく! さっさとしろって、教皇様よ」


「しかし、勇者よ。これでもう国の在庫がほとんど無くなってしまったのだぞ。

 われが死にそうになったときの分を、ではなくて国防の緊急用の分を残したいのだが、そろそろ勘弁してくれんかのう?」


「今が国防のキンキューだっつーの。

 おれさまの怪我をなおすのが最優先だろおい」



 謎の女により大ダメージを受けた勇者イヤミキザは、王城に戻ると速やかに回復の最短手段をとったのだ。


 ユナイテッドステータス教国、最高権威者・教皇を無理やり連れだし、宝物庫内に厳重保管された神薬エリクサーの大量摂取を開始した。


手にしている盃は、勇者にふさわしく聖杯であった。



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