054 友達
我は、確かに、正体不明の強烈な得体の知れない気を感じた。
まったく感情を伴わない無機的な気であった。
その強さは昂ったガリクソンの気をはるかに上回っていた。
その強烈な気を感知すると同時に、我のステータスパネルが呼び出してもいないのに出現した。
特記事項の変化は偽装スキル使用中につき確認できなかったが、この現象は、他で起こったことはない。
我のパネルは出現すると1秒に満たない間に一瞬消滅し、すぐ出現、30秒程度でまた消えた。
未知の気の発生タイミングと完全に一致した。
3回目の崖面の崩落を防止する処置をしてる最中だったので、一瞬魔力のコントロールが乱れ危ないところだったが、何とか魔力暴走は抑えた。
おかげでコントロールに利用した玩具の杖が、一部変形してしまった。
あの場にいたのは、
我が知るのはガリクソン、マングラ、オツヤン、アーちゃん、ボブリン、使徒たち、オサジイ、子供たち。
住人は家の周囲を含めると10名くらいだろう。
ガリクソン、マングラは強い気を発し続けていた。
マングラにいたっては距離も遠ざかっていた。
残った中で強者といえるのはボブリンか。だが弱すぎる。
しかも一緒に作業をしたとき、魔力コントロールは雑なものと感じた。
もしかして、狂化、獣化系で通常よりはるかに高倍率のステータスアップされるスキルの発動か。
いや、無機質なあの気は、ありえない。
おそらく戦闘力では使徒たちはあまり変わらないだろう。
ただ、隠蔽に長けた化け物がいる可能性を捨ててはいけない。
では、オツヤンか、アーちゃんか、村人のだれかか?
アーちゃんの気は、思えば弱いが何か妙なものを感じる。
オツヤンは何の気も感じない。
いや、それが不自然なのか?
隠蔽しているのか?
それともまた何か別のものか?
別のものであって欲しい・・・。
疑う自分が嫌になる。
人間の・・もし例え人間でなかったとしても、オツヤンたちは友達だから。
・・・
さだめであれば戦わねばならぬ。
今までも非情にならねばならぬことは幾度もあったではないか!
・・・
わたし、魔王なんかになりたくなかったな。
エバ、早く帰ってきて!




