53/111
053 マングラ
西部のダンジョン内で見つかったその子供は、その特殊な体型からドワーフであることは確かだったが、大きさがすでに普通の人間と同じくらいあった。
魔獣を自ら捕食して暮らしていたようだ。
絶滅したビッグドワーフ族の生き残りではないかということで、教国の研究班のもとに送られた。
子供はステータスパネルすら、自ら出すことができなかった。
意思疎通が困難、強すぎる腕力で世話係の数名が死傷したため、研究班は殺処分を申請した。
しかし、幸運なことに、地下競技場で活躍をはじめていた若い魔導士のひとりがスーパーレアスキル「強制ステータス開示」の所持者であり、彼の協力で「ビッグドワーフ族、年齢4歳、超怪力スキル、高ステータス値」が確認できた。
さらに、その魔導士は結界で子供の力を制御し、安全な世話が可能になったので、そのまま教国直轄病院内の研究所で育てられた。
数年経過して、身長2m近くになったビッグドワーフの子供は、上手ではないが言語を習得した。
魔導士の娘の年齢が近く、一緒に遊びながら自然と言葉を覚えたのだ。
「おれは、ずっとたったひとりだった。でもメロちゃんがいてくれた。でもメロちゃんはいなくなった。ずっとかなしかった。でもメロちゃんはいた。でもメロちゃんへんになった」




