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050 悲劇6
恋の魔法は、名前の割には地味であった。
ピンクでもなかった。
リズは魔法少女の玩具を崖面にあて、静かに目を閉じ集中する。
玩具がゆっくりと、リズの体から染み出た魔力で深紅になる。
「ゆっくり。ゆっくり流して」
自分に言い聞かせるように、つぶやいている。
紅は玩具を伝い、ゆっくりと崖面に広がり、視界を真っ赤に覆っていく。
崖面をおおった紅は、吸い込まれるように消えていく。
元の岩肌の色に戻ってから、リズは一息つき顔をあげた。
「これで30m四方は、普通の岩石程度の固さになったはず。割れ目も塞いだわ。
加減苦手だけど、ゆっくりやればなんとかなるわね。
少しずつ移動して、里全体の地盤をかためましょ」
トマスンはぽかんとして、コクコクうなずいた。
そのとき、里の入り口方向から――ドドドドドと轟音が聞こえてきた。
「あ、はじまっちゃった! 間に合わないわ」




