041 スラム その2 ~うた~
着替えを終えたオサジイから、物資では解決しない問題について聞き取りを行った。
先日の雨で斜面地の地盤が緩み、一部の住居がまるごと崩落。さらに崩れる危険があるとのこと。
住民の中には、寝たきりで動けない者、老人、障害を持つものも多いとのことだった。
カタリアは手分けをして、対処にあたる。
土地基盤に知識がある使徒、大型の犬獣人の使徒、怪力ボブたん。
そして、細腕だが「力には自信あるわ♡かわいいパワー」というリズが、崩落地対処班。
カタリアとペトロン、および薬学に長けた者を含む使徒2名が住居を回り、動けぬ住民にヒーリングと薬、物資の配給を行う。
その案内は、コンポーが買って出た。
残った使徒はオサジイの家で物資の仕分けを行い、動ける住民に来てもらって物資を配給する。
オツヤはもちろん住居を回る体力など無縁なので、居残り組である。
美人のカタリアが随分と気に入ったのか、道中、コンポーはべったりである。
カタリアも悪い気はしないようで、子供にわかりやすい言葉で「救世の暗黒神教」を語っていた。
各家では突然の来訪に驚きながらも、懐かしいペトロンとの再会と豊富な物資に喜び、ヒールで痛みが和らぐと、口々に「救世の暗黒神様ありがたやありがたや」と信者となった。
物資についてはひとりひとりに必要なものを合わせ、症状に応じて薬を渡し、服用法についてよく説明した。
カタリアは治療を優先し、ほとんど暗黒神教の説法を病人にはしなかったが、幼いコンポーは記憶力が良く、道中カタリアが平坦な言葉で綴った説法を必死で再現していた。
住民たちも、ほほえましく聴いている。
幾件か回るうちに、コンポーの口から発せられるのは説法ではなくて、柔らかい旋律の歌となっていた。
ときのいさかい いがみあい
こころささくれ 消えた愛
あきらめの毎日に さよならを
ただ愛されて だきしめられていた
あのぬくもりを 思い出して
信じることに つかれちゃうのは
あなたが まっすぐ 生きてきたから
数字のオリは ふりはらって
わたしは 心のままに
もどします もどします
心を1にもどします
あなただけの 道をあるこう
あなたは なになに 悪くないから
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はじまりの1




