033 辺境騎士団長 ガリクソン
教国で一番強いのは誰だ?
この問いには今は、ほとんどの者が勇者イヤ ミキザの名を挙げるだろう。
腕力にあこがれる者はマングラ、技に魅了されるものはククロビン、魔術の道をいくものはプラウディオを挙げる。
では誰に守ってほしい?
この答えは、みな口をそろえ同じ名を挙げる。
辺境騎士団長ガリクソン
50を超える齢でありながら、常に魔獣、魔族、他国との戦いの最前線を守る剛のもの。
身長2mを超える巨躯、それに見合う巨魔馬にまたがり、今も駆け続ける教国の守護戦神。
彼のランスはどれだけの敵を屠ってきたのか。
口伝によると、地下闘技場に十代半ばの少年の身で初参加。
なんと当時、連勝記録を数十年続けてきた無敵魔導士プラウディオ(現枢機卿)を打ち破り、闘技場最後の勝者となる。
敗れたプラウディオの推挙にて、近衛騎士団長に就任。
その後も王城防衛に手柄を上げる。
しかし、将軍職や爵位を断り続け、むしろ異例の降格となる辺境警備を志願した。
そして数十年、現在に至る。
出世より戦いを望み、敵を倒して自らを高めてきた。
今もそのステータスは、常に上がり続けているという。
人は言う、彼のランスはユナイテッドステータス教国の力の象徴だと。
「隊長、岩石遺跡の調査に向かった者たちが帰還しました。かなりの負傷をしております」
「どういうことだ」
「あの地帯には珍しいアンデッド系の魔獣が大量発生してると申しております」
「あの砂漠にアンデッドか? 遺跡のファラオマミー群は半年前に殲滅したはずだが?」
「それが、大量のジャイアントサンドワームの死体にゴーストが取り憑き、またロックゴーレムの破片がポルターガイスト化して生きた竜巻となり、岩石雨を巻き散らかし収拾がつかなくなっております」
「SS級のロックバズスではないか!
おそらくS級のモンスターを虐殺して放置した奴がいるな。分かった。俺が行く! 負傷者の応急処置を頼む」
そこへブワワワワと、光の輪が浮かぶ。
「なんだ。ガリクソン、またずいぶん慌ただしそうじゃな。どうした」
「枢機卿!? いいところに」
重傷者3名の王城病院への転移搬送を枢機卿に頼み、早速に岩石遺跡へと向かう。
「しかし、条件を付けられたものだ。
だが、部下の命が助かるのなら悪くない取引だ。
首都に帰る前に、SS級のロックバズスと厄介そうなのを始末していけば、あとは皆がやる」




