030 嗚呼 救世の暗黒神
「「「「「「おお、不死身のオツヤ様! 救世の暗黒神様の依り代!
救世の暗黒神様万歳! 不死身のオツヤ様万歳!」」」」」」」
その後、信者すべてが集まり、「救世の暗黒神」の如何わしい緊急集会が開かれた。
「救世の暗黒神様 漆黒の板 ご本尊様 (※オツヤの最強のステータスパネル)」
「暗黒神の依り代 オツヤ様 (※不死身らしい)」
「暗黒神の巫女 カタリア様 (※パネル色とステータスに変異)」
「暗黒神の守護者 ボブ様 (※二つ名。そう呼ばれたからついただけ)」
「教徒 元裏ギルド員 13名 (裏のエキスパート)」
「教徒 教国警備隊 ステート川周辺地域所属者 160名 (周辺の警備隊ほぼ全員)」
「教徒 教国警備隊 教国首都よりの派遣者21名」
(※ご本尊様は挨拶にちょっと現出してあとは欠席)
カタリアはこの戦いの前までは、オツヤのステータス開示をうまく避けながら、カタリアとボブのステータス開示で検問所等を突破する策をめぐらせていたが、ここで大きく変更した。
二人のステータスパネル、特にカタリアは一目で分かるほど変化。
そしてボブもギルドメンバーであることを利用した立ち回りの策が使えなくなったからだ。
ここで目を付けたのが、教国警備隊、河川領域の組織ごとの乗っ取りである。
各駐在所、地方支部所の番をし、この捜索に参加していなかったものを連れ出すことに成功した。
「交代だ!」
その一言ですべて済んだ。
彼らはカタリアの語りで速やかに信者となり、実質、「救世の暗黒神」信者がステート川周辺の実権をおさめたことになる。
貴族が住まぬ河岸部であったため、近衛騎士団がいなかったのも幸いした。
そして数日のうちに警備団の家族、友人、その隣人を材木所の集会場に招き入れ、彼らは涙を流しながら、偉大なる救世の暗黒神様を拝むこととなるのだった。
この地域の住民は高ステータスのものは少なく、多くが何らかの形でステータスカーストの迫害を体験していた。
教国のやり方に対して内心は不満に思う者たちが多数を占めたのが、スムーズな信者獲得を加速させた。
ここまで、ほんの2日での教団拡大であった。
「救世の暗黒神」団員は、数千名へと膨れ上がった。
元闇ギルド員の手際で、キュウビ以下、死亡者は完全に葬られた。
彼らは完全に裏の者、消えれば表に出ることはない。
この河川敷で熊獣人の目撃情報が上がった件については、本物の熊を一頭拿捕し、ザコデスが中央に報告を行い偽装した。
首都よりの派遣組21名に関しては、怪しまれるのは困るので帰還させた。
本人たちは残りたがったが、暗黒神様のためならと非番の日の参拝で納得してくれた。
ただ、ここからが問題である。
キュウビへの依頼をしたであろう枢機卿は、キュウビからの報告を待っている。
枢機卿との連絡は部下に任せず、すべてキュウビ本人がおこなっていたからだ。
元部下を利用しての虚偽の報告は、頭の切れる枢機卿には悪手であろう。




