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003 熊獣人ボブとの出会い



「とにかく。このままでは。おばちゃん!おばちゃん!」


「なんか僕のパネル超怖いんですけど・・。とりあえずステータスクローズ」



巨大な漆黒の板はその闇のオーラとともにスッと音もなく消えた。


世界の序列が復帰した。


残されたのは、倒れたドロシー婦人と変な辛気臭い男だけだ。



「ドスン」



「へ、??」



近くの高い樹木から何か大きな物体が落下したようだ。

落下物をみると茶色の毛がモシャモシャしてる。ハチの巣が一緒に落ちてる。ハチはいない。


熊か?

肌や衣服も見える。人か?動かない。



「ひえーーーー熊怖い熊怖いーーーーーーーーでも人だったら助けなきゃ」



おっかなびっくり腰が引けた変人ウォークでオツヤは近づいてみる。


すると、それはいきなりガバっと立ち上がった。



「ギャー!」



びっくりして腰を抜かすオツヤ。



「ギャー!」



同時に大声を上げたそれは、女の子だった。


ボブカットが似合うつぶらな瞳が可愛いらしい顔。

だが、がっしりを超えた有り得ないくらい太い筋肉が全身を覆っている。


胸部は女性らしい豊かな丸みをのこし、一流のパワーリフティング選手のような体型である。

面積少なめの皮鎧をまとっている。オツヤより身長は小さく160センチくらいだろうか。


耳は熊耳、背中の中央半分からしっぽまでと、手足の一部がモフ毛におおわれている。

足は天然のレッグウォーマーのようだ。



「さっきのなんだべ。魔王でもきただか?おらビビって木から落ちちゃっただよ。

 ん? あれ? ・・・。寝癖のその髪・・・・」


「ネグセにいちゃん?ネグセにいちゃんだかや!!!!」



熊娘はオツヤに抱き着いた。


――ボキボキボキ。



「ギヤーーーー!!!!死ぬ!!!!はなしてーーー!!!」



オツヤの意識は再び暗闇に落ちそうになる。


が、


「オキテ!!!にいちゃん!!!」


オツヤの体はジャイアントスイングの要領でグルグルと振り回され、オツヤは強制再起動された。






ええと、だからね。



「分かった。世の中にはそっくりな人がいるもんだな。

 その寝ぐせ頭、里のネグセ兄ちゃんに生き写しだよ。兄ちゃんて呼んでいいかな?」(上目づかいウルウル)


「えっ。えっえ。僕一人っ子だし。兄ちゃんなんてそんなあぶぶぶ。困りまますすうう」



真っ赤になる社会不適合オツヤ。



「わかった。じゃ。アニキだ。オツヤのアニキよろしくな!おら、ボブだ。」



 あまり変わってないのだが、ニ度も人の好意的申し出を断るなどオツヤには難しすぎた。


 気絶したドロシーさんを屋台横のベンチまで二人で運ぼうとしたがオツヤが立てない。


 ボブがドロシーさんを片手で抱え上げ、さらにオツヤを逆の手でひょいと抱え上げ二人を運んだ。



 ボブは道に落ちたドーナツのごみを落とし、直搾天然はちみつを塗って食べながらオツヤと話す。



「ヘーアニキ転生してきたん。たいへんだね!んー。

 ほんならまずこういうときはギルドに登録せんと生きていけんね。てんぷら的に?

 おら、冒険者だから一緒に行こう!」



 新鋭冒険者のボブはステータス開示文化の弱い山奥の獣人の村で育った。

 急な出会いでステータスパネルを気にせず仲良くなれたのだ。


★【全話執筆完了】完結まで単行本約1巻分【毎日更新】

★ 初日は6話更新   10分間隔で001~006話


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