002 最強転生 ステータスオープン
「!?」
目を覚ましたオツヤはまずあたりを見回し、そして自分の首が胴とつながっていることを確認した。
動きが変。
オツヤは不器用で普通にしていても動きが変な男。
つまりは、無事である。体の痛みがない。
「転生したのか!あれは、つまり神様が力をくれたのか!」
両手を上げて喜び飛び跳ねるがなんかきもい動き。手足がギクシャクしている。
これがオツヤなのだ。スキップができない。
背は170センチ程度ありそうだが、やせ型、なで肩で猫背な辛気臭い男である。
これがオツヤである。
自分でもわかっている。
「だけど今の僕は今までと違うぞ♪」
そう!世界最強ステータス!
神が与えたチート、世界最強を手にしたオツヤなのだ。
不気味無邪気にぴょんぴょん跳ねるオツヤは、ハッと気づいた。
「この転生先がどんなところか、確認しなくちゃ」
不気味ジャンプを止めて周りを見回す。
しかし、なんかクラっときて転んでしまう。
とび跳ねすぎて疲れたのだ。
「イタタ!!!膝打っちゃったよ」
立ち上がろうとするが痛みが強くてちょっと辛い。
へたり込んでいる。
しかし、これがオツヤである。今まで通り通常のオツヤである。
「あれ・・・・・?」
なんか疑問が生じてきたが、とにかくまずは周囲を確認しなければ。
整備された石畳の道。公園のようであり緑が多い。
樹木が多く植えてあり水路と噴水が見える。水鳥たちが気持ちよさそうに泳いでいる。
少し離れたところには石造りの建物が並び、人通りもある。屋台のようなものも見える。
ポカポカと優しい日が差している。
「山奥とかじゃないようだね。」
オツヤは対人恐怖症だが、山に入る体力など無縁だったのでサバイバル力などない。安心した。
「人間怖いけど頑張って声をかけてみなくちゃ」
前向きなまじめさはある。これがオツヤである。
そのまま遠くの人を見ながら座ったまま15分が経過した。
「声掛けなくちゃ声掛けなくちゃ」
これがオツヤである。
すると、屋台のほうから誰かが近づいてきた。
エプロンをした人の好さそうな年配の女性である。手に山もりのドーナツが入ったかごを持っている。
「おーい!あんたずっとそぎゃんとこに座っとってどうしたね。
気分でも悪いかんね、ステータスオープン」
そしてその女性の前に青白い半透明なステータスパネルが浮かぶ。
「
名前:ドロシー
種族:人族
職業:ドーナツ職人
レベル:7
HP:15 /15
STR:8
MP:7
所持スキル:製菓魔法
特記事項:おせっかい 」
(なぜ、ここでステータスパネル??)と頭の中で思ったが急に声をかけられたため、オツヤはパニックになる。
「は、、はははい。僕は僕は僕はオツヤれす」
「あら、あんた転んだのかい。膝がすりむけちょるね。ちょっとみせんしゃいな」
「すっすみません大丈夫です。僕いつもこうれすんで」
「そうかね。でも念のため診といたほうがいいけん。ちょっと。
あ、でもあんたちゃんとしないや」
「え、な、何でしょうか?」
「何じゃじゃないわね。
あんた初対面の人にステータス出させておいて、あんたもちゃんとステータス出しんさいね。マナーつうもんでしょう!(ちょっと怒)」
「え?」
「子供じゃないんじゃけん。お互いステータスパネルをちゃんと出して!
それが社会のルール」
「は?・・・。は。は、はい。出します!すぐ出します」
オツヤは言った。
「ステータスオープン」
晴れていた空は瞬時に不吉な黒に覆われた。
鳥たちが最大級の悲鳴をあげて飛び去った。
公園の陽光をかき消す、いや、浸食したのはオツヤの眼前、宙に浮かぶ巨大な漆黒の板であった。
重厚感のある金属質の板からドス黒い気が放たれ、周囲を暗黒界に変容させていく。
それはステータスパネルと呼ぶにはあまりにも禍々しすぎた。
漆黒面に爪で何度も引掻き切刻んだような怨念を思わす深紅の血文字で
「
オツヤ 人族 28歳
LEVEL1
HP 4/5
MP 1
STR 1 」
と大きく読める。
下のほうに
「特記: 【世界最強のステータスパネル保持】 」
―― 世界の序列が変化した。
ドロシーさんは悲鳴すらあげることもできず気絶した。
落としたかごからドーナツが石畳に散らばる。
「な、なにこれ、いったい何なの・・。書いてある。これが僕のパネル?」
「ステータス全然変わってないじゃないか!!!!!!!!!!!!」
★【全話執筆完了】完結まで単行本約1巻分【毎日更新】
★ 初日は6話更新 10分間隔で001~006話




