001 プロローグ 異世界ステートピアの処刑
ステータスが支配する世界、ステートピア。
その世界の王である勇者は、ステータス至上主義をいかんなく普及させ、ステータスの低い者を虐待し、廃棄処分していた。
この世界では、相手を殺すことでしかステータスは上がらない。
逆に言えば、殺さねばどれだけ努力してもステータスは上がらないのだ。
「ステータスが上がらない者が悪いのだ。
チャンスは平等に与えられている。そら殺せ! レベルアップしろ!」
魔獣、動物、妖精たち、あらゆる命。
そして人間すらをも、レベルアップのために殺し続ける力ある者たち。
殺さない奴が悪いのだ。
しかし、どうしても殺すことができなかった男がいた。
「王よ。こやつが我が国で最低のステータスの男です」
見せしめに王の前に引きずり出されたのは、拷問を受けたのか、傷だらけでボロボロの男だった。
これが、ステートピアの理を乱す者への当然の処遇。
司祭が厳かに唱える。
「強制ステータスオープン」
青白い半透明なステータスパネルが、虚空に浮かび上がった。
名前:オツヤ
種族:人族
レベル:1
HP:2 / 5
MP:1
STR:1
あざけるような笑い声が、スタジアム内を埋め尽くす。
傷だらけのオツヤはうつ伏せにされ、剣を持つ王に背中を踏みつけられた。
軽く踏まれているだけなのに、どれだけ力を込めてもびくともしない。
「ステータスの糧となることを感謝せよ」
王は冷酷に剣を振り上げた。
――ズシュ!!
「ふん、毛ほどの経験値にもならぬ」
オツヤの屍を足蹴にする王。
ごろりと、生首が転がった。
「我が国は最強の我、ステートピア王のもとに全世界を制覇する!
ステータスに栄あれ! 我がステータスを崇めよ!」
王は自らのステータスパネルを誇示し、雄叫びを上げる。
大群衆の狂信的な熱狂が、王の言葉に続いた。
「ステータスに栄あれ! ステータスに栄あれ!」
生首の意識。
(僕に力が、最強のステータスがあれば……)
意識は、深い暗闇に落ちていく。
そして、暗黒の虚無空間。
「……オツヤよ……」
どこからか、聖なる響きを持つ声が聞こえた。
しかし、死に瀕したオツヤの意識には、途切れ途切れにしか届かない。
「そうか……。では……神が……そなたには、
世界最強のステータスパ……を与えよう……。
そしておぬしは、転生する」
再び、意識は完全な暗闇へと落ちていった。
★【全話執筆完了】完結まで単行本約1巻分【毎日更新】
★ 初日は6話更新 10分間隔で001~006話




