021 裏ギルド vs 救世の暗黒神教団(前編)~死んでますよ
「だめだ! 気配を消すのが恐ろしくうまいやつだ。逃げられただ。
でも、今はこの辺にはいないはずだ」
ボブは、オツヤたちのところに戻ってきた。
「巫女様、これをお使いください」
警備兵たちは自分たちの装備品の包帯や消毒を、カタリアに差し出している。
「巫女さま」「巫女さま」「巫女さま」「巫女さま」「巫女さま」
「あ、あれは裏ギルド『九尾の狐』のキュウビの仕業でございます。私もその一員でございました。巫女様に何をもってお詫びすればよいか」
「やつはハイドラ毒を好んで使います。私が用意したものです。なんと詫びていいのか」
オツヤの傷の出血は止まらない。腹を深くえぐられている。
しかも、猛毒のハイドラ毒をたっぷり塗ったナイフで。
「うーーーーん痛い、苦しいよ!」
呻き続けている。
勇者が10分で死ぬ猛毒を、たっぷりはらわたに吸い込んで。
血だまりを地面に作るほどに、出血して。
地獄の苦しみを、呻き続けた。
――しかし、死んでいない。
「このお方、お通夜様? 死んでるはずなんですが・・・」
裏ギルドの毒係だった獣人がいぶかしんだ。
「オツヤ様!!!! オツヤ様! 聞こえますか?」
「カ、カタリアさん・・・。くっ苦しいけど大丈夫。うっヤッパダメ ガクッ」
「オツヤ様ーーーーー! 目を覚まして!!!!!」
「うっ! は、はい生き、てはいます・・」
「いや死んでますよ普通??? どういうことでしょうか・・・・」
ズバッ!!!! カン!
カタリアに飛んできたナイフを、ボブが丸太で叩き落とした。
「きた! さっきのやつら!」
警備隊の服を着た男たち五人が、別方向からカタリアを襲う。
中央の男三人は、ボブの丸太ぶん回しを食らって彼方に吹っ飛んだ!
左の刺客は、元裏ギルドの信者がタックルしてもつれ倒れる。
右の刺客は、警備隊の信者が集団で絡みつき、動けないでいる。
倒れた刺客を、ボブがデッドリフトの要領で空中に放り投げた!
続けて右の刺客も放り投げ、空中で落下中の刺客と、上昇中の刺客がでかい音を立ててぶつかった。
「こいやっ! アニキとカーちゃんはおらが守る!」
再び手にした丸太を構え、ボブがオツヤとカタリアの前に立ち、見得を切る。




