013 起動! 救世の暗黒神教団
「さて、オツヤ様。お話ししていると時間が溶けますわね。
明るくなってまいりました。そろそろ動きましょう。
ボブ、急いで支度を」
「急ぐ? どーしただ。朝飯食っていかないのか?」
「我々は、テロ犯として国家から手配されているのですよ。すぐに動きなさい」
「へ?」「おいらたち何もしてないべ。逃げただけ」
「状況を俯瞰すればわかることです。
あの爆発で生き残ったのです。生存者は他にいないでしょう。
緊急でしたから変装もできず町を走り抜けましたね。
私たちは国家反逆者として手配されるのが自然でしょう。
『教国の重要拠点を爆破したテロ犯が逃亡した』と」
「ひーーーー僕じゃない僕じゃない」
「おいら達、悪ものだっぺ?!」
「そういうことになりますわね。でもこれは好都合ですわよ。
我々、『救世の暗黒神』教団の旗揚げとして!」
カタリアさん目がイッてる。
「この汚れた体制を潰し、真の平等と自由を手に入れる。神の意志を実行するのです。
その手始めとして、ギルドの爆破はインパクトとして最高ですわ。
あえて利用させていただきましょう。
いやこれはオツヤ様の深謀遠慮。
そして、人々に広めるのです。真実を!
腐った貴族どもと教会どもを打ち滅ぼすのです。
救世の暗黒神教団は今、起動しました。
時代は動き出したのです!」
「「なにそれ怖い!」」
ボブとオツヤのセリフが被る。
「偽らない真実のステータス世界を我々が取り戻すのです!!!」
カタリアの絶叫とともに、ステータスパネルが自動起動した。
半透明ではあるが、いままでのように青白ではなく――赤黒い!
「カタリア 24歳 人族
職業:暗黒神の巫女
LEVEL:66
HP:6
MP:666
所属:救世の暗黒神教団
スキル:生活魔法 布教」
「レベル! むっちゃあがっとる! 抜かれちゃったベ!」
「みこ? 巫女みこ、なななまむ巫こみこ、うわわわーーー!!
巫女みこやめてーー!」
「ああ、オツヤ様。これが奇跡ですのね。私の中にも力を与えてくださった。
使います。使いますともこの力。
暗黒神様のために私のすべてをつくしますわ!
さあ一緒に真のステータスを!お開きください!」
「おらも開けばいいのけ? ステータスオープン!」
「ボブ 19歳 熊獣人 職業:冒険者(C級) LEVEL:14 HP:32 MP:6 STR:180 愛称 ボブたん 所有スキル:怪力 投擲」
「おら変わってないし!」
「わっ分かりました! ステータスオープン!」
(なんか僕、カタリアさんに逆らえないよ!)
―― またしても世界の序列が変化した。




