109 決戦3
世界最強のステータスパネルは、ステートピア王とアナリザ司祭の中間に現出した。
そして、ステートピア王の左手を切り落とし、アナリザの胴体の3分の1を寸断。
その一瞬、二人の限界速度域で会話がなされた。
「王よ。これには勝てません。理の外にあります。このままでは負けます」
アナリザは眼球は回転したままだが、決意を秘めた言葉の強さがあった。
「王よ。経験値とスキルをお受け取りください」
「わかった」
アナリザはステートピア王の胸に飛び込む。
ステートピア王はアナリザの首を右手ではねた。体を抱きしめた。
「ステータスオープン!」
ステートピア王が叫ぶ。
「ステートピア LEVEL:8600 ステートピア勇者」
アナリザの首が転がると、王のステータスパネルが書き換わる。
ステータスパネルは金色となり、神々しい光が周囲を満たす。
「ステートピア LEVEL:∞(インフィニティ) 神族 新スキル:神眼」
アナリザの首は、満足して笑っているように見えた。
「アナリザよ 理を超えたぞ」
ステートピア王は神になった。
その一瞬のやり取りを逃さなかった。
リズとボブとガリクソンが同時攻撃をしかけた。
「む」
三人はステートピア王、いやステートピア神に攻撃を仕掛けたままの体勢で空中静止していた。
「神眼は攻撃にも使えるか。解析と攻撃の統合。神にふさわしい」
「ステータスクローズステータスオープン」
オツヤは三人に当たらないように集中してパネルを閉開した。
「むう」
ステートピア神は避けた。
神は避けた。
「神眼がよけろと言った。どういうことだ」
「神眼解析」
漆黒のステータスパネルを神の目でにらむ。
「勝利確率 0%
どういうことだ?どういうことだ!どういうことだ!!!!!」
神の怒り!
天を雷雲がつつむ。
ボブとリズ、ガリクソンは攻撃を仕掛けたままのポーズで吹き飛ばされた。
稲妻の光が充満した雷雲、それを、暗黒の気が浸食していく。
宙に浮かぶ巨大な漆黒の板。
重厚感のある金属質の板からドス黒い気が放たれ、周囲を暗黒界に変容させていく。
それはステータスパネルと呼ぶにはあまりにも禍々しすぎた。
漆黒面に爪で何度も引掻き切刻んだような怨念を思わす深紅の血文字。
「オツヤ 人族 28歳 LEVEL1 HP 5/5 MP 1 STR 1
特記: 【世界最強 の ステータスパネル保持】 」
新たなる神、ステートピア神の誕生も、この漆黒の板の序列は変えられなかった。




