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第1章 地下街 7
地下街 7
「登録証見せろ」
ユラは動けなかった。
喉がつまる。
酒場の灯が妙に眩しく見えた。
ヴィクが間に入る。
「だから申請中だって」
「何ヵ月申請してんだ、お前」
「役所が遅ぇんだよ」
「絶対してねぇだろ」
「失礼だな」
全く思って無いかおだった。
ミナがキセルをくわえたまま言う。
「ヴィク、顔」「何」「今ちょっと笑った」「笑ってねぇ」
隊長はため息を吐く
どうやら、何時ものやり足りらしい。
ユラは笑えなかった。
警邏隊の制服を見るだけで体が強ばる。
連れ戻される。
それが頭から離れない。
隊長が再びユラを見る。「名前」
ユラは唇をかむ。
ヴィクが先に口を開いた。「ユラ」「お前に聞いてねぇ」「代わりに答えた」「保護者か?」「違う」
ミナが吹き出す。
「そこ、否定早い」
「誤解招くだろ?」
「今更?」
隊長が額を押さえる。
完全に疲れていた。
多分この店に来る度こんな感じなんだろう。
その時、隊員が倒れた棚の奥を見て言った。
「おい」
全員の視線が向く。
「酒、全部割れてる」
「………」
ヴィクが静かに天井を見上げた。
「あー……」
ミナがキセルの灰を落とす。
「御愁傷様」「カワイソー」「だから棒読みやめろおー!」
ユラは思わず吹き出した。
隊長がユラを見て少しだけ眉をを動かした。
「……お前」低い声
「何歳だ」




